豊英島 2024年 夏のきのこの観察会
ちば菌類談話会の会員にはなっていますが、初心者きのこハンターを自認する私。ハンターといっても美食ハンターではなく、毒きのこを中心に大物狙い(笑)。
ちば千年の森をつくる会の夏のきのこの観察会@豊英島(とよふさじま)への参加は2019年以来のこと。今年初めてのきのこの観察会です。
FBの投稿を読み返す(クリックして展開できます)と前回はきのこがほとんど見つからなかったとあります。今回はどうでしょうか?
ヤマビルよけに塩水を足にスプレーし、吊り橋を渡って、一旦、千年広場に集合。ミーティングのあと、三々五々、きのこ探しに出かけました。
講師といっしょに島を回ってきのこを探せば、いろいろ説明を聞けますが、一応、ハンターを気取っているので、自分ひとりであまりひと気のないほこら山の方、西へ。
先を歩いていた方が見つけたのですが、幸先よくトゲ状のイボがかわいいコシロオニタケを観察することができました。
そして、先週、伐木講習会で倒したコナラの様子を見に行ったら、カワキタケが沢山生えていました。
もともと枯れて腐った木だったので菌が入っていたのでしょうが、短期間で大きいきのこが沢山、出ていてびっくり。
さらにその周辺でドクツルタケも発見。貴婦人のような気品を感じる立ち姿で日傘をさしていました。ご存じ、殺しの天使です。
その後、禁断の岬へと向かいました。禁断の岬は2019年の台風15号で倒れた木が道をふさぎ、立ち入りが禁止されていた時期もあって久しく訪れていませんでした。
途中、尾根を外れ、崖を降りて湖水近くを歩きました。そこでは柔らかいきのこはキニガイグチ(右上)とコテングダケモドキ(左下)くらい。あとはヒイロタケ(右下)、カワラタケ、ウチワタケなどの硬いきのこばかり。
途中からまた崖を登って尾根に出て禁断の岬へ向かいましたが、どんどん道が険しくなります。まだ、一か所、倒木が道をふさいでいました。
ここの崖を苦労して降りてきのこを探したものの、見つかったのは、ツチグリの仲間だけでした。
禁断の岬までなんとかたどり着きました(汗)。
ここまでにかなりの時間を使ってしまったので、少し休んだだけで来た道を戻ってホテイ岬の方へ向かいました。
もう、じっくりきのこを探す余裕はなく、結局、調子よくきのこが見つかったのは最初だけでした。
ホテイ岬のところで講師グループと一緒になりましたが、すれ違う方々のバスケットを覗いてもあまり収穫はなさそう。
もともと、きのこが少なかったのだなと、諦めもつき、お昼すぎに千年広場に戻りましたが、ブルーシートにそれぞれが収穫したきのこを並べてみるとそれなりに集まりました。
午後は講師による解説です。久しぶりに聞いた吹春節も健在で、何回聞いてもほっこりさせられますが、今回、新しい話もありました。
きのこが胞子をすごいスピードで打ち出しているとのこと。すぐ(空気抵抗で?)失速してしまうものの、ひだからは十分離れて空気の流れに乗って運ばれるそうです。
それから中島先生の硬いきのこの話。地味な硬いきのこには、正直、目が向かないのですが、3回、4回と先生のお話を聞いてきて、彼らは彼らで興味深いことは分かってきました。
・柔らかいきのこを分類するのには「胞子(紋)の色」が重要視されてきましたが、硬いきのこでも同定は裏側が大事。
・エゴノキタケはエゴノキだけに生える宿主選好性のきのこ。
・オオゴムタケは、木材の表面に硬いバリア(偽菌核)を作ることで他の菌類が侵入されないようにゆっくりと木材を分解する。
などなど、湯水のごとく湧いて出てくる知識には毎回、圧倒されます。
こちらは、枯れ木の中で緑青色を出すロクショウグサレキン属。いい写真が撮れなかったので、中島先生がアップした観察記録(Naturalist)へのリンクを貼っておきます。
秋のきのこの観察会も楽しみです。
ちば千年の森をつくる会の森便りでは、当日の様子が詳細に記載されていますので、ご覧ください。http://toyofusajima.html.xdomain.jp/tayori/247.pdf
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