時を旅する百段階段@ホテル雅叙園東京をたくさんの写真を見ながら振り返る。
こんにちは、ちあきんぎょです。
東京・目黒にあるホテル雅叙園東京で開催中の「時を旅する百段階段」へ行ってきました。
わたしが訪れた時期は、ミニチュア作品や、つるし飾りとお雛さまによる「ちいさな世界」が併催されたタイミングでした。
初めて行ったのですが、一言で表すと、「すごい!」でした。
写真撮影フリーだったので、写真メインで印象深かったところをご紹介させてください。
百段階段とは
今回の舞台の「百段階段」は、東京都指定有形文化財です。
食事を楽しみ、晴れやかな宴が行われた7部屋を、99段の長い階段廊下が繋いでいます。
この7部屋はそれぞれ異なる趣向となっていて、天井や欄間、床柱(とこばしら)はとても美しく、豪華、豪快でした。
終始、「すごい、すごい!」と言いながら、わくわくしっぱなしでした。
螺鈿のエレベーター
エレベーターのドア、内側には、螺鈿で描かれた獅子と菊が。圧巻です。
以前に訪れた戸栗美術館で、獅子と菊は同時に描かれることが多いことを学んだことを思い出しつつ、すでにわくわくが止まりません。
十畝の間(じっぽ)
期待に膨らんだ胸を、わくわくで落ち着きのないわたしを、優しく包み込んでくれるような、静かで落ち着いた魅力のある部屋。
花鳥風月の描かれた天井画。
アララギという木が用いられた床柱は、樹齢約200年、直径は約45センチだそう。
長押(なげし)には、またもや螺鈿が使われています。
漁礁の間(ぎょしょう)
7部屋の中で、最も豪華絢爛なお部屋!
当展のパンフレットにも使用されている部屋です。
特に目を引いたのは、床柱。
部屋の柱に彫刻が施されています。
大げさかもしれませんが、サグラダファミリアを彷彿とさせるような・・・
草丘の間(そうきゅう)
雛飾りが飾られていました。小さな雛壇やつるし雛、とても愛らしい。
天井画の鷹は今にも羽ばたきそう。勇敢な姿が描かれていました。
細かな部分にも装飾が施されています。
静水の間(せいすい)
10畳と12畳のふた間が続いた作りの部屋。
天井画は、縁起の良い扇が。
夫と二人で自営業となってから、縁起物にどうも弱くなりました。
扇に描かれた鳳凰、なんて素敵なんだろう。
鳳凰は、雌雄が並んで飛び、鳴き声を発することが天下泰平の瑞祥です。
大好きな霊獣です。
星光の間(せいこう)
京都出身の画家・板倉星光によって装飾された部屋。
四季をテーマにした花、草木、果物、野菜などの天井画でした。
春の筍、秋の柿の実、瓜にとうもろこし・・・
嗚呼、美味しそう・・・
部屋の中で四季を感じられたら・・・
わたしはきっと、冬には春の草木を見て、夏には秋の実りと涼しさに思いを馳せるだろうと思います。
清方の間(きよかた)
近代日本画の巨匠・鏑木清方が手掛けた絵が飾られています。
組子障子の富士山が情緒的です。
こういった山の形を見ると、反射的に「富士山だ」とわかるのは、日本人の遺伝子でしょうか。
この日は、併催中のペーパーアートやミニチュア作品が並べられていました。
頂上の間
やっと到着した頂上の間です。
きれいな着物が並んでいました。
ホテル雅叙園東京は、結婚式場としても有名です。
たくさんの花嫁さんが幸せになっていったのだなぁ・・・
さて、階段をよく見てみると、99段で終わっています。
百段階段なのに、なぜ?
その理由は諸説あるようで、古来中国では奇数がおめでたい数字とされてきたから、とか
100は完璧な数字で、その後は衰退をイメージするからなど。
現在のホテル雅叙園東京としては、これからも一層発展していくという気持ちから、あえて99段にしたと考えているんだそうです。
最後に。
最初から最後まで、ずっと口が開いたままでした。
豪華すぎて胃もたれ気味です。笑
胃もたれの原因は、きっと中国文化が多分に含まれていたからかなと。
全体的な豪華さや、漁礁の間にあった彫刻に掘られた人物の表情・顔つきなど、日本文化だけでない表現が見えました。
日光東照宮へ訪れたときに近い感覚。
一目見た瞬間の感動、そして見続けることの疲れ。笑
個人的には、螺鈿のエレベーターと清方の間の組子障子がトップツーでした。
「時を旅する百段階段」は、会期によって併催する展示が変わります。
ミニチュア作品や、つるし飾りとお雛さまによる「ちいさな世界」は3月27日(日)まで開催です。
3月28日(月)~4月10日(日)の期間は、「春の見学会」と称して、春の目黒川の散策と合わせて、百段階段を愉しむことができます。
参考
『百段階段ガイドブック』著者/編集:ホテル雅叙園東京
発行所:株式会社目黒雅叙園 発行日:2018年9月1日
東京都目黒区下目黒1-8-1 03-3491-4111
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