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第30回全日本身体障害者野球大会2日目 ”この大会はエースと心中”序盤接戦も終盤力尽き敗退...次は夏の関東甲信越大会へ

3年ぶりに参加した「全日本身体障害者野球大会」。

千葉ドリームスターは、初戦に昨年秋の選手権で対戦した「仙台福祉メイツ」と再戦。打線がつながり10−1で快勝し、リベンジを果たしました。迎えた2戦目は岡山桃太郎との対戦になりました。

城が先発、序盤は接戦に

岡山は本大会で準優勝、昨年の選手権では優勝している強豪で、今回は”もうひとつのWBC”と呼ばれる「世界身体障害者野球大会」にて日本のエースでもある早嶋健太投手と相対する事になりました。

この日は、小笠原一彦監督に代わり監督代行を務めた土屋純一ヘッドコーチが指揮を執ります。

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この試合のスターティングメンバーは以下の通りです。

1 土屋来夢(遊)
2 石井修(一)
3 梶本祐介(二)
4 城武尊(投)
5 小林浩紀(DH)
6 山田元(捕)
7 宮内隆行(左)
8 川西努(右)
9 藤田卓(中)
10 佐野賢太郎(三)

2戦目も前日に続き城が先発マウンドに。チーム全員が以前から声を揃えて「この大会は城と心中」と話していた通り、背番号18の若き右腕に全てを託します。

この日も先発マウンドに立った城

城も世界身体障害者野球大会では日本代表に選ばれており、”日の丸”対決が実現。2試合目も前日同様に初戦で、9時にプレーボール。1回表、マウンドに上がった城は先頭で打席に立った早嶋といきなり直接対決します。

両者は上述の世界大会で同じ日の丸を背負っただけでなく、城が広島アローズ在籍時は同じ中国・四国地区でしのぎを削ってきた間柄でもありました。ただ、ここでは力んだのか2球目が早嶋に当たり死球に。

早嶋選手との代表対決に

その後2死1・2塁まで来るとビッグプレーが飛び出します。相手5番・萩原の放った打球がセンター方向にライナーで飛ぶと、中堅を守る藤田卓がスライディングキャッチ。

投手を中心に内外野も守れるユーティリティプレイヤーでもある背番号1が守りでチームのピンチを救い、ナインから総出で迎えられました。

チームのピンチを救った藤田(写真中央)

四死球から先制を許し、悔しい結果に

2回まで0−0。両投手が1安打に抑え、投手戦となった中で試合が3回に動きます。城が先頭の早嶋から連続四死球を与え1・2塁のピンチになると、岡山の3番・井戸が右前に運び2点を先制されます。

その後も制球が乱れ1被安打ながらこの回5点のビハインドとなる展開に。ここで土屋ヘッドの声掛けで円陣が組まれ、切り替えて攻撃に臨みます。

攻撃に向けて確認するナイン

打撃陣は焦って手を出したいところを堪えながら球を見極め、連続四死球で1死1・2塁のチャンスをつくるもあと一本が出ず本塁が遠のきます。

4回の城は立ち直り3者凡退の投球で味方の逆転を信じるも、試合が既に90分を超えていたため4回裏が最後の攻撃に。

ただ、この回も2死ながら1・2塁のチャンスを再度つくるも後続が倒れ無得点。0−5でゲームセットとなりここで敗退となりました。

戦況を見つめるナイン

土屋ヘッドは試合後、「エースである城と心中するつもりで送り出したので、本調子でなかったですが変えるつもりは微塵もなかったです。相手もエースが投げてくれましたが連打は難しいので、四球や失策を誘いたいと考えていました。やはり得点できるチャンスが少なかったですね」と振り返りました。

ただ、続けて「先行して守備力で凌ぐと考えていたので、序盤は理想の展開でスタートできました。守備力がさらに向上していて、全国のチームとも遜色はないと感じました」と収穫も口にしました。

上位進出とはならなかったドリームスター。しかし、次の戦いに向けた準備はその翌々週から始まっています。8月には関東甲信越大会が東京で開催され、3年ぶりに全6チームが参加することが決まりました。

大会に向け、土屋ヘッドは今後の課題について「打撃力に尽きます」とはっきり述べます。

「私が身体障害者野球に携わってから、特に投手のレベルが格段に上がっています。そういった投手を打つには、健常者チームと練習試合を組んでレベルの高い投手の生きた球を体感するしかないです」

と話しました。早くもその言葉通り健常者チームとの練習試合を組み実戦での練習も行い、浦安リーグも再開されました。来年神戸の舞台に立ちこの悔しさを晴らすべく、夏がこの先一番の山場となっていきます。

(おわり)


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