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魔女伝「友だちは魔女」第十四章③ソード8

ヨキは、さらにそこに並んだタロットカードについて説明をした。

テーブル上のケルト十字に並べられたカードたちの中で、音羽の目に飛び込んで来たカードが一枚あった。

女性がリボンのようなものでぐるぐると縛られて、8本の剣に囲まれて身動きの取れない状態で、決して良いカードとは思えなかった。

音羽の目線に気づいて、ヨキは言った。
「この位置のカードは、あなたの周りの人のことよ。
とても傷ついて、困ってる人が、あなたの近くに寄ってるって意味よ。
あなたがこの女性ではない。」

最近、音羽によく相談を持ちかけてくる女友達がいたから、そのことなのかな?と思った音羽は、
「例えば、この前リーディングに来た私の友だちのミカさんのことかしら、、、?」

「うーんどおだろう、、、
それから、音羽、あなたは、今までとは違うことに気づくのよ。
もうすぐ。
目覚めるというか、とにかく今まで思い出せなかった、本当の役割に気付ける時がもうすぐやってくる。
わたしは、知ってるけどね。」

ヨキは、何かを言いたげだけど、それを音羽自身に気づいてという願いを込めてそんな風に言った。

「そう言えば、わたし、随分前にある有名なチャネラーに一度だけ見てもらった時に言われたことを思い出した!
自動書記をして、そこからメッセージを読み取って話してくれたわ。
今世では、表に見えているものの裏側、すなわちこの世の本質に気づかれます、、、って言われたから、そのことかな?」

「わたしもそう思う。
あなたは、色々なことをものすごく分かってるのに、まだ知らないのよね、って思う。
いつも話してる時、三次元的には、そんなふうに思わないけど、こうやってカードを引いて五次元的にあなたを見ながら話すと、ああ、まだ知らないんだ、、って思うの。
あなたの今までの人生、、、離婚があって、再婚があって、わたしと出会って、、、
そのあと、わたしの苦しみを唯一打ち明けたあの病院からの電話、、そして、わたしの能力を打ち明けて、、、こうやって、ここでタロットを引いてる。
この前は、ばあばの故郷まで一緒に行った。
それから、一緒に魔女学校をする。
全てが点でしょ。
それが一本の線で繋がるの。
それは、もっともっと過去から繋がる。
今世だけではなく、前世、その前からも、ずっと全てが、、、、
わたしが、ピンボール当たって、一瞬のうちに全て思い出したように、
レイキの理事長が、カレーを食べてる時に、いきなり悟りの境地に行ったように、、
あなたは、それを体験する。
まだ体験してないことが信じられないくらい、分かってるのに、、、まだなのね。
今からよ。
レイキの理事長も、わたしもそうだけど、何気ない日常のある日ある時、何か些細な刺激で、それが来るわ。
一瞬疲れるけどね。」

リーディングの後、2人は、お茶を飲みながら、雑談をしていた。

「ねえ、音羽は、嫌な感情を持ち続ける事ってあるの?」

「うーん、、あんまり長くはないかな。
良い意味でも、悪い意味でも感情の起伏が激しいの。
ぱんっ!て、怒りのスイッチが入るのも早いけど、忘れるのも早くて、というより、何か面白いもの見たりしたら、すぐにその面白いって感情が、強くなって、怒りの感情が消えちゃう感じ。
もちろん、過去にものすごく悲しいという感情を比較的長く持ってた時期もあるけど、それが嫌すぎて、その感情を捨てたい!!って心から祈ってたら、すぐに状況の変化や、周りの人たちのおかげで、その感情が消えちゃうくらい幸せな感情になることになったりね。

何年も嫌な感情を持ち続けたことは、ないのかもしれない。
覚えてる限りでは、、、」

「そうなんだ、、、わたしは、なんか、その嫌な感情を長く持ちすぎた。
悲しみを、、、それで、もういいや、ってなったけど、、、なんていうか、その悲しい感情に慣れてしまったの、、
で、なんかすごく虚しくなってね。

最近、本業の仕事、ものすごく億劫で、溜まってる仕事が出来ないし、
やらなきゃって思えば思うほど、嫌になるから、
大好きなタロットカード引いて、まずは落ち着こう、動画でも撮りながらって思っちゃう。
でも、そんなことしてる暇があったら、仕事しないと締切があるからって焦って、罪悪感さえあって、ぼーっとしてたら、あっという間に数時間が過ぎるの。
あっこれじゃだめだって、また何にも出来なかったって、後悔してしまって、
走ってリセットしようと思って、好きな音楽聴きながら集中して走ってると、知らない間に20キロほど走ってるの。
それが1週間ぐらい続いて、膝が痛いんだ。流石に、、

わたし、この世界に居るのがつらくさえあるから、今は、世界と世界の隙間みたいなところに隠れてるの。

分かるかなぁ。そこに居ると景色が変わって、なんか落ち着くし安心できる。

で、仕事行かなきゃって時は、持ち前の体力と集中力を最大限にして、何とか出かけてる。

ここにリーディングに来る時は、魔女として別人でいられるから違うんだけどね。
あなたにも会えるしね。

とにかく、わたしは、普段世界の隙間の穴蔵いるの、、、」

ヨキの目は、音羽に「分かって欲しい、気づいて欲しい、助けて欲しい!」と言っていた。

音羽は、ハッと気づいた。

さっきのソードの8のカードの傷ついた女性は、縛られた女性は、ヨキだったんだと!











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