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ライティングが人生を変えた話

私はよくライティングの魅力は、過去の人生を肯定できるところだと言っている。失恋・失業・離婚、そんな思い出すのが辛い失敗を、誰もが一度は経験しているのではないだろうか。

失敗は生かすところがなければそのまま後悔になる。しかしライターとして記事を作ることで、そんな失敗が誰かの参考になる経験に変わる。

過去のネガティブな感情が全て感謝に変えられる点。これがライティングの魅力だと言ってきた。そして私自身が、一度は諦めた大きな夢を叶えられそうになっており、ライティングってやっぱり人生変えるなと思った次第。

ちょっと暑苦しいが、ライティングへの思いを語らせてほしい。

学生時代からの夢

マーケティング支援の月額固定契約が取れた。今までこのような相談を受けていたのは小さい企業のみ。する時は必ず相手に制作会社が挟まっていた。

そんな中今回繋がったのは数十年を超える老舗メーカー。社長など重役の方々と食事を楽しみながら非常に感慨深くなった。なぜなら私はメーカーの開発者としてのキャリアを一度諦めた人間だからだ。

学生の頃から「この商品おばあちゃんが作ったんだよ」と言える商品を開発したかった。この軸で就活をしたので、第一志望はメーカーの開発職。

何社か内定をもらった後、「マーケティングに強く、開発のスピードが早く、新商品を作ることに特化できそうだ」という理由で、小林製薬に入社した。日本の売上高ランキング一桁の企業の内定を蹴って。

この時私は、いよいよ夢を実現できるという希望しかなかった。

挫折・そしてコンプレックス

大きな誤算だったのが、私に技術者としての適正はなかったことだった。在籍した4年半、向いていないってことをひしひしと感じていた。

実際に主体となる開発者として販売までこぎつけた商品はたった一つで、残りは技術者を品質の観点からサポートして世の中に出せた製品ばかり。

たくさんの新製品に触れ、刺激的な日々だったと思う。しかし自分の夢が自力で実現できないという現実を知るのは非常につらく、様々な事情から退職してしまった。

それでも、技術者の先輩たちを見るのは本当に好きだった。目をキラキラさせながら「面白いものができました」と報告していたり、誰もできると思っていなかったような驚くべき新しい技術を持ってきたり。

技術者って本当にかっこいいんですよね。

上下関係が非常にゆるく、人間的に魅力的で、技術者として優秀な上司、先輩がたくさんいた。だからこそ、あこがれを持ち続けられたとも言えるし、自分とのギャップに苦しんだとも言える。

ライティングとの出会い

会社を辞めた私が紆余曲折を得て選んだ道がライターだった。読書感想文も得意、高校時代は新聞部の私にとって、書くことには適性があったようだ。

冒頭で述べた通り、書くことによって消えるコンプレックスは多い。自分にとって人よりとちょっと得意でストレスがなく、過去を消化できるライターは魅力的な仕事だった。

一方で、唯一と言ってほど消えなかったコンプレックスは、新商品を作りたいという夢が叶えられなかったこと。結果として新卒で入社した会社も、そしてそこをやめたことも自分にとってプラスだったと思うけれども、それでもコンプレックスはある。

技術者とか職人と呼ばれる人たちが大好きで、だからこそそっち側にいたかった。

こんな私のコンプレックスを紹介しつつ強みを生かせる方法が、セールスライティングを学んだのをきっかけに見つかった。

私だからできること

残念ながら、明らかに品質が優れており、「知られたら欲しがる人が増えるはず」なのに、そのまま消えていく商品はあまりにも多い。こだわりを詰め込み、唯一無二の商品を作っているはずなのに。

売り方が分からなければ、素晴らしいものがお客さんの手元に届かない。そこで、私のやるべきこと。

技術者のこだわりとお客さんの欲しいをつなぐための文章を作ること。技術者の努力が一番引き立つコンセプトを導き出すこと。

つまり、自分が憧れる技術者や職人の一番そばで、得意な価値を提供するのだ。


こう考えた結果、夢が間接的にかなっていった。私も開発に一部携わった商品が、来月発売される予定。試作への意見だしから関わったので、非常に楽しみである。

そして、今回の契約。
一社目で学んだ、ものづくりの流れ、商談の仕組み、原価や開発の知識。さらにマーケティングに強い会社にいたからこそ自然に身についていた、市場や売り方の考え方。
すべてが間接的に活かせる仕事に出会い、そしてこの分野には新卒の経験がなければ進めなかったであろうことを自覚した瞬間、コンプレックスが消えた。

むしろ、開発をやったことがあり、造り手を理解している私だからこそできることがある。

こう思えたのは、元を返せば、ライティングを始めたおかげである。

得意なことで夢を叶える

私は技術者にはなれなかったけれど、ものの素晴らしさを伝えることができる。だから、孫に自慢できる商品作りの支援ができるのではないか。

より魅力的なものを見つけ、お客様のもとに届ける。そして、顧客のことを本当に考えた商品が「孫の代まで売れ続ける」状態を作る。

少しだけ形を変えた、私の夢。セールスライターという立場で、ものと造り手に寄り添える人でありたい。

これが、ライティングに人生を変えてもらった私が、過去の経験を活かしてできる、社会への恩返しである。



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