誕生月はJR四国のバースデイきっぷが超お得!【2日目】


◆2日目(令和6年5月11日(土))

1 高松→徳島

本日の旅のメインは阿佐海岸鉄道のDMVに乗りに行くことです。
DMVとはDual Mode Vehicle(デュアルモードビークル)の略で、線路と道路の両方を走ることができる乗り物のことです。

6時30分にホテルのロビーで朋友Kと待ち合わせをして、高松駅前のミニストップで朝食用のパンとコーヒーを買います。
今朝の高松は快晴の天気です。

高松駅の駅舎はスマイル顔のデザイン

高松から7時5分発徳島行き「うずしお3号」に乗って徳島へ向かいます。

うずしお号は2700系気動車

うずしお号にはグリーン車がありません。普通車指定席は1号車の先頭1番から7番までで、8番以降は自由席です。指定席と自由席に仕切りはなく、背もたれカバーに「指定席」と記されているだけです。

指定席の座席

高松を発車すると、左にカーブして予讃線と分かれて高徳線に入ります。
高徳線は高松と徳島を結ぶ74.5kmの非電化路線です。
栗林(りつりん)公園あたりで高架線となり、それが尽きてしばらくすると、左手にテーブル状の形をした屋島が姿を現します。

鶴羽を過ぎると左手に瀬戸内海が見えてきますが、そう長くは続かず、列車は内陸の方に向きを変えてしまいます。
讃岐相生を過ぎると、上り勾配となってくるため、再び左手に瀬戸内海がちらりと姿を現します。
ここから山間部に入り、トンネルが多くなってきます。この辺は讃岐山脈の東端にあたり、香川県と徳島県の県境になります。
全長989mの大坂山トンネルを抜けると谷間を下り、平野が開けて板野に到着します。

大坂山トンネルを抜けたところ

鳴門線との分岐駅池谷を出ると、れんこん畑が一面に広がります。

徳島県のれんこん生産量は全国第2位

勝瑞(しょうずい)を出ると、長大な吉野川橋梁を渡ります。

四国三郎の異名を持つ吉野川

徳島市街地に入ると高架になり、右から徳島線が寄り添ってきます。
高架線を下ると線路が錯綜し始め、8時15分、終点徳島駅に到着です。

徳島駅前

徳島から牟岐線に乗り換えて阿波海南に向かうのですが、次の列車の発車時間まで1時間15分あるので、駅舎とは反対側にある徳島中央公園を散策することにします。
反対側に行くための駅からの連絡通路がないため、駅舎を出て左に500mぐらい進んで、跨線橋を渡らなければなりません。

跨線橋からの眺め(左奥が徳島駅、右側が徳島中央公園)

徳島中央公園は徳島藩主蜂須賀公の居城跡に開設した公園です。園内には徳島城博物館や本丸跡などがあります。
園内はランニングやウォーキングをしている人が行き交っていました。

本丸がある標高61mの城山に登ります。
山頂は城跡らしい遺構はなく、原っぱになっていて、周りは木で囲まれています。

城山の山頂

高台なので、徳島市街地を見渡せる展望台を期待していましたが、街並みは木の隙間から少ししか見えません。

木の隙間から見える徳島市街地

公園を出て、今度は跨線橋ではなく、駅の西側にある踏切を渡り、ポッポ街商店街を抜けて徳島駅に戻ります。

2 徳島→阿波海南→道の駅宍喰温泉

徳島から9時30分発牟岐線阿波海南行き普通列車に乗って終点まで向かいます。
終点の阿波海南まで2時間12分の乗車時間なので、座席を確保するため、発車時刻の25分前からホームに並びました。
1両編成のワンマン気動車で、乗り口は後方の扉です。

1200型気動車

朋友Kと連携して、座席は確保できたので一安心です。
座席はセミクロスシートで7〜8割の乗車率です。
牟岐線は徳島と阿波海南を結ぶ77.8kmの単線非電化路線です。

