桃ちゃん倒れる

2021年の年末、桃ちゃんは突然倒れました。

その日、桃ちゃんはお庭にたくさん実った千両をお友達に配り歩くため
自転車で出かけました。
私は仕事だったので、家にいた娘に「でかけてくるねー」と元気に出ていったそうです。
その数十分後、娘の電話がなりました。
出かけたはずの桃ちゃんが「気持ち悪い、頭が痛い、助けて」と電話の向こうで言っている。
桃ちゃんは「〇〇通りまで出るから助けにきて」と言ったそうです。
みつけてもらうためにわかりやすい大通りまで必死に移動したそうです。

娘は自転車で走り回り、ほどなくして桃ちゃんを発見。
自転車にもたれ掛かり動けなくなっている桃ちゃん。

仕事が終わってちょうど帰宅した私も合流して即救急車を呼びました。
※高齢で意識があっても救急車は呼んだほうがいいです、絶対に。
 呼ばないと後で後悔します。
 結果、呼ぶ必要がなかったとしても、それはわざとではないし
 「ありがとうございました。重症でなくてよかったです。」で
 終わればいいと思うのです。

救急車の中でも桃ちゃんの意識はあって
救急隊員さんの質問にもしっかりと答えていました。

病院について、桃ちゃんは診療室へ、私は受付へ。
しばらくすると治療していた先生に呼ばれました。
「お母さん、治療室に入った後に意識を失って、今完全に昏睡状態です。
 MRIを取った結果、くも膜下出血です。
 これから手術をします。」

え、だって救急車の中ではしゃべってたのに?
頭の中は真っ白になり、「命は助かりますか?」と聞いていました。
「それも何とも言えません。高齢ですし、出血は多いので、これから手術をします。」

どういうことだろう。
だって救急車の中では話していたのに。
何だったら今日の夜には「大したことなかったね」と
帰れるかもね~なんて娘と話していたのに。

お医者様に見せていただいたMRIの画像。
大きな瘤があり、そこから大量の出血。

桃ちゃんの頭の中にはたくさんの血が。

「高齢ですし体力的な問題もありますから
 開頭手術ではなくカテーテルを通して
 コイルを入れる手術をします」
「しかし手術途中に再出血をする可能性もあります。 
 その際には開頭手術に切り替えることもあり得ます。」

手術室に行く前に会わせてもらった桃ちゃんは
頭が包帯でグルグル巻きになっていて
目はうっすらと開いているけど
その視線に意思はなかったです

「お母さん」
「お母さん、きあろだよ。」
「戻ってきてね。待ってるからね。」
「ちゃんと治してもらっておうちに帰ろうね」
「頑張らないとダメだからね」

声は聞こえているのかわからない。
視線はゆらりゆらりと動くけど
意思があるのかわからない
でも聞こえてると信じて
たくさん話しかけた

手術。成功して。

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