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【部員紹介 おまけ】 市村友玖 【修士2年】

こんにちは。修士2年の市村です。融合理工学府の情報科学コースというところで通信に関する研究をしています。一応書きますと、修士というのは大学院の課程で、通常は大学4年の課程を終えた後に入学します。私は2018年に入学しているので、今年で在学6年目になります。陸上部には2年生の時に入部したので、実は在籍5年目です。

高校でも陸上部に所属していたので入学後はまず陸上部への入部を検討したのですが、当時は週4回の活動は大変そうだと感じて、活動が週3回でゆるい雰囲気のトライアスロン部に入部しました。2年生になる頃、陸上部で箱根予選会に出場するための選手が1人足りなかったという噂を聞いて、「じゃあ俺が入れば出れるじゃないか。仕方ない、手を貸してやろう。ガハハ」とおいしいところ取りする気満々で入部したはいいものの、標準記録を切った先輩方はすでに卒業していて、10人揃えなければいけない記録突破者は今のところせいぜい5人といった状況でした。これはまずいと思ったプロレス好きの私は、新歓の飲み会で、「直前にスイムもバイクもないただのランなど取るに足らない。すぐに標準記録を突破してみせる。」とヒール(悪役)さながらに自己紹介をして、直後気合で標準突破を果たしたのですが、いまいちプロレス陸上は流行らず、「トライアスロン部の走りなど邪道。俺が本当の陸上を見せてやる」とつっかかってくる人はいませんでした。結局その年も記録突破者を10人集められず、予選会に出場することはできませんでした。

そんな感じでトライアスロン部と掛け持ちしながら活動していたので、週3回の活動にひかれてトライアスロン部に入部したのに、結局毎日活動していました。まあ始めてしまえば週何回とか関係ないですよね。

その当時、2年生の頃一番難しかったことは、トライアスロンと陸上競技の両方に体を調整することでした。トライアスロンのランはかなり特殊で、普通にロードを走るのとは違います。標準的なトライアスロンのレースでは、1.5km泳いで40km自転車をこいだ後に10km走ります。もちろん同じ走る競技ですから、トラックの5000mや10000mの延長線上にはあるのですが、走り始める時の体の状態が違います。足の状態は、スクワットをたくさんやってから走る感覚に近い気がします。トライアスロンはそういう体が疲労している条件下で走るため、4分/kmのペースを保てればかなり速い方ですから、練習も疲労した状態で走ることを特に意識します(マラソンの後半を意識した練習にやや近いかもしれない)。一方で、トラックレースの5000mや10000mはある程度スピードも意識する必要があり、限られた時間で両方の練習をすることはできませんでした。そうすると同時に2つの練習をするしかないので、家から大学までの60kmの道のりを自転車で来て、その後他の人がアップを行っている時間に少し休憩してペースランニングを行うということをしていました。長時間自転車をこいだ後に3'40/kmのペースランニングをこなせれば箱根予選標準記録を突破できます。ぜひ参考にしてください。
ともあれ、そういう練習が結果的に色んな種目でのベスト更新につながりました(5000m, 10000m, マラソン, トライアスロン)。私は高校の頃はケガがちで記録が伸びなかったのですが、大学では上で書いたようなハードな練習を繰り返しても、ケガをせず、記録を伸ばすことに成功しました。これはおそらく、ポイント練習をラン以外でも行えたこと、スイムやバイクなどの異なる動きを経験して走りが綺麗になったことによるのではないかと考えています。これはつまり、異なる体の動き(楽器演奏などでも良い)に集中すると、脳の運動領野的なところが刺激されて、直後の走りが洗練されるみたいなことが起こるのではないか、と考えています。体育科の人に研究してほしいです。また、スイム練をしっかりやると走ったときに上半身のブレが小さくなり、バイク練をしっかりやると接地時のブレが小さくなる感じがします。ほとんど私の憶測の範囲を超えませんが、何か練習のヒントになれば僥倖であります。

本当は100kmマラソンを完走した話なども書きたいのですが、長くなってしまうのでそれはまた別の機会に書きたいと思います。最後にチームの話を書きたいと思います。

私は4年間陸上競技部に所属していますが、その間箱根駅伝予選会に出場できたことはありません。箱根駅伝に出場するのはもちろん大変ですが、実は予選会に出場することも非常に大変です。予選会に出場するには、トラックの10000mで34分以下の記録をもつ選手を10人以上揃える必要があります。千葉大学長距離ブロックは毎年予選会に出場することを目標にして練習に取り組んできましたが、2018年以降毎年あと1人か2人メンバーが足りず、苦汁をなめてきました。毎年あと一歩が足りなかった。こんなことを書いたら怒られるかもしれませんが、今までのチームは予選会出場という目標が形骸化していた部分があったように思います。同じタイミングで、同じ熱量をもって取り組んでこれなかったように思います。
ただ当然、予選会出場という目標が必ずしも個人の目標と一致するわけではないですし、10000mで34分という標準記録はそう簡単に突破できるものではありません。だから重要だったことは、予選会出場が選手個人にとって差し迫った目標であると認識してもらうことでした。私は出場したい気持ちが強かったので、けっこう真面目に上で書いたようなプロレス的かけあいを意識して、その中で目標に対する熱量が高まることを期待していました。しかし、そういったアプローチは恐らくちょっとわかりにくく、大雑把すぎたと思います。ではどうすべきだったかというと、それは今のブロック長の條川くんが示してくれているように思います。
彼はまず、定期的にミーティングを開催しています。ミーティングでは練習内容について深く考え、他の部員の意見をよく聞いています。1週間の練習計画はどうするか、インターバルやペースランニングの距離はいくつで何本やるべきか、それぞれの練習はどういった効果があるのか、そういったことを非常によく考えていると思います。一方で、彼は他の選手の練習のペースやバックグラウンドをよく尊重してくれます。他の選手への信頼を感じます。そういう選手がブロック長で、一番練習を積んでいて、箱根予選会出場に対して熱い思いを語るのですから、我々も彼を信頼してその目標に尽力するより他はありません。(この信頼が鍵だと思います。今まさに熱のある選手は、そうでない選手を極めて個人的に信頼し、また同時に相手から極めて個人的な信頼を勝ち得る必要があります。)
これは好機であります。私は100kmマラソンを走っているので時機というものがわかります。力のある選手はそろっています。伊藤快太が目の色を変えて走っている。これが好機でなくて何が好機か。肩書きも建前も差し置いて、ただ34分よりたった1秒速く走る。そこに名前をかけようじゃないか。と、そう言っているわけです。新入生も、在学生もこの機運を逃すべからず。

私は大学院所属なので残念ながら直接貢献することはできませんが、自分自身の目標達成に向けて走りたいと思います。それがあるいは後輩の皆さんを後押しすることにつながるかもしれません。私も皆さんが頑張っていると頑張れます。長らく冬眠していましたが、今年は学生最後のシーズンですから、退っ引きならない私をかけて走りましょう。

意味もわからずロス・インゴベルナブレス・デ・ハポンのポーズをさせられる人たち
BUSHIが3人いる

かわいいですね。本家は下のような感じなのでよろしく。

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