千葉ドリームスター 地域貢献活動再開。 市川市立菅野小学校 体験授業レポート
12月15日、千葉ドリームスターは市川市立菅野小学校を訪問し、身体障害者野球の体験授業を行いました。
社会貢献活動の一環で2017年より実施
ドリームスターは昨今、スポーツ界においても積極的に取り組まれている「SDGs(Sustainable Development Goals)」に着目し、SDGsで定められている全15項目のうち4つの目標にフォーカスしています。
千葉県唯一の身体障害者野球チームとして、「千葉県との密着」や「身体障害者の方々に向けた交流機会創出」に向けた活動を継続的に行っています。
小学校や中学校へ訪問し、身体障害者野球の体験授業や講演を行って来ました。地元市川市の菅野小学校では17年より開始し、18年には石井修選手の母校へも訪問しています。
今回10月に菅野小学校から2年ぶりにオファーをいただき、快諾。これまで参加してきた土屋大輔外野手・山田元捕手・石井修内野手・富田寅蔵スコアラーの4名に加え、三浦敏朗投手・山岸英樹投手・立木秀孝内野手ら8名が講師役を務めました。
自己紹介の際に実演、生徒たちから驚きの声も
まずは、土屋選手が進行役となり挨拶。そのあとはそれぞれどんな障害を持っているかをマイクを手に紹介します。
上肢障害と下肢障害に分けてパートを分け、動きを一度披露。グラブを外してボールに持ち替えスローイングする「ワンハンドキャッチ・ワンハンドスロー」を山岸選手が見せた際は生徒たちから「うわ、すごい!」といった歓声が一同に上がります。
後半は石井選手が義足を見せながら自己紹介し、全員が一言話し終えると義足と車いすでのキャッチボール。菅野小の安田先生も、義足の器具を用いて体験しました。三浦選手も普段は自身の脚でプレーしますが、この日は実演のため車いすに乗ります。
最後は山岸選手によるロングティー。練習でも柵越えを連発している持ち前のパワーを存分に披露。生徒たちは立ち上がって飛距離に目を輝かせていました。
4つのグループに分かれ、生徒たちが実際に体験
ここから生徒たちによる体験が始まります。車いすでのキャッチボール(三浦)やアイマスク着用で片目を隠してのキャッチボール(立木・富田)、片手スロー(山岸・山田)、そして石井・土屋の両名が実際に箇所を見せて質問に答えるコーナーを設け、3クラスが4つのグループに分かれました。
片手でキャッチボールを行う体験では、グラブを真上に舞上げ持ち替えるのを何度も挑戦。「むずかし〜」と苦戦しながらもできた時はみんなで拍手し野球の楽しさも経験する機会になりました。
途中、生徒たちが自然と集まり質問攻めに。選手たちも1人1人丁寧に投げ方を教えました。
土屋選手や石井選手へは生徒たちから「見てみたい」などとリクエストが。自身の腕や義足を実際に見せ、ここでも1人ずつ質問に答えました。
野球体験のあとはドッジボール。2コートに分かれ、選手たちを交えて行いました。青空の下、楽しく駆け回る様子とともに生徒たちの活気ある声が校庭に響き渡ります。
最後は生徒からの質問コーナー
笑顔あふれる体験授業の最後は生徒たちからの質問コーナー。この日のために用意したという約20人の生徒たちが、選手へ聞きたいことを投げかけていきます。
「野球ではどのような練習をしていますか」
「通常の野球と違うところはありますか」
「普段の生活で困っていることは?」
などと、野球から普段の生活まで幅広い質問に選手もお互いにマイクを渡し合います。
山田選手は身体障害者野球ならではのルールを説明し、答え終わると「大事なこと伝えなきゃ」とマイクを再び手に持ち、打者代走制度について丁寧に解説。
「石井選手のように義足の選手などが打つときは代わりに走ってもらうことができます」と、お互いが支え合うからこそできる魅力を説きました。
時には選手から逆質問をするなど、想像を促しながら自身の過去の経験や、「ひたすらトレーニングしました」などと努力して培ってきた話など惜しみなく伝えます。
「グローブにはどんな工夫がされていますか」と道具についての話題になった際は、土屋選手が「すぐ取り外せるように、手を入れる部分の紐を外しています」と答え、使っているグラブを実際に見せるなど、さらに理解を深めていきました。
石井選手は「助走なしで投げれますか」と訊かれると、「階段を片足ケンケンで降りる特技がありますよ」と小学校時代は5階から1階までを片足で降りたというエピソードも紹介。さらに質問が選手たちへと届きます。
「野球チームを見つけて入った時の気持ちは」という質問に及んだ際は、土屋選手は勇気を振り絞ったと言い、
「知らない人たちの中に一人で入っていくので勇気が要りました。そこで自分よりも重い障害を持ちながらでもプレーしている姿を見て、”自分もできるかもしれない”と逆に勇気をもらいました」
と入団当時の話を時折懐かしみながら答える様子も。
約20分かけて全員の質問が終わると最後は生徒たちから「ありがとうございました」と大きな声で挨拶。選手たちも深々とお辞儀をし、感謝の意を表しました。
その後も生徒たちから大人気の選手たちはそれぞれ囲まれるなど、貴重な交流の機会を時間いっぱいに楽しみました。
お互いに「まだまだ話したかったね」と言いながら校舎に入るまで見送り、惜しまれがらも体験授業は無事終了。
安田先生は体験授業後、「子どもたちもパラリンピックなどを授業で学んでいるので、すごく興味を持っています。さらに実際選手たちと会って体験も通じて、大変な部分やできることがたくさんあることを理解したのではないかと思います」と話していただきました。
千葉ドリームスターは今後も、千葉県唯一の身体障害者野球チームとして県内の学校訪問を継続していきます。「我々の学校でぜひ体験授業をしてほしい」という学校がありましたらお気軽にご連絡ください。
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