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白井晟一入門@渋谷区立松濤美術館

この半年、待ちこがれていた白井晟一先生の展覧会です。

https://shoto-museum.jp/exhibitions/194sirai/

IMG_0169のコピー

松濤美術館は、白井晟一(1905-1983)の設計により、1981年に竣工。建築家が、自分がデザインした美術館で、ワンマンショーが開かれるだなんて、なんたる僥倖。うっとりです。


館内は薄暗く、あるいていると、敷きつめられた絨毯の長い毛足に深くすいこまれます。あえていえば、江戸川乱歩の推理小説に出てきそうな、大戦直後の都心部に残された洋館を追体験する感じでしょうか。吉田健一のエッセイなどにも、こうした洋館の内部の描写があった気がします。20世紀前半に西洋文化を思慕した青年たちに共有された、一定の空間イメージが具現化されているのかもです。


このロマンチシズム。ホワイトキューブ的な美術館建築とは対極かもしれませんが。白井晟一先生は、やりたいことはコレ!というのがはっきりしています。それさえあれば構わない、と文学的には思います。

建築的ヴォキャブラリーの多様さの魅力とはまた異質なのかもしれませんが。コロコロ作風がかわること自体も、ある意味での作風なのかもですけど。理想郷がなんたるかを考えさせられた次第です。

普段の松濤美術館の美術・工芸品の展示も渋くていいですが、白井晟一ワールドを堪能するには、やっぱり今回はごく貴重な機会だと思いました。

展覧会とは、作品への供養であり、作家への供養、であるとするなら、おごそかな気分で向きあいたいです。

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近くのドゥマゴ カフェ。

白くまと茶クマ、どっちがママぐまだろう。。

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