マガジンのカバー画像

ミトコンドリアDNAでルーツを巡る

7
石拾い専門雑誌が全人類に贈る新企画、コラム『母親たちは南西風』をまとめました。ミトコンドリアDNAハプログループZという少数ハプロの筆者がそのルーツを本とネットの情報をかき集めな…
運営しているクリエイター

#アジア

コラム 母親たちは南西風 - ミトコンドリアDNAにみる母系の移動 1

『私たちはどこから来たのか』。よく聞く言葉ですよね。学生は誰かしらこの成句を使って作品を作っているし、企業でもこのフレーズで商品や研究のコンセプトを説明していることが多い気がします。いや、皮肉じゃないです。私も人一倍どこから来たのかに関心がありますから。それが高じて遺伝子検査でルーツを調べました。長年の夢だったんです。 ちょっと昔話をします。私が遺伝子検査に興味を持った原体験として記憶しているのは、2007年に東京国立科学博物館で開かれた『インカ・マヤ・アステカ展』です。展

コラム 母親たちは南西風 - 母系だけって他の祖先どこ行った 5

↑ 『母親たちは南西風』バックナンバー ついに第5回まで続いたこのコラム。毎回大好評ですね!この連載を始めてからフォロワーの数が3倍になりました。これは凄いことですよ!並のインフルエンサーでは太刀打ちできないと思います。すごすぎる!! さて、と。私のmtDNAハプログループの変遷は「L → L3 → M → M8 → CZ → Z → Z5」でした。今回はCZとM8とMについて調べたことを書いていきます。今回も参考にしたのは篠田謙一著『新版 日本人になった祖先たち DNAが

コラム 母親たちは南西風 - ミトコンドリア・イヴは泣かない 6

↑『母親たちは南西風』のバックナンバー 連載コラム『母親たちは南西風』、今回が最終回です。ここまでZ5とZ、その親であるCZ、さらにその親であるM8、さらにそのまた親であるMまで見てきました。今回はアフリカを出たL3と、いよいよ風の発生源であるLについて書いていきます。母親たちを北東に向かわせたアフリカからの追い風、一体どのようなものなのでしょうか? 今回も参考にするのは篠田謙一著『新版 日本人になった祖先たち DNAが解明する多元的構造 NHKブックス』(以下、本)です