文化の森駅を出ると、市街地を抜けて次第に田園風景が広がってきます。

文化の森~地蔵橋間の風景

阿波中島駅を出ると、長さ472mの那賀川橋梁を渡ります。
太平洋戦争末期にこの橋で痛ましい出来事がありました。
1945年(昭和20年)7月30日、那賀川橋梁を南に進行中の列車に米軍戦闘機が機銃掃射を浴びせ乗客32名が命を落としたのです。トラス部材には今も機銃掃射の傷跡が残っているそうです。

那賀川橋梁の両側には歩道が設置されている

10時16分、阿南に着き、ここで8分間停車するのでホームに出てみました。

徳島発の列車の半分以上がここ阿南止まり

牟岐線は海岸沿いを走るイメージがありますが、意外にも海の見える場所が少なく、臨時駅田井ノ浜で唯一よく見えるくらいです。
ウミガメの産卵で知られる日和佐で外国人お遍路夫婦が乗ってきました。
牟岐では阿南から乗っていた高校生の男女が降りました。
阿南から1時間なので、通学だったら大変だなと思いました。

11時42分、終点の阿波海南駅に着きました。
ここから本日の目玉であるDMVに乗ります。
DMVとは、冒頭でも説明しましたように線路と道路の両方を走ることができる乗り物のことです。

線路車止めの奥にDMVの線路が見える

阿波海南駅前から11時50分発道の駅宍喰(ししくい)温泉行きのDMVに乗ります。
阿波海南から甲浦までが鉄路で、甲浦から道の駅宍喰温泉までが道路を走ることになります。

阿波海南のDMVのりば

もともとJR牟岐線は阿波海南駅の1つ先の海部駅が終点でした。
1992年(平成4年)3月26日に海部駅~甲浦駅間が第三セクターの阿佐海岸鉄道として開業します。
このときは鉄道事業としてディーゼルカーが運行されていました。
2020年(令和2年)11月1日にJR牟岐線の阿波海南駅~海部駅間が阿佐海岸鉄道に編入され、同年11月30日に鉄道での運行が終了します。
そして、2021年(令和3年)12月25日に世界初となるDMVでの本格営業運行が始まったわけです。

駅前の国道55号線から青色のDMVがゲートを通ってやって来ました。

マイクロバスを改造したボンネット型の車両

DMVの乗車券は事前にネットで予約していました。「発車オーライネット」というサイトから予約することができます。乗車時はスマホ予約画面を運転手に見せれば大丈夫です。
予約しなくても空席があれば乗ることができますが、座席数に限りがあるので、希望のバスに確実に乗りたいならネットでの予約がおススメです。

われわれの座席は運転手後方の席です。
阿波海南駅前のロータリーが道路と線路の境界があるところです。

ここでバスから鉄道モードに切り替わる

DMVは道路と線路の境界地点で止まると、車体の前方が浮いて、下から鉄道の車輪を出します。
実際にどのように切り替わるのか、別のDMVを動画撮影しましたのでご覧ください。

運転席の後ろにある画面でモードチェンジを知らせます。
画面からは海部高校郷土芸能部による海南太鼓のテンポのいいBGMが流れます。

モードチェンジは15秒ほどで終了

DMVは鉄道モードとなり、線路の上を「カタンコトン」とやや大きめの音を出しながら走り始めました。乗り心地はそこまで悪くはありません。

鉄道モードで線路を走るDMV

途中の駅では、鉄道時代の使われなくなったホームがそのまま残っています。
DMVは鉄道のホームよりも高さを低くして別に造られています。

宍喰駅のホーム。DMVの低いホームが奥の線路右側に見える。

ホームが低い位置にあるので、降りるときは乗降口からステップが出てきます。

ドアが開くと同時にステップが出てくる。

12時10分、再びバスモードに切り替わる甲浦駅に着きました。

線路が途切れ、その先が道路になっている。

今度は鉄道の車輪が収まり、バスにチェンジします。
甲浦駅は高架になっているので、DMVはゆっくりとらせん状の道路を下りていきます。そして国道55号線に出て北へ走ります。

