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「U-NEXT Pirates」Mリーグ2021大航海日誌(1)~小林選手・瑞原選手視点~

2021/10/5(月)
待ちに待った「Mリーグ2021」開幕。
ファンのみなさんはオフシーズンをどのようにお過ごしになったでしょうか。

自分が応援するU-NEXT Pirates(以下、パイレーツ)は昨シーズンは前年度優勝チームとして参戦するも7位敗退。雪辱を期す闘いとなります。

忘れてはならないのがレギュレーションの存在です。

■「2021シーズン」レギュレーションについて

「2021シーズン」を迎えるにあたり、以下のレギュレーションの変更を行います。「2020シーズン」から起算し、閉幕時に同一の選手構成且つ2シーズン連続でファイナルシリーズに進出できなかった場合、

・翌シーズン最低1名の選手を入れ替える、または選手の追加によってチーム編成を変更すること

(引用元:https://m-league.jp/202107011000/

今シーズン、このレギュレーションに抵触する可能性があるのはパイレーツ1チームのみ。いわば背水の陣となります。

パイレーツの4選手ともに2年連続で結果が出せなければ、レギュレーションがなくとも、選手入れ替えの覚悟はすでに持っているはずです。なので何も心配していません。おそらく勝つためにベストを尽くしてくれるはずです。

レギュレーションの対象ではありませんでしたが、チーム方針により昨シーズン同じようにシーズンを戦ったチームがあります。EX風林火山です。シーズン中の風林火山サポーターの胃がキリキリしている姿をみて、何度も心が苦しくなりました。

風林火山はレギュラーシーズン序盤に前年度とは打って変わって攻めの姿勢を見せ続けてポイントを重ねました。その貯金が功を奏したか、中盤失速するも終盤で粘り、セミファイナル進出。セミファイナルもかなり際どい闘いとなったがなんとかファイナル進出を決めると、ファイナルでは勝又選手の独壇場となって栄冠を手にしました。

今度はパイレーツの番!

さて、本編です。

2021/10/6(火)パイレーツ開幕

パイレーツの初戦の日を迎えた。

初戦はファンミーティングで告知があったとおり、頼れる船長・小林剛選手。590日ぶりのチームポイントプラスなるか?

このnoteで取り扱う内容について

基本的に麻雀の細かい話については自分の勉強用で、選手の打牌選択に異論を唱えるものではありません。〇〇選手はこういう思考だったのかな?自分だったらこういう思考で別の選択もあったかもなということをアウトプットしたいだけです。それ以外の部分はファンやサポーターのみなさまと喜怒哀楽を分かち合うために書いています。「」内は自分の心の声です。

牌譜はMリーグ公式の牌譜ビューワを使用し、スクリーンショットの画像で引用させていただいています。

第1試合 小林選手

東1局

親番の小林選手に高目ピンフ三色ドラ3の18000、安目ピンフドラ3の12000というド級のテンパイが入る。打4mダマ。

高目の1sは残り1枚、4sも残り2枚。残り枚数は心もとないが、14sともに萩原選手、滝沢選手からはツモ切られる牌、1sは全員が使えない牌でダマなら十分に拾える可能性がありそうだ。見た目枚数よりかなり良い待ち。しかしリーチをしてしまうとノーヒントの14sは止められてしまう可能性が高いので、ここはダマが圧倒的に優勢だろう。

次巡、1sを持ってきてしまった茅森選手が小林選手に18000の放銃。萩原選手、滝沢選手が持ってきてもおそらくツモ切る牌だったため、茅森選手にとっては不運としかいいようがない。

「18000!これはトップとれるかも!!」

東1局1本場

大量リードに成功した小林選手は続く1本場でペン7sからチー。トップ目で扱いやすい攻守兼用の手役のホンイツにいった。遠い仕掛けではあるが、いざとなったら字牌を落としてオリに回ることができるお手軽な役である。

發をポンして、ホンイツ一直線。

滝沢選手からリーチがかかる。親の2副露に対して真っすぐ向かってきた滝沢選手のリーチは信頼度が高く、高いか待ちがよいかだろう。字牌に手をかけ丁寧にオリる小林選手。トップ目らしい攻守兼用の仕掛けだった。滝沢選手の1000・2000ツモアガリで終局。

東2局

ダブ東ドラ3という強烈な仕掛けを入れた茅森選手に対し、ピンフのヤミテンを入れていた萩原選手が滝沢選手から1000点のアガリ。

「あぶない・・・萩原さんナイス!」

東3局

小林選手が4mを引き入れ打8mでリーチ!カン6s待ち。

このリーチ判断は場況を抜きに考えると意外と難しく、ドラ1愚形456待ちはかなりよくない待ち。よい手替わりも少ないし、ダマにするよりリーチしておくかという感じ。トップ目ということを考えるとけっこう微妙である。追いかけリーチをされて8000点とか12000点の放銃は寒い。

