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風のような一週間 グランパとの時間

6月17日、祖父が天国へと旅立ちました。

母方の父で、幼い頃からグランパと呼び、慕ってきました。

距離なんて関係なく、わたしをいつも愛し、見守ってくれる存在でした。

最愛でした。

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その日のわたしは、いつもと違う仕事環境のなかミスが続き、その状況を終始抜け出せずにいました。しまいにはガラスを落下させ、自分の指まで怪我をしてしまい、もう散々。

仕事が終わり終電に乗り込んで、今日もお決まりのルーティンを。コロナが猛威を奮い出してから、叔母が毎日欠かさずメールをくれて、それがわたしの1日を締めくくる読み物だったのです。ガラスが目の前で粉々になってからなぜか涙が止まらず、前がよく見えないまま読んだのだけど。

そこには悲しい知らせがありました。

祖父はその日の朝、呼吸が小さくなり、叔母と祖母が病院に駆けつけたそうです。

看護婦さんに聞いたところ、とても慣れているようで

「こうして呼吸が小さくなり、眠るように苦しまずに亡くなっていく。」

本当にその通りだったそうです。

祖母のメールには詳細に時間と状況が書いてあり、祖父は88年という人生を全うし、深い眠りについたようでした。

さっきつくってしまった切り傷の痛みなど微塵も感じない夜。

翌日の葬儀は200%の出来でした。家族葬がこんなに素晴らしいとは思わなかった。祖父も家族も最後まで見事に引きが強いものでした。

一連の流れを過ぎて、感じたこと。

それは当たり前のことを当たり前にすることの尊さと素晴らしさです。

スタッフの、私たち遺族との距離感や対応には感服で、人間的温かさを感じられる幻のようなチームでした。

一体彼らは何者だったのだろう。祖父が喜んでいることも(なぜだろう)わかりました。

葬儀中、ピアノで優しく流れていたある曲のメロディーがわたしの耳に強く残っており離れません。(絶対音感だと思っているのでピアノの主旋律はなんとなく弾けそう)ただ、いまも題名が分からず探し続けています。

そういった小さくても確実な出会いは、自分の今後の人生のどこかでリンクするときが来るのではないかと思います。

人間の喉仏の骨を初めてみたのですが、本当に仏様の形をしているのです。(火葬時に大概は無くなってしまうらしく、残っているのは稀だそう)

不思議な時間。でも確実にわかるのは現在は過去になり、未来でもあるということです。大切なものを見過ごさないように生きていきたいものです。


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