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上位打線が機能し大会初勝利!初の選手権は5位に。「第23回 全日本身体障害者野球選手権大会」~2日目~

11月6日(土)〜7日(日)、兵庫県豊岡市の「全但バス但馬ドーム」で「第23回 全日本身体障害者野球選手権大会」が開催された。(以下、選手権大会)

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前日敗戦の悔しさを胸に5位決定戦へ

初の選手権出場となったドリームスター。仙台福祉メイツとの試合は投手戦の中1点の奪い合いに。

仙台に先制を許したが、本大会主将を担った土屋来夢の執念の本塁ヘッドスライディングで最終回に追いつき、1−1で規定の100分に。9人制のじゃんけんによるタイブレークも最後の9人目までもつれ惜しくも敗れた。

↓1日目の模様はコチラ↓

「但馬に来たからには1勝して帰ろう!」

自然とナインの間で湧き出た合言葉を胸に、大会初勝利へと臨んだ。

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対戦相手は龍野アルカディア(東近畿:以下、龍野)。ドリームスターは過去に毎年静岡で開催される大会「ドリームカップ」で2度戦っておりいずれも敗れている。今回3度目の正直で龍野、そして選手権初勝利を目指す。

スターティングメンバーは以下のラインナップ

1 土屋来夢(遊)
2 小林浩紀(二) 
3 城武尊(三)
4 山田元(捕)
5 山岸英樹(中)
6 石井修(一)
7 篠原敦(投)
8 宮内隆行(左)
9 三浦敏朗(EDH)
10 関拳児(右)

この試合では、投手も打席に立ちDHも加えた10人制攻撃=EDH(特別指名打者)制度を採用。この日は三浦、そして篠原が名を連ねた。

先発マウンドはその篠原が上がる。関東甲信越大会では、東京ジャイアンツを相手にノーヒットノーランの快投を演じ、大会MVPにも輝いている。

大会以降も好調を維持し続けていることから、小笠原一彦監督は迷わず篠原を指名した。

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初回に先制し、序盤から主導権を握る

この日は第1試合、8:30プレーボール。前日同様に100分制で行われた。

ドリームスターは初回から打線が機能する。リードオフマンの土屋が中前打で出塁すると小林も左前で続き、迎えるは3番の城。

広島アローズ時代に何度もこの地を訪れ、”もうひとつのWBC”と呼ばれる世界身体障害者野球大会の日本代表としても名を連ねる24歳は、誰よりも「悔しい」と語る。

初戦の後も、前回大会覇者の岡山桃太郎や今年5月の選抜大会覇者の名古屋ビクトリーの試合を最後までスタンドから視線を送るなど自らを奮い立たせていた。

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この日も「このまま負けられない」と並々ならぬ想いで臨んだ城は前日2安打の好調そのままにバットを振り抜いた。力強い打球はレフトへのタイムリー二塁打となり先制点をもたらした。

先発の篠原もストライクゾーンに吸い込まれるような投球で相手打者を翻弄。緊張感ある試合や健常者との試合で結果を残し続け、この日も期待に違わぬ投球でスコアボードに0を刻み続けた。

当初の予定は2イニングだったが、小笠原監督もリズムの良さから予定を変更しさらに1イニングを託した。その1イニングも難なく抑え、3回無失点と試合をつくりバトンを繋いだ。

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3回表には山岸のタイムリーで1点を追加、石井修の安打で繋ぐなどで2点リードを奪い4回裏へ。2番手は藤田卓が登板。チームとして本格的に動き出した頃からユニフォームを着続けてきた背番号1がマウンドに上がる。

しかし緊張からか、普段のストライクゾーンに集める投球ができずこの回2点を失い同点に。

時間も迫った中、5回の攻撃を迎える。ここでもドリームスターは終盤の強さを発揮する。この回先頭の2番・小林が安打で出塁すると打席には城。ここまで5打数3安打と好調の若武者は大会の締めと言わんばかりの打棒を披露。

打球は軽々と右中間を抜けていき、快足もあり悠々ホームイン。ランニング本塁打で2点を勝ち越した。

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後続も緩めず、山田・山岸を塁に置き8番・宮内が2点タイムリーで2人を還しこの回4点を追加。一気にリードを奪った。

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その裏のマウンドも藤田が上がるも1点を失い、小笠原監督は城への継投を決断。2人を抑えたところで試合時間の100分となりゲームセット。

6-3でドリームスターが初勝利、龍野戦も3試合目にしてこちらも初勝利となった。選手権は1勝1敗となり、最終順位は5位で確定した。

10年の節目で初の参戦となった選手権。選手・スタッフはみな「悔しい」という気持ちを持ったまま但馬を後にした。また、中䑓陵大主将や土屋大輔など主力として引っ張る選手たちもここにはいなかった。

「もう一度選手権へ」

このままでは終われない。離脱していた選手含めチーム全員でまたこの地に立ち、今年の雪辱を晴らすべくまた活動を再開する。

(おわり)

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