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名シンガー探訪⑥ 藤山一郎編

藤山一郎(1911〜1993)は東京音楽学校(現在の東京藝大)を首席で卒業したエリートで、1930年代〜40年代にかけて流行歌手として大きな人気を獲得した。紅白歌合戦で長年「蛍の光」を指揮したことでも知られている。ちなみに、国民栄誉賞を受賞した歌手は美空ひばりとこの人しかいない。

今日は藤山一郎の魅力を知ってもらうために4曲紹介したい。


1.丘を越えて

1931年、藤山一郎デビューの年の作品。同年発売の「酒は涙か溜息か」と並び、作曲家古賀政男の出世曲でもある。映像は1982年のもので、この時藤山は既に古希を迎えているが、その歌唱力は健在だ。


2.東京ラプソディー

「東京ラプソディー」は全ての流行歌の中でも上位に位置すると個人的に思っている名曲。
1936年に発表されたこのモダンな作品を、藤山は1971年にロック風アレンジで録音した。さらにこのバージョン、4番を飛ばして5番の歌詞を歌っている。まさに珍品である。


3.夢淡き東京 4.長崎の鐘

まずは「夢淡き東京」。これを聴くだけでも藤山一郎の発声・発音の素晴らしさが分かるというものだ。
そして、続く「長崎の鐘」こそ、藤山一郎の最高傑作と言うべき名品である。終戦から4年が経った1949年に、戦災を受けた全ての受難者への鎮魂歌として、また日本の復興を願う歌として発売された。コーダも素晴らしい!彼が第1回紅白歌合戦の大トリで歌ったのもこの曲であった。

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