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SNS型投資・ロマンス詐欺について(2024.6.17 北海道議会 総務委員会 質問)

 皆さん、こんにちは。
 北海道議会議員の千葉真裕です。
 令和6年6月17日の総務委員会において、質問を行いました。

 なお、今回出てくる、「SNS型投資・ロマンス詐欺」についての北海道警察の対応等は下記のとおりです。

【質問】
一 SNS型投資・ロマンス詐欺について

 SNS型投資・ロマンス詐欺について、以下何点か伺います。

(一) SNS型投資・ロマンス詐欺の定義と特殊詐欺の相違点について
 まず、前提として、「SNS型投資詐欺・ロマンス詐欺」とは、どのような犯罪類型を指すのか、従来の「特殊詐欺」とはどこが違うのか、伺います。

【答弁:能戸 道警・生活安全部組織犯罪対策企画課長】
 
SNS型投資・ロマンス詐欺の定義と特殊詐欺との相違点についてでありますが、SNS型投資・ロマンス詐欺とは、SNS等を通じて対面することなく、交信を重ねるなどして関係を深めて信用させ、指定した預金口座等への振込みその他の方法により金銭等をだまし取る犯罪であります。
 SNS型投資詐欺は、SNSを介し投資アプリに誘導するなどし、架空の投資を名目に金銭等をだまし取るものであり、SNS型ロマンス詐欺は、恋愛感情などを抱かせながら架空の投資や他の事実を口実とし、交際の継続等を前提として金銭等をだまし取るものであります。
 特殊詐欺とSNS型投資・ロマンス詐欺の相違点につきましては、特殊詐欺が、人間関係が構築されていない不特定多数をだます手口であるのに対し、SNS型投資・ロマンス詐欺は、事前に被害者との間に構築した人間関係を利用して特定の一人をだます手口であるという点で異なっております。

(二) 近年における特殊詐欺及びSNS型投資・ロマンス詐欺の発生件数と被害額の推移について
 次に、被害状況についてであります。
 道内では、最近、特殊詐欺の認知件数が減少傾向にある一方で、「SNS型投資・ロマンス詐欺」が認知件数・被害額ともに増加傾向にあると承知していますが、特殊詐欺、「SNS型投資・ロマンス詐欺」それぞれの認知件数、被害額の推移について伺います。

【答弁:能戸 道警・生活安全部組織犯罪対策企画課長】
 
特殊詐欺及びSNS型投資・ロマンス詐欺の発生件数と被害額の推移についてでありますが、特殊詐欺については、本年5月末現在の被害は、認知件数38件、被害額約1億4,000万円で、昨年同期と比べて、認知件数は22件減少し、被害額は約70万円微増しております。 
 一方、SNS型投資・ロマンス詐欺につきましては、本年5月末現在の被害は、投資詐欺が、認知件数37件、被害額約6億7,000万円、ロマンス詐欺が、認知件数29件、被害額約3億8,000万円で、合計すると66件、約10億5,000万円となり、昨年同期と比べて、47件、約7億4,000万円増加しております。 

(三) 今後の取組みについて
 急増する「SNS型投資・ロマンス詐欺」については、令和6年3月5日付けで、各都道府県警察の長あてに、警察庁刑事局長等名による「SNS型投資・ロマンス詐欺対策の推進について」という通達が発出され、5月27日に開催された全国警察本部長会議においても、警察庁長官から全国の警察本部長に、部門の縦割りを超えて対応するよう指示されたと承知しています。
 そこで、道警としての「SNS型投資・ロマンス詐欺」への対応の現状と、今後どのように取り組んでいく考えなのか、順次伺います。

(1) 組織体制の構築状況と初動対応について
 まず、道警として、警察庁等との連携を含む、この問題に対する組織体制の構築状況と初動対応について、現状、及び、今後どのように取り組んでいくのか、伺います。

【答弁:能戸 道警・生活安全部組織犯罪対策企画課長】
 組織体制の構築状況と初動体制についてでありますが、道警察では、SNS型投資・ロマンス詐欺等の犯罪を敢行していると認められる犯罪グループの取締りを含めた組織犯罪対策の強化を図るため、本年4月から、組織犯罪対策局の体制を再編するとともに、被害が急増しているSNS型投資・ロマンス詐欺へ対処するためのプロジェクト・チームを設置して組織犯罪対策部門を中心に部門横断的に対処しております。
 また、本年4月、全国警察が連携した「特殊詐欺連合捜査班(通称TAIT(タイト))」が発足しており、SNS型投資・ロマンス詐欺事件の発生時にも「TAIT」を活用し、証拠収集の初動体制で成果をあげているところであります。
 今後も、引き続き、「TAIT」を活用するなどして、SNS型投資・ロマンス詐欺の取締りを推進してまいります。

(2)  サイバーパトロールについて
 次に、サイバーパトロールについて、現状、及び、今後どのように取り組んでいくのか、伺います。

【答弁:木元 道警・生活安全部参事官兼生活安全企画課長】
 サイバーパトロールについてでありますが、SNS型投資・ロマンス詐欺につきましても、特殊詐欺と同様にSNS等で犯罪実行者の募集が行われる可能性があることから、サイバーパトロールによるいわゆる「闇バイト」募集情報の収集や、SNS上の書き込みに対する警告に取り組んでおります。
 道警察といたしましては、引き続き、サイバーパトロールによる情報収集等を行うとともに、学校と連携して行う非行防止教室等のほか、関係機関との会議、SNS、ホームページ等を通じて、犯罪実行者募集情報等の実態について具体的に発信するなど、実行犯を生まないための取組を推進してまいります。

(3) 「SNS型投資・ロマンス詐欺」抑止対策について
 最後に、「SNS型投資・ロマンス詐欺」の抑止対策の現状、及び、今後どのように取り組んでいくのか、伺います。

【答弁:久田 道警・生活安全部長】
 SNS型投資・ロマンス詐欺の抑止対策についてでありますが、SNS型投資・ロマンス詐欺の被害者は、高齢者のみならず、幅広い世代に及んでいるほか、金融機関の窓口において複数回にわたり現金を振り込んでいる事例もあることから、道警察においては、幅広い世代に対するあらゆる機会・媒体等を活用した広報啓発と金融機関等と連携した水際対策の強化に取り組んでおります。
 また、本年に入ってから被害が急増している現状を踏まえ、6月を「SNS型投資・ロマンス詐欺の被害防止に向けた広報啓発強化月間」に指定し、道警察を挙げて、各種取組を強力に推進しております。
 道警察といたしましては、引き続き、手口や被害発生状況等を踏まえ、自治体や事業者といった関係機関・団体等と連携を図りながら、広報啓発など各種対策を強化してまいります。

(指摘:千葉 真裕)
 SNS上で、1対1のやりとりする段階に入ってしまえば、捜査等も大変困難になることは想像に難くないところであり、だからこそ、先ほどの答弁にあったとおり、新たな実行犯を生まないため、被害にあわないための広報啓発が極めて重要であります。
 関係機関との連携を密にしたうえで、そうした取組みを一層強化し、被害抑止に努めていただくよう指摘して、私からの質問を終わります。(了)

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