しかし、この局面においては茅森選手が5sを2枚切っていることによってソーズが分断され、他家が使いにくい6sがいつもよりよい待ちに見えることと、それに加えて6mが自身から4枚みえていて他家がドラの7mを使いづらい状況だ。相手の手牌価値が通常よりも低くなりやすい局面。場況がかなり即リーを後押ししていた。

不特定多数相手であれば、場況抜きでも即リー優勢だと思うが、押し返しの精度の高いメンバー相手に愚形ドラ1のリーチ判断はけっこう繊細な判断が必要だ。

小林選手はこういう判断を間違えない。

僥倖の一発ツモで2000・4000のアガリで加点に成功。

「ごーさん、かっこいい!!」

東4局

北ポン打4s、6mポン打1mで2副露の萩原選手に対し、この7mで放銃することになるのだが、Twitterではやや否定的な論調がみられた。

この良し悪しは自分にはわからない。マンズが余っているという事実からホンイツに当たる可能性は小林選手も重々承知の上で切っている。

東を切った時点ではホンイツ一本には絞っておらず、そこから76sと手出しで切り、最後にドラの4sが出てきて、6mポン出し1m。6mはノーチャンスで7mが当たるとしたらシャンポンかペンチャン。
ポンテンだとしたら1mは関連していそうで想定しやすいのはどちらかというと2mor3mと789m字牌のシャンポンか。

おそらくマンズのホンイツに渡り、テンパイしている可能性も高いが、まだ7m以外に待ち牌候補があり、自身がすでにテンパイをしていること。發が当たりになる可能性がそこそこあること。オリてピンズを切り飛ばしている間に他家からリーチが入ると完全に詰むこと。それらを考えると7mは言うほど押してはいけない牌だろうか。

小林選手は路上感想戦で「押しすぎだった」と反省をしていた。小林選手がそういうのであればそのなのだと思う。

自分もこの瞬間は7mを打ちそうで、ここで7mを押さないのなら、最初から鳴かずに進めたほうがよいかと思っている。小林選手は鳴いてこのテンパイを取るスタイルだと思うが、守備型の打ち手なら、7pチーから発進して愚形残りのテンパイをとりにいかないかもしれない。スタイルの違い。

8000点の放銃となったけど、リスクの前倒しということで。痛いけど。

南1局

ラス目の茅森選手からリーチが入り、渋々ドラの西をトイツ落とししたが、なおも安全牌がなくなった場面。

小林選手は2pを選択。

引き気味に打ちたいが安全牌がない場合、3通りの方法がある。
①その瞬間で一番安全そうな牌を切る
②複数枚ある牌を切る(通ったら2巡凌げる&シャンポンに当たる可能性がやや低い)
③押し返す未来を見据えてマシな牌を切る

①②だけ考えたら一番安全度が高そうなのは、3枚あって端寄りの8pである。シャンポン待ちがない。ただしアガリはかなり厳しくなる。残り巡目を考えるとオリきれる保証もない。2p打ちはメンツ手の形もギリギリ保つことができる。

さらに3pを引いた場面。イーシャンテンにとることができるがどうする?

6mを選択。愚形×愚形のイーシャンテンで厳しい形だが、安全度の高い牌が少なく、渋々押し返しをみたほうがよさそうだ。表ドラが枯れており、赤も自身で1枚使っているため、リーチの平均打点が下がっていることも押し返しやすい要素である。見えているドラの枚数は押し引きを判断するための重要なポイント。

赤5mを引き、4mを切れば赤赤のイーシャンテンにもとれるがどうするか。

ここは欲を出さずに6m連打。

この時点で通っていないスジを数えてみる。
・マンズは14、47mの2本
・ピンズは25p以外の5本
・ソーズは36、47sの2本
残り9本である。

4mを切る場合は通っているスジのうち2本を消費し、さらにピンズソーズのいずれか1本を打つことまでセットになる。そうなるとリャンメン待ちで1/7の可能性で当たることになる。早いリーチでターツ選択も入っていないため愚形の可能性も十分にあるが、ここは6m5mで粘りつつイーシャンテンを維持する方がよさそうだ。

基本的にイーシャンテンで押すのはリスクの大きい選択である。

安全度の高い牌を切りながら、テンパイにこぎつけた小林選手。茅森選手と2人テンパイ。連荘に成功した。

南1局1本場

1本場は萩原選手が1000・2000の早いアガリ。

南2局

親番の茅森選手から2巡目でリーチ!情報がなさすぎる。
小林選手が配牌がよすぎて安全牌がない。これはオリきれないので真っすぐ手を進めるしかない。

安全牌がなく渋々手を進めていたら、滝沢選手からもリーチが入り、小林選手もテンパイ。

点数状況を考えると無理したくない局面だが、2軒リーチに対してあまりにも守備牌がなく、アガリに向かうほうが助かりそうだ。打7sで69s待ちリーチ!

