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ドラ1手牌構想からの鳴き判断【変化に柔軟に】

過去2回にわたって、打点構想力UPをテーマにドラなしからトイトイ・ホンイツに向かって満貫以上をアガった局をご紹介しました。

ホンイツの実
トイトイの実

今回は配牌でドラがある場合の狙い方をご紹介します。
東南戦の自戦譜から持ってきました。

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局が始まる前に考えること

点数状況、ゲームの進行状況からその局で成し遂げたいこと、NGなこと、相手の動き方を頭に思い浮かべます。
状況によっては多井隆晴プロが得意とする配牌オリが最善手となる場合があるため、局が始まる前に考えておくことをおすすめします。

状況としては東南戦の南2局トップ目の親番ですが、トップを盤石にするために加点したい場面です。局面によっては守備寄りに構えますが、今回のテーマではないので、東1局点棒フラットとほぼ同じ感覚でご覧いただけたら幸いです。

配牌で考えること

自分は配牌をみたときに下記4つの項目を確認します。
①ブロック数
②ドラ枚数
③役牌トイツ有無
④手役可能性

①ブロック数
4ブロック以下、5ブロック、6ブロックによって打牌選択を変えることが主流の考え方です。
・4ブロック以下 … 孤立数牌を切らない
・5ブロック … 余剰牌同士を良形変化牌、打点上昇牌、安全牌で分類し選択
・6ブロック … ターツ自体を比較

詳しくはここでは割愛しますが、4ブロック以下の時に孤立の19牌を切ってしまうと、のちの23(78)引きでメンツとならず、手損になることが多いです。28牌、37牌はかなり損です。

自分はシャンテン数もブロック数と合わせて数えるようにしていますが、ブロック数把握だけで十分だと思います。

②ドラ枚数
ドラ枚数によって手組を変える方法です。第十四代天鳳位お知らせさんの著書「鬼打ち天鳳位の麻雀メカニズム」で紹介されました。

自分なりに解釈したものが以下です。
・ドラ1、2 … ドラ1はリーヅモドラウラ、ドラ2はリーヅモドラドラで満貫なので、リーチ効率が高くメンゼンリーチ狙い
・ドラ0、3 … ドラ3は鳴き効率MAXに構え、ドラ0は手なりメンゼンで進めてリーチのみになると微妙なので手役を見据えるか、守備寄りで打つ等工夫が必要

東南戦の東場は可能な限り満貫を目指していくのが、ベストバランスといえるでしょう。

③役牌トイツ有無
ドラ0の場合でも役牌トイツがすでに手牌に組み込まれている場合、かなりの速度上昇が見込めるため、手役狙いや守備寄りの選択以外に安手でかわしにいく選択が生まれます。

同様に速度上昇が見込めるものとして「タンヤオ5ブロック」がありますが、守備力がかなり低いため、ドラ0の場合よほどアガリが欲しい場面以外はおすすめしません。

④手役可能性
最序盤の手役発見法は以下です。
・9枚手役:5枚で確度C、6枚で確度B、7枚で確度A、8枚で確度S
・全体手役:8~9枚で確度C、10枚で確度B、11枚で確度A、12枚で確度S
9枚手役から判定し、なければ全体手役を判定します。

上記4つの判断材料から、局の方針を決め打牌選択を行っていきます。ドラ枚数と手役可能性で迷う場合はどちらが満貫に近いかという基準で考えます。

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「この配牌を満貫に仕上げてください」と先生に言われたらどうしますか?
4つの確認事項にあてはめて方針を考えましょう。

①ブロック数 … 4ブロック(4シャンテン)99p+233+78+89s
②ドラ枚数 … 1枚
③役牌トイツ有無 … なし
④手役可能性 … ホンイツ(確度A)

<メンゼン手>
1メンツ+1リャンメンあり、6mという強浮き牌があるため、メンゼンリーチも十分に見込める手牌です。リーヅモドラウラで満貫となります。

<鳴き手>
役牌が1種重なればホンイツ役ドラの満貫がみえてくるため、こちらも有力です。

どちらも有力であればいったんメンゼン手で進めることをおすすめします。守備力が下がりにくく、状況の変化に対応しやすいためです。他家から読まれにくいというメリットもあります。

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ということで南切り。9p雀頭で、6mやソーズの横伸びを期待します。

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4巡で順調に字牌処理が完了。

中盤に入る前の方針転換(6巡目目安)

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6巡目、9sをツモってきたところで選択です。
メンゼン手構想で進めてきましたが、期待したような横伸びがまったく得られていません。メンツ手で考えるといまだに3シャンテンです。

他家の進行状況も気になるところです。
上家 … 自風の北から切り出し、メンゼンリーチ手順。すでに7m2pと切っており速度を感じる。すぐにリーチがきてもおかしくない
対面 … 2巡目に自風の西を切り出し、前巡4pを手出し。こちらも速そう
下家 … ヤオチュー牌しか切っておらず、まだそれほど速度は感じない

メンゼン(シュンツ手)だともう間に合わない可能性が高いです。2mや6mが切り遅れることは避けなくてはいけません。

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6mを切りました。
ここからの満貫になる可能性を再検討します。

①ツモチートイドラドラ
②トイトイドラドラ
③チンイツ
④リーヅモ三暗刻

まだいろいろありますが、間もなく攻めてきそうな子たちに少しでも親のプレッシャーを与えたいので、この時は鳴きを考えていました。

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下家から8sが出ました。

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ポーン!!!
これで狙いはチンイツ1本です。しかもドラ1あるので成就すれば18000!

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間もなくリーチ予定の上家から6s。

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チー!!!
切り順はあやしいですが、パッと見はチンイツに見えないのではないでしょうか。ここで1pではなく9pを切ったのは対面へののちの安全度です。

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4sを持ってきて1シャンテンとなった後、7mを持ってきて打1p。
つい1pを残してしまいそうですが、1pは下家に対して完全無筋のため7mのほうが全体的な安全度は上だと考えています。

テンパイ~アガリ抽選に

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かなり速そうにみえた上家がようやくリーチ。同巡こちらも14s待ちテンパイ。アガリには結びつきませんでしたが、途中でうまく切り替えができたかなと思っています。

トップ目で無理して鳴かなくてもよいのでは?と言われそうですが、8sノーチャンスの9sトイツを保有しているため、2副露していても意外としのげそうなので鳴き得だと考えていました。
リーチをかけられていきなり放銃抽選を受け続ける状況であれば鳴かないほうがよいでしょう。

いかがでしたでしょうか。配牌構想から大きく変わっていますが、常に最終形をイメージし続けることでこのようなテンパイになることがあります。

アガれてないから説得力ないけど…。



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