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北海道公立大学法人札幌医科大学第4期中期目標(素案)について(2024.8.6 北海道議会 総務委員会 質疑)

 皆さん、こんにちは。
 北海道議会議員の千葉真裕です。
 令和6年8月6日の総務委員会において、質疑を行いました。

 なお、今回報告のあった、北海道公立大学法人札幌医科大学第4期中期目標(素案)の概要は以下のとおりです。

一 北海道公立大学法人札幌医科大学第4期中期目標(素案)について
 ただ今、報告のありました札幌医科大学の第4期中期目標の素案について、以下何点か伺います。


(一)入学者選抜の見直しについて
 1 これまでの見直しについて
 ただ今、報告のあった素案では、入学者選抜の見直しに際して地域医療関係者などから、道と連携して幅広い意見の集約を図るとされていますが、従来は、どのようなプロセスでどのようにして見直しを行っていたのか、また、今後どのように改善が図られることになるのか伺います。

【答弁:窪田 総務部行政局法人団体課大学法人担当課長】
 これまでの見直しについてでありますが、札幌医科大学では、優秀な人材を確保するため、入学者受入方針、いわゆるアドミッションポリシーを定め、道では、中期目標において、このアドミッションポリシーに沿った人材の確保を札幌医科大学に示しているところであります。
 これを踏まえまして、札幌医科大学におきましては、学内の教職員を中心に構成する各種会議を経て、見直しを行ってきたところであります。
 その際、能力や意欲等を持った優れた人材を確保するため、入学者選抜のあり方については、社会経済情勢等を踏まえ、適切に見直しを行うことが必要であると考えているところであります。
 また、札幌医科大学では、本道の地域医療体制の確保に向け、積極的な役割があることを鑑み、今後、地域医療関係者などから幅広い意見集約を図りながら進めていく必要があると考えていることから、新たに中期目標に明記させていただいたところであります。


2 見直しの方向性について
 次に、素案では、「入学者選抜の在り方については、社会経済情勢等を踏まえ適宜の見直しを行う」とされています。
 わたくしは、入学者の受入れに関する目標として示すのであれば、「地域医療を担う人材を確保する観点」など、より具体的に道が期待する見直しの方向性を示す必要があると考えますが、見解を伺います。

【答弁:窪田 総務部行政局法人団体課大学法人担当課長】
 見直しの方向性についてでありますが、中期目標は、業務運営に当たっての理念や方向性を示すものであり、策定にあたっては、道の意向を法人運営に反映させつつ法人の自立的運営に配慮する観点から、道の政策を踏まえた方向性を示し、具体的な取組内容は法人の自主的検討を促すことを基本としているところであります。
 道では、中期目標の教育に関する目標として、能力や意欲等を持った優れた人材を確保するため、人口の減少や他大学の動向など、社会経済情勢等を踏まえ、適切に見直しを行うことが必要であると考え、素案としてお示ししたところであり、今後、議会でのご議論をはじめ、パブリックコメントや、北海道地方独立行政法人評価委員会からのご意見も踏まえて中期目標を策定していく考えであります。


(二)地域医療等への貢献について

 1 これまでの目標等について
 次に、地域医療等への貢献についてであります。この点については、これまでも札幌医科大学が重点的に取り組んでこられたと受け止めていますが、この度の素案で新たな目標が示されています。
 まず、現行第3期の中期目標においては、公的医療機関への派遣に関し、「地域医療を支える公的医療機関への医師派遣件数」を目標としていますが、第4期の中期目標素案においては、公的医療機関の派遣要請への応諾率を目標としています。
 この度、目標を医師派遣件数から、派遣要請への応諾率に変更することとした考え方について伺います。

【答弁:窪田 総務部行政局法人団体課大学法人担当課長】
 地域医療等への貢献に関する数値指標についてでありますが、札幌医科大学の第3期中期目標では、過去の公的医療機関からの要請件数を基に、令和6年度の見込数を勘案し、1,350件を数値指標として設定したところであります。
 第4期中期目標におきましては、札幌医科大学や地域医療関係者からのヒアリングの意見などを踏まえまして、各地域における医師の需給の状況が大きく変化する可能性があり、今後6年間の要請件数を見通すことが難しく、応諾率を採る方が、要請件数の増減に対応した、より適切な指標であると考えたところであります。