場に戦慄が走る。

リスクとリターンのバランスを考えて最善手をとる小林選手。刻々と変化する状況の変化に正確に対応しているのはカッコいい。

「ごーさんいけー!69s!」

69sのアガリ目も十分にあったが、直後に茅森選手の2000オールツモアガリで終局。

南2局1本場

前巡の3sを茅森選手がチーしてドラを打ってきた。これはかなりテンパイ率が高そうだ。4pを引き、イーシャンテンにとれるがどうする?

9s打ち。親番とはいえラス目の茅森選手がドラを手放していることから、テンパイ濃厚。マンピンソーまんべんなく使用されていそうで、テンパイだとしたら通っていないゾーン、晒されているゾーン以外に特に注意が必要である。

あまり詳しくないけど、鳴き読みを入れると45mのターツ落としが入っており、ソーズの食い伸ばしはなさそう。先切りのまたぎも通りそう。ドラの5mが関連牌だとしたらマンズの待ちは何?ダブルターツ落としの36m待ちはあるけど、そうすると間の2p手出しが違和感。だとするとドラアンコから1枚落としたのか?

現状ラス目という状況込みで高打点テンパイの可能性が十分にありそうだ。刺さって12000はつらい。

茅森選手の仕掛けに対して滝沢選手が3000・6000のアガリ。これで小林選手に肉薄する点差となった。

南3局

続く南3局はリーチを打った萩原選手の1人テンパイで連荘。

南3局1本場

続く1本場は萩原選手が滝沢選手から2900は3200のアガリ。これで萩原選手がトップ目に立った。

南3局2本場

続く2本場は滝沢選手の2000・4000ツモアガリ。これでトップ目に立ち一歩抜け出した格好。小林選手は3着目の萩原選手と微差の2着目でオーラスへ。

南4局

3着目の萩原さんが見事に条件をクリアし2000・4000ツモで逆転トップ。小林選手は悔しい3着に終わった。

結果

開局18000のアガリや2000・4000のツモアガリもあったが、南場は苦しい展開が続き悔しい3着。

しかしたまたま18000のアガリが最初にきただけで、基本的には厳しいゲームだったように思う。東1局の結果が違えば全然違う展開になっていてもおかしくなかった。微差の3着目で終われたのは悪くない結果。

「ごーさん、お疲れさまでした!」

さて、2戦目の出場は誰だろう?

基本的に瑞原選手は自宅が遠いこともあり、2戦目の登板は限られている。しかし開幕日や節目の日は2戦目登板もあり、期待していた。すると・・・

「あきなーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!」

って、どこかで誰かが叫んだのが聞こえた。

第2試合 瑞原選手

「麻雀は普通に打てる人が一番強い」

瑞原選手のスタンダードかつ手組の精度が高い打ち筋は成績を残す上で間違っていないと思う。昨シーズンはリーチ率を上げ、ポイントアップを目指してきた。しかしシーズンの個人成績はマイナス。

昨シーズンのリーチ率は全選手の中で佐々木寿人選手についで2位の27%。決して何でもかんでもリーチをしているわけではなく、鮮やかな好形リーチが何度も空振ってしまっているのをみているので、個人的には下振れじゃないかと思っているが、そこはもしかしたら贔屓目でみているのかもしれない。

Mリーグは普通に打たせないためにあの手この手を仕掛ける人がいるフィールドでもある。

瑞原明奈の2021シーズンがはじまった。

東1局

1戦目は静かな立ち上がり。黒沢選手のリーチに対し、魚谷選手が2000点でかわしていく。

東2局

配牌で形抜群のイーシャンテンだった瑞原選手が587m待ちとリーチ!一発でアガってもおかしくないくらい優秀な待ち!

しかし待てど暮らせどアガリ牌は姿を見せず、高目のピンフはすべて他家が吸収。

昨シーズンもリーチ率自体は高かったもののリーチ成功率はリーグ平均を4%近く下回る42%。今シーズンもリーチ成功率に泣かされるのか?

