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イモづる読書【その112】 ・・・『「書き出し」で釣りあげろ』から『アルアル島の大事件』

「書き出し」で釣りあげろ』〜1ページ目から読者の心を掴み、決して逃さない小説の書き方〜(フィルムアート社)・レス・エジャートン著
この書籍のコンセプトは、「ストーリー 構成の進化」です。

ストーリーのはじめ方の「ル ール」は、ほんの数年で変化するため 、注意しなければいけません 。・・・
現代では、 ストーリーの焦点となる問題が発生した時点から作品がはじまります。

「書き出し」で釣りあげろ

そして「ストーリー 構成の進化」の権化として、
クリストファー・ムー アの 『アルアル島の大事件』を挙げ、絶賛しています。

クリストファーム ー ア の 『アルアル島の大事件』は、 小説の新しい
構成の事例にするのに最適です。

「書き出し」で釣りあげろ

また、第5章 構成要素を結びつけていく
      すぐれ た書き出しを解体してみる
には、『アルアル島の大事件』の書き出しの詳しい解説があります。

ここまで書かれていては・・・・・
アルアル島の大事件』は「ユーモアミステリー」で、大好きな分野でもあり、すぐに入手に走りました。
ところが、電子書籍化されてなく・・・文庫本だけ、それも古本だけ・・取り寄せて日にちがかかった上、文庫本で活字が小さくて読みにくいので、自炊PDFにして・・・また、500余ページの厚さで発注から読み始めるまでに1週間かかってしまった【うん、ほんまやで】

ものは考えようで・・・その昔、店頭にない書籍は書店を通じて発注し、入手までに2〜3週間かかった、あの時代・・・入手するまでの楽しみ、期待に胸が膨らんだ時の流れ・・・風流やな
電子書籍になれてしまった今どきは、「読みたいときにすぐ読める」オンデマイドがあたりまえ。紙の本でも1日待てば手元に届く・・・待つ楽しみがなくなった・・・窮屈やな
こんなことをグタグタ書いている理由は、まだ読んでいない【うん、ほんまやで】

それでも続きを書く勇気!

さて、第5章 構成要素を結びつけていく
      すぐれ た書き出しを解体してみる
『アルアル島の大事件』の書き出しの詳しい解説があります。
ここでのポイントは、「バックストーリーとの結びつき」についてです。

「書き出し」で釣りあげろ』の著者レス・エジャートンが、指摘してように
「古い」ストーリー構成では「むかし、むかし、あるところうに・・・」のようなバックストーリーから語り始め、退屈な我慢をシイラレル・・・
「平和な日々」とか「平凡な世界(Ordinary World)」から始まり、長々とバックストーリーが語られる、このような展開は時代遅れだ【うん、ほんまやで】

現代では、 ストーリーの焦点となる問題が発生した時点から作品がはじまります。

「書き出し」で釣りあげろ

そして、『アルアル島の大事件』は、

ストーリーは、 きっかけとなる出来事の真っ只中からはじまります 。 前置きなく 、 バックストーリーも 、その出来事より前の安定した世界も、ひとことも説明されません。

「書き出し」で釣りあげろ

第5章 構成要素を結びつけていく
      すぐれ た書き出しを解体してみる
では、書き出しの解説に続いて、バックストーリーの位置について詳しい解説があります。「バックストーリー」が退屈を生み出しているわけではなく、「位置」こそが重要である・・・という見解です。

その位置について、『アルアル島の大事件』を題材に、長い引用で具体的な解説があります。

まとめ

「書き出し」で釣りあげろ』は、元気の出るエピローグです。

最終章の「エピローグ」〜ゲームを進めよう〜

・・・くよくよしてもはじまらないということです。 ベストを尽くして前へ進んで いきましょう。作品は、取り組みつづけるかぎり、どんどん向上していきます 。
何よりも、分析しすぎて麻痺してしまわないように。 この本から自分に合うものを取り入れ、合わないものは忘れてください。自分の直感を信じてください (バックストーリ から開始せよと告げている場合を除く)

「書き出し」で釣りあげろ

「しまった!・・・・」
・・・それがどうした?・・・・
・・・明日は同じまちがいをしなければいいのです・・・

「書き出し」で釣りあげろ

読み終わって、街着だらけで、打ちのめされて・・・
それがどうした? どうした?
爽やかな読了です。
オット!これは『「書き出し」で釣りあげろ』のことです。
アルアル島の大事件』は・・・これから読み始めます。


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