Frank Sinatra-Frankie
私の敬愛するボーカリストであるFrank Sinatraが発表したアルバムについて語っていく企画。友達にぜひ書いてくれと言われたので連載する予定です。それでは早速いきましょう。
今日聴いているのは『Frankie』。
本作は1955年発売なのだが、内容は1943年〜51年にコロンビアから発表したシングルを寄せ集めたコンピレーションアルバムになっている。これを最初に持ってきたのは、このアルバムがシナトラ初の30センチLPだからである。
聴くのはたぶん数年ぶり。ドキドキ……
【感想】
始まりの曲は”Hello Young Lovers”。「王様と私」のミュージカル曲。のちにスウィングバージョンも残しているシナトラの十八番である。ここではゆ〜っくりと情感たっぷりの歌唱。
“Falling In Love With Love”は頑張って歌っているのがこっちに伝わってしまうのが勿体ないところ。1960年頃のスイングバージョンのほうが私の好みだ。
“You’ll Never Know”では、後に紹介することになるアルバム『Put Your Dreams Away』のようなお風呂サウンドを楽しむことができるだろう。好きな人にはたまんない、というタイプ。
ここまで古いスタイルのバラード曲が続いたのだが、5曲目でいきなり50年代のシナトラを思わせるようなスイング曲”It All Depends On You”が来る。49年の録音とのことで、まさに音楽性の転換期である。
“All Of Me”はキャピトル盤が広く知れ渡っているが、これはコロンビア時代の録音。最後に軽く語りが入っているのが珍しい。
1945年録音の“Nancy (with The Laughing Face)”は実の娘のことを歌った、シナトラ初期の代表作の1つ。ちなみにナンシー・シナトラはフランク・シナトラの音楽について、「40年代のものが1番素晴らしい」と今でも言い続けている。
ラストは”Oh! What It Seemed To Be”。これは今では知られていないと思われるが、全米No.1ヒット曲である。初期のシナトラらしさを感じられるアレンジと歌唱。
【総評】
聴いていて心地よいアルバムだった。古い録音ということもあり、プチプチプチという音が少し聴こえてくるのだが、それすら心地良いという感覚。選曲については、8年間の中から選んでいるというのもあって音楽性の統一が見られない感じがする。ただ、記録的なニュアンスも強いアルバムと考えているので私はそれほど気にしていない。また、女性コーラスが一部使われているが、ペリー・コモあたりと違って、シナトラはそれほど女性コーラスとの親和性が高い歌手とは思えない。実際、50年代以降はほとんど使っていないはずだ。
【この一曲】
この曲、シナトラ初期の作品の中では特に有名な部類である。一聴の価値あり。
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