いったい何巡が経過したのだろう・・・。流局目前の17巡目にようやく6mツモ。

流局をしたら、また嫌な感じになっていただけにアガれてよかった。

「よかったー。アガれた!!」

東3局

続く東3局は2軒リーチに挟まれ撤退。黒沢選手の大物手が炸裂した。黒沢選手の手組や押し引きはみていて興味深い。

東4局

瑞原選手の手は234の三色がみえるが、1mがドラ。安全牌候補の南をツモってきてどうする?

南をツモ切った。どこからリーチが入ってもおかしくない10巡目ではかなり強気の選択だ。14mともに全員に対して危険牌である。

おそらく昨年までの瑞原選手であれば、打点十分と判断して早々に4mを処理していたのではないだろうか。

「昨シーズンまでの自分では足りない。もう少し加点する意識を高めなければいけない」そういう想いが裏にあっての一打だったのではないかと思う。

インタビューで語っていたが、ドラ1mの重なりを逃したくなかったとのこと。かなり攻撃的な選択である。路上感想戦ではこの局面を反省をしていた。

14mを切るタイミングを逸したところで、黒沢選手からリーチが入った。78s手出しでターツ落としを行い、明らかに好形のリーチにみえる。

6pはリーチ宣言牌5pのまたぎであり、ターツ落とし後であることから関連牌濃厚。相当怖い牌である。

親番でチャンス手とはいえ、イーシャンテンから押し返せるのか?神様視点では「押して!」って思うけど、6pが通ったとしてもさらに14mのどちらかを打つまでがワンセット。

4m先に切っておくべきって意見が多く、こうなってしまったらオリを選択したほうがよいという見解が多かったように思う。

でも、自分の考えはちょっと違う。勝負局と設定して4mが切り遅れるリスクを冒してでも、打点を強くみたのだ。局収支とか半荘収支では確かに押しすぎかもしれない。でもシーズントータルでみると「瑞原はここまで押してくるのか?」という印象を相手に与えたのも事実である。

まあこれは少し贔屓目でみているかもしれない。よくないものはよくないというのも優しさだと思うが、Mリーグというプレッシャーのかかる状況での選択は想像もつかない世界なので、それはチームメイトに任せるとする。自分はファン目線で一喜一憂したい。

6pをプッシュ!

「カッケー!!」

もう放銃率とか関係ない!アガればええねん!

とかいうと勉強用にこのnoteを書いている意味がなくなってしまうので、いちおう計算しておこう。

黒沢さんのリーチは78sよりよい待ちになっているか、打点が伴う待ちになっている可能性が高い。リャンメン待ちだと仮定して読んでいく。

・マンズ 14m47m25m36m69mの5本 69mは6枚切れで薄そう。実質5本。
・ピンズ 14p36pの2本 2pが早いので14pは薄そう。実質1本。
・ソーズ 14s25s36s69sの4本 78sを宣言牌前に落としているので69sは薄そう。実質3本。

6p自体の放銃率は1/9+α。このあと14mを押すことを考えるとけっこう苦しい道かもしれない。

1pを引き、当然のように打4mでリーチ。強烈な2筋プッシュである。さすがの黒沢選手も背筋が凍ったのではないだろうか。

「おおおおお!!!!」

瑞原選手が黒沢選手の5sを捉え、5800のアガリとなった。気迫勝ちである。

「あきなーーーーーーーーーー!!」

誰だ叫んだの。

観ている側は神様視点なので、押せ!押せ!って思ってるけど、相手の手が見えない中で押し返すのは本当に怖かったと思う。

引用元URL:https://twitter.com/unext_pirates/status/1445655346148560897

路上感想戦ではこの局のことを取り上げている。

東4局1本場

1本場、4枚切れの14s待ちで追いかけリーチ。トップ目ではあるが、まだまだリードを広げたい場面。打点上昇効果の高いピンフドラ1だ。

枚数は心持たないが、4巡目に2sを切っており、手詰まった他家から1sが打たれる未来も十分にありそう。

トップ目に立った瑞原選手、続く1本場で魚谷選手のリーチに追いつき14m待ちで追いかけリーチ。

14sは山にいそうであったが、9sを先につかんでしまい、魚谷選手に2600の放銃となった。これは仕方ない。

南1局

魚谷選手からリーチがかかり、一発目は現物の9mを打ったが、赤1で押し返したい手。生牌の發くらいは切っていく!

1pトイツ落としが入っており、字牌のシャンポンよりも両面が想定できそうだ。

これが無念の放銃となった。8000点痛い・・・。

南2局

ラス目に転落した瑞原選手。上家から出てきた3pを鳴く?