 応諾率の目標値について
 次に、新たに目標とされた応諾率について、「期間平均98%以上」を目標値としていますが、なぜ、このような目標値設定とするのか、これまでの派遣実績や応諾の状況等も含め、伺います。

【答弁:窪田 総務部行政局法人団体課大学法人担当課長】
 応諾率の目標値についてでありますが、札幌医科大学における、公的医療機関への医師派遣の実績につきましては、過去5ヶ年の平均では、要請件数は1,344件、派遣件数は、1,311件、応諾率は、97.6%となっており、札幌医科大学では、働き方改革により労働基準法が改正され、医師についても時間外・休日労働の上限規制が適用となった中にあっても、これまでの応諾率の維持に努める必要があると考えているところであります。
 道としては、引き続き、札幌医科大学が地域からの要望も適切に踏まえ、次期中期目標期間において、働き方改革に十分に対応しながら、これまでより多くの医師を派遣するよう数値指標として98%以上と設定したところであります。


 専攻医の確保について
 次に、この度の素案では新たに地域医療機関への医師派遣に資する専攻医を確保することとされ、専攻医確保数、期間平均90人以上という具体的な目標値も示されています。
道が期待する専攻医とは具体的にどのような医師なのか伺うとともに、専攻医確保に向け、これまでどのような取組を進めてきたのか、及び、今後どのように取り組んでいくのか伺います。

【答弁:吉川 総務部次長兼行政局長】
 専攻医の確保についてでございますが、広域分散型である北海道において、医師の偏在が著しいことから、道では、大学病院で診療に従事するだけでなく、医師派遣を通じた地域の医療提供体制にも資する医師を確保していくことが重要であると考えております。
 こうしたことから、札幌医科大学では、先進的な医療を理解し情報を提供できる専門医を育成するため、臨床研修を修了した医師を専攻医として受け入れているほか、医学部学生や初期臨床研修医と面談を行い、札幌医科大学の魅力を伝えるなどして、札幌医科大学はもとより、他の医科系大学を卒業した医師も含めて、専攻医の確保に努めているところでございます。
 道といたしましては、引き続き、札幌医科大学と連携し、こうした取組を継続するほか、学生が地域医療を志向するよう、より北海道の地域医療に特化したプログラムの充実を求めるなど、地域医療に貢献する専攻医の確保に取り組んでまいります。


(三)今後の対応について
 ここまで、札幌医科大学の今後の中期目標等について伺ってまいりましたが、医師不足や偏在が、地域社会の存立に大きく影響を及ぼすと危機感を強めている各地域の行政や医療関係者も少なくありません。こうした懸念に札幌医科大学がどのように応えていくかは、札幌医科大学の存在意義に直結する重要なテーマであると考えます。
 次期中期目標が、医師不足や偏在に悩む地域にさらに寄り添ったものとなるよう、さらに検討を深める必要があると考えますが、今後どのように対応するのか、見解を伺います。

【答弁:山本 総務部長兼北方領土対策本部長】
 北海道公立大学法人札幌医科大学第4期中期目標素案に関しまして、今後の対応についてでありますが、道では、次期中期目標の策定に当たりまして、地域医療体制の確保に関し、北海道の医療の中核を担う札幌医科大学に対して、医師不足地域の勤務につながる仕組みの構築や地域医療機関への医師派遣に資する専攻医の確保に積極的に取り組んでもらうことを求めておりますほか、達成水準の可視化が必要な項目といたしまして、公的医療機関の派遣要請応諾率、専攻医の確保数を数値指標として設定することを考えているところでございます。
 また、素案の策定に当たりましては、現場実態等を踏まえるため、地域医療関係者や札幌医科大学の医学部長や病院長などから、丁寧にご意見を伺いながら検討してまいったところでございます。(了)


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