所々海が見えて眺めがいい。

12時20分、終点の道の駅宍喰温泉に着きました。
道の駅には物産販売店や隣接するホテルに温泉施設があります。

道の駅宍喰温泉

DMVを降りて、車体の底がどのようになっているか興味があったのでのぞいてみます。
のぞき込むと鉄道の車輪が確認できました。

車体に収まっている車輪

3 道の駅宍喰温泉→宍喰駅→徳島→高松

道の駅宍喰温泉から先ほど通ったDMVの途中駅宍喰までは1kmも離れていません。
DMVは甲浦を出てバスモードに切り替わった後、北へ向かい宍喰の近くまで戻るようなルートを走るのです。
宍喰駅までは歩いて10分ほどで着きました。

宍喰駅は高架になっている

DMVのホームは乗り降りできるよう低く造られています。

右奥の高さのあるホームは鉄道時代のもの

宍喰から12時44分発阿波海南文化村行きのDMVに乗ります。
さきほど乗った車両で、道の駅宍喰温泉から折り返してきたDMVです。

DMVは他にも緑と赤の車両がある。

帰りの座席は左側なので車窓から海が見えます。

穏やかな入江になっている那佐湾

阿波海南駅で降りて、駅前のローソンで弁当を買い、駅舎内のベンチで食べました。
阿波海南駅の情報案内モニターでは明日の大雨予報が繰り返し流されています。
それによると、明日は大雨で土讃線が運休になる可能性があるとのことです。
実は明日の行程で高松から高知へ行くのに土讃線を利用することになっているのです。
阿波海南から14時8分発牟岐線徳島行に乗って徳島経由で高松に戻ります。
列車は1両編成で乗客は2割ほどでした。

同じルートで徳島まで戻ります。

徳島に近づくにつれ、乗客が増え、終点徳島ではほぼ満席となっていました。
徳島駅で乗り換え時間が約30分あるので、駅ビルの「STaNd LiLi」という地酒バーに立ち寄ります。
日本酒鳴門鯛(半合500円)をいただきました。

なめらかな口当たりの純米吟醸鳴門鯛

徳島から16時45分発岡山行き「うずしお22号」に乗ります。
行きと同じくグリーン車がついていないので、座席は普通車指定席です。

発車を待つうずしお号

「一鶴屋島店」という骨付き鳥のお店に行くため、途中の志度駅で降りることにします。

JR志度駅

JR志度駅から100mほど離れた場所に琴電志度駅があります。

琴電志度線の終着駅である志度駅

ここから17時58分発瓦町行きの電車に乗って琴電屋島に向かいます。

名古屋市交通局から譲り受けた車両

原駅を出ると海沿いを走り、志度湾の風景を楽しめます。

この区間は志度線の絶景ポイント

琴電屋島に到着して、2分ほど歩くと「一鶴屋島店」があります。
しかし、そこには廃屋のような建物があるだけで、店らしい建物が見当たりません。
場所を間違えたかなと思い、グーグルマップで調べましたが、ここで間違いはありません。
そこでお店の公式ホームページで調べてみることにしました。
すると、5月7日から改装のため休業とのこと。つまり、つい4日前から営業していなかったのです。

「一鶴」という店は他にも数店舗あるので、高松店に行くことにしました。
再び琴電屋島駅から瓦町行きの電車に乗ります。

レトロ感がある琴電屋島駅

瓦町で降り、歩いて一鶴高松店へ向かいます。
店に着いたのはいいんですが、待ち時間がなんと2時間半ぐらいとのこと。現在の時刻は19時20分なので、店に入る時間は22時近くになりそうです。せっかくここまで来たことだし受付をして待つことにしました。

待ち時間の間、近くの「うどん川福」でちょっと腹ごしらえをすることにします。
おでん定食(950円)を注文しました。
おでんの他、うどんとしょうゆ豆が付いていました。

真ん中下が香川県の郷土料理しょうゆ豆

結局、一鶴高松店には、予定よりも早く21時20分ごろ入店できました。
注文したのは骨付鳥の親鳥、生ビールにカレー豆腐、野菜です。

これが一鶴の骨付き鳥の親鳥

骨付鳥はスパイシーでビールによく合います。
これは待ったかいがありました。

本日の行程はこれで終了です。
明日は大雨が心配ですが、土讃線で高知に向かいます。

一鶴高松店


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