チーしてテンパイ。ドラそばの3pはネックになりやすいのと、チーをするとドラ2pを使い切ることができる。赤5mもあり、3900点確定である。早めに黒沢選手の親をつぶしたいという思惑があったのかもしれない。

4sをツモ切った場面。2sを切る選択もあった。

2sを切っておくと、のちの5s引きに対応できること、マンズの234変化で三色がつくことなどメリットもあるが、魚谷選手の1s手出しで3sが持たれていそう。その瞬間のアガリ率を優先したとTwitterで語っていた。

瑞原選手は本当に場がよくみえている。

4s切りによって瑞原選手のいうメリットもあるし、2s切りによって別のメリットもあるので、これについては微差の選択にみえる。マンガンが絶対必要な状況であれば2s切りが正着になりそう。

マンズの258m待ちに変化し、2mツモで1000・2000のアガリ。

4sを残しておけばマンガンだったじゃんという意見もあったが、6mを引いて2mでアガるか2mを先に引くという二段階抽選になるので、三色狙いで4sを残しておくというのは少し遠いかなと思う。

それよりも赤5s引きに対応できること、相手から攻めが入ったときに5sを切らずに安全度がやや高い2sを切って手牌を維持できることメリットのほうが大きいと思う。それとこの瞬間の2sでのアガリ率との比較が現実的にみえる。

南3局

2pを持ってきてツモ切り。

ラス前でオーラス自分が親のため、できればここで有利な点棒状況にもっていきたい。1pが2枚切れていることも考慮して345の三色含みを残した。

345の三色が明確にみえるイーシャンテンにこぎつけ、ここでも2pはツモ切った。

黒沢選手のめずらしいピンフのみ1000点に放銃。これはやむを得ないか。

「オーラス、手が入ってくれますように!」

南4局

オーラス3着目親番で、僅差ラス目の佐々木選手からリーチがかかる。

ここで引いてノーテンで流局すると自動ラスである。何とかするしかない。

苦しいながらも粘って粘って少しずつテンパイに近づけていく瑞原選手。いつ放銃になってもおかしくない。

「頼む・・・!」

ノーテン終了もちらついた残り3巡でテンパイ!

「お願い・・・!流局して・・・!」

ここまできたら確率じゃねえ。

流局寸前、佐々木選手から放たれた6pでロン。

「うおおおおおお!」

点数以上に大きな1500点のアガリとなり連荘。

南4局1本場

前局、命からがら凌いだ瑞原選手。2s西の景色良好なシャンポン待ちでリーチ!

佐々木選手から西が放たれロン!

2000点のアガリで親番を続ける。ここまできたら打点じゃねえ。アガリだ。

南4局2本場

トップ目に立った瑞原選手。3着目の魚谷選手から先制リーチを受ける。2着目の黒沢選手とテンパイノーテンで変わる点差のため、簡単にオリたくはないところだが、放銃して2着順落ちも嫌な場面。

しかし魚谷選手に1600・3200以上をツモられると3着のため、難しい選択を迫られた。

黒沢選手は魚谷選手の7pをポンし、攻撃態勢である。

赤5sを引いてどうする?

真っすぐに手を組むには危険な余剰牌が多すぎるため、6m切りでいったん迂回。

黒沢選手が300・500は500・700のアガリで見事な逆転トップで終局。

終局

瑞原選手は惜しくも2着で終わった。しかしラスで終わる可能性もかなりあったため、よくしのいだ2着ともいえる。

「ナイス2着!がんばった!!」

パイレーツの開幕日はこうして幕を閉じた。

おわりに

U-NEXT Piratesの2021シーズンの開幕日、小林選手と瑞原選手の奮闘はお見事でした。選手自身反省点はあるかと思いますが、そこはチーム内や選手個人で消化してもらえると思っているので何も心配していません。昨シーズンよりも打点意識、攻撃の意識が強くみられて、個人的にはけっこう好きでした。そして、各チーム手がぶつかりあって、本当に面白かったです。

4年目となるMリーグシーズン。ファンやサポーターのみなさんとまたパイレーツやMリーグを応援できることを本当にうれしく思います。
オフシーズンに新たに知り合えた方もいらっしゃいますし、まだ知り合えていない方も一緒にパイレーツの応援やMリーグの応援をしていけるとうれしいです。

パイレーツのファイナル進出、瑞原さんのシーズンポイントプラス、そしてパイレーツの優勝を願って、締めとします。

毎度長くなっちゃうんだようなあnote。でも端折ると伝わらなくなってしまう気がして・・・。

ここまで読んでいただきありがとうございました!

おしまい

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