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休んでからしたこと

仕事を休んで、時間ができてせっかくだからと今まで少し我慢していたことに手を出してみた。

髪の毛を染めた。

仕事はハイクラスも扱うような接客業だったのでほぼ黒に近いトーンの低い暗めの色が規定だった。

色は特に決めていなかったがとにかく明るくしたかった。髪色を明るくしたら気分も明るくなるのではないかと思って。

色はいつも詳しくないのでニュアンスで伝えている。

以前に一度、暗めの茶髪にして地毛の色に戻している途中だったが気にするもんかとブリーチをしないで明るくできる限界の色まで明るくしてもらった。

ついでにイヤリングカラーもした。ブリーチをして薄くベージュを入れてもらった。ほぼ金色である。

綺麗にブリーチとカラーリングをしたあと担当の美容師さんは「会社というか社会への反抗の意味もこめてみました」とニコリとしながら言ってくれた。

ロングヘアからバッサリとショートにしてくれた美容師だけあって私の言いたいことを分かっているなと思った。

ジェルネイルをした

前述より爪もまた華美でないものが推奨された。

ベージュ、ピンクなどとにかく肌の色に馴染みワンカラーで柄や飾りの無いもの。ポリッシュまたは、ジェルネイルも可。3㎜以上に伸びたら短く切ること。

ここまで書くと業種が絞られてきそうだがもう知ったこっちゃない。

ジェルネイルをしていると次の施術日まで3㎜以下にキープすることが難しいことは、ジェルネイルをしている人なら何となく分かると思う。

私たちも生きている。髪の毛も爪も日々伸びているというのに、少し疑問が湧いてしまった。

キラキラと光るネイルがしたかった。手先が顧客の視界によく入ることもあり、定期的にネイルやハンドケアに通ってはいたので担当のネイリストさんはいた。

これもまた、大学の卒業式のときにお願いしてもらってからずっとお世話になっている仲のいいネイリストさんである。

相談して流行っているマグネットネイルにした。簡単に説明すると見る角度によってベロアのように光り方を変えるネイルだ。

赤とピンクの間のような色に重ねたシルバー系のマグネット。親指にハート型にパールを乗せてもらい、反対の薬指にはジェルでぷっくりとした赤いハートを作ってもらった。

感動するくらい、ビックリするくらい可愛かった。

爪先が可愛いとテンションがあがることが多いのは女子だけなのだろうか。

この高揚感は何とも言葉にできない。手も足も爪が可愛いとすごくテンションが上がる。魔法がかかったように何だって出来るような気がしてくる。

ピンクもベージュも、暗い髪色も、決して嫌いな色ではない。むしろ、爪や指、髪を綺麗に彩ってくれる大好きな色のひとつだ。

だけど、定められたルールの中で半ば強制されたかのようにその色に染めるのと自分の好みでその色に染めるのではまるでモチベーションが違うのだ。

私を担当してくれている美容師さんもネイリストさんも、話を聞くのが凄く上手だ。日々多くの人を相手にする接客業ならではなのだろうか。

もちろん築きあげてきた年月もあるが、話せる雰囲気を作ること・話さなくてもいい雰囲気を作る技術に長けていると思う。すごいな。私も彼らのようになりたい。

本を読んだ

元々、本を読むのが好きだった。ということを読んでいるうちに思い出した。

せっかくだからとジャンルを問わず色々な本を読んだ。恋愛手引き、人との接し方、お金に関する本、HSPについての本など。小説は学生のときに山ほど読んだからなのか全く手に取る気にならず、実用書を気になるものから読み進めた。

ここ1年働いているときは本が読みたくても読めないフラストレーションが溜まりに溜まってものすごくモヤモヤしていた。

通勤や帰路の電車内でも疲弊しきって本を読む気など微塵もなかった。ましてや、自宅に帰れば夕食を口に運びシャワーを浴びてベッドになだれ込むので精一杯だった。ご飯を食べたあと死んだように眠り気づいたら朝で急いでシャワーを浴びた日も少なくは無かった。

こんな生活を続けていてはダメになると、いつしか危機感を覚るようになった。このままでは体が、メンタルが死んでいく。

実際にメンタルが先に死に、伴うように体調も崩した。

社会人1年目ならまだわかる。だけど、4年目にもなってこんなにもグダグダに煮崩されるように働いているのはおかしいと思った。

怒りのような悔しさのような、よくわからない感情にフツフツと煮詰まれていつしか電車に乗れなくなっていた。

長くなりそうなのでこの話はまた別途書くことにする。

本を読み始めると乾いたスポンジのように知識をグングンと吸い込んでいくような感覚がした。乾いた体に水がどんどん飲み込まれていくような、そんな感じ。

とにかく楽しかった。読みたくてたまらなかった。おそらく、人より幾分か読むのが遅い私は自分の読むスピードに焦れったささえ感じていた。

ああ、そういえば本を読むのが好きだったなあ。

と懐かしい記憶を思い出すかのようにふわりと温かい気持ちになった。ホッとしたような、もっと包まれていたいような安心するような感覚。

それから何度か「ああ、これ好きだったなあ」と思うことに何度か出会った。

メンタルが死に行くなかで失われたものはどれだけあったのだろうか。

人の優しさに触れるたびに「あの頃の私は、」と気づけなかった・気づかなかった人々の優しさを思うたびに涙がでた。

それでも見放さないでいてくれた友人や親、SNSでやり取りをしている友人に申し訳なさとその温かさに感謝してもしきれない。

余裕がないことは身近にあるあらゆるものを見えなくさせる魔力がある。

好きなことを、好きだと思える余裕がほしい。

正直この休みは色んなことを取り戻すチャンスだと思った。

もっと本を読みたい、ネイルもヘアカラーリングもしたい。

好きなことをたくさんしたい。

好きなことをたくさんして、改めて「ああ好きだ!」と再認識できる時間を大切に過ごしたい。

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