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女性の皆さん、痛みを我慢していませんか?

※こちらのnoteはデリケートな表現も含まれております。苦手な方はご覧いただくことをお控えくださいますようお願いいたします。

女性であれば、一度は経験したことのある生理トラブル。生理痛にPMS、生理不順など毎月悩まされている方も多いと思います。

薬を飲んでも改善しない、昔に比べて痛みが増しているなどの症状がある方は、もしかすると何らかの病気にかかっている可能性が考えられます。

私は2021年10月に子宮内膜症の手術を受けました。生死にかかわるほどの病気ではありませんし、すでに退院して現在は普段どおりの日常生活を送っています。

この病気を通して、自分の健康を守ることの大切さに気づきました。特に女性の皆さんに知ってもらいたいと思い、今回お話させていただきます。

1. 子宮内膜症とは

子宮内膜またはそれに似た組織が何らかの原因で、本来あるべき子宮の内側以外の場所で発生し発育する疾患が子宮内膜症です。20~30代の女性で発症することが多く、そのピークは30~34歳にあるといわれています。子宮内膜症は女性ホルモンの影響で月経周期に合わせて増殖し、月経時の血液が排出されずにプールされたり、周囲の組織と癒着をおこしてさまざまな痛みをもたらしたりします。また、不妊症の原因にもなります。

引用元:公益社団法人 日本産科婦人科学会

現代の女性が一生の間に経験する月経の回数は約450回だそうで、100年前の約50回だったのと比べるとおよそ9倍も多いことがわかります。ライフスタイルの変化とともに、女性特有の病気にかかる可能性は誰にでもあります。

そのひとつが子宮内膜症で、女性の10人に1人はかかると言われています。ひどい生理痛を引き起こすことがわかっており、放置すると不妊の原因になりかねません。また、卵巣がんのリスクも高くなります。

参考:公益社団法人 日本婦人科腫瘍学会


2. 発見に至るまでの過程

マンモグラフィーや子宮頸がん検査が含まれる婦人科検診は毎年職場の助成を利用して受けていました。

昨年秋の検診時、順番待ちをしていた私に事務員の方が声をかけてくださいました。

「オプションでエコーの検査が受けられますよ」

パンフレットを見せてもらうと5~10分で終わり、費用も2,000円とのことでした。その日は直帰する予定で時間もあったのでお願いすることにしました。

子宮頸がん検査のあと、引き続いてエコーの検査をしてもらいました。

検査後、担当の医師に呼ばれ、こう言われました。

「紹介状を書くのですぐに大きい病院で診てもらってください」

それまで検診の結果が悪かったことは一度もなかっただけに、正直どういうことか理解できませんでした。

医師の話によると、通常子宮は3cm程度の大きさであるのに対して、私の場合は7cmほどの腫れがみられるとのことでした。

考えてみれば、私の母も妹も似たような症状がありました。
母は私を妊娠する前に子宮筋腫で手術を受けていますし、妹はブライダルチェック受けた際にチョコレート嚢胞が見つかり、ピルを服用していました。

調べたところ、婦人科系の病気については遺伝によるものが多いとも言われています。気になる方は家族や親戚に聞いてみるのもいいかもしれません。

3. さまざまな治療法

紹介状を用意してもらい、早速総合病院の産婦人科を予約しました。

MRIを含む詳しい検査の結果、左右の子宮とも5~7cm程度の腫れがあることがわかりました。

その後の治療法として、ジエノゲストという薬を服用することになりました。こちらは生理周期をコントロールするピルとは異なり、完全に生理を止める薬です。

副作用として不正出血やめまい、吐き気等があるようですが、私の場合は薬が体に合っていたのか目立った副作用はありませんでした。

ジエノゲストを1ヶ月ほど服用し、再度検査をすると腫れが1cmほど小さくなっていることがわかりました。

主治医との相談の結果、服用を続け、腫れが小さくなったタイミングで手術をすることに決めました。

出産歴や年齢によって治療法も変わってきます。鎮痛剤やピルを服用したり、妊娠を望まない場合は手術で子宮や卵巣を摘出したりすることもあります。

私は子宮を温存する方向で腫瘍だけを取り除く腹腔鏡手術をすることにしました。


4. 入院から退院まで

手術に伴い約1週間の入院が決まりました。流れとしては以下の通りです。

1日目:前日入院

手術の開始時間にもよりますが、この日の夜までは食事・飲水ができます。病棟内では自由に過ごせました。

2日目:手術

立会いの家族とともに手術室へ向かい、終了までに約3時間かかりました。ただ、全身麻酔なので気づいたら何もかも終わっているという感じです。

病室へ戻り、1時間ごとに看護師の方が様子を見に来てくださいました。ベッドの上で目を開ける以外は、本当に何もできません。幸い、痛みはそれほどなかったのですが、尿管が入っており自力でトイレに行かれないのがつらかったです(ものすごく違和感がありました)。

麻酔から覚めて意識がはっきりしてきたのが午後10時頃だと思うのですが、朝が来るまでとても長く感じました。

3~5日目:静養、歩行練習

手術翌日から歩行練習が始まります。最初はふらつくことがあるので看護師の方が手伝ってくださいます。歩行ができるようになれば点滴と尿管が外れます。

この日の夜から流動食が始まり、全粥→常食と徐々に食上がりしていきます。

食事時間以外は基本的に静養ですが、座りっぱなしや寝たきりの状態は体に良くないとのことで、病室内を歩き回ったり廊下を往復したりしていました。

だんだん体力も回復してくるのでテレビを見たり読書したり好きなことをして過ごせるようになります。

6日目:退院

前日に主治医の許可が下りたので6日目に無事退院しました。

手術後の創部に関してですが、傷自体は1センチほどの小さなもので消毒や抜糸もありません。固定の目的でテープが貼られており、自然に剥がれ落ちるまでそのままにしておいてよいとのことでした。

退院後の生活については、階段の昇降や重い荷物を持つなどお腹に力をかける行動を控える以外は普通に生活できます。飲酒や入浴は次の診察日まで避けるように言われました。

仕事内容にもよりますが、私は土曜日に退院し翌週火曜日から社会復帰しました。


5. 自分の健康は自分で守るしかない

生理が始まってから、痛みは比較的軽いほうだと思っていました。しかし、年齢が上がってくるにつれて立っていられなくなるくらいの痛みに襲われることがあったことも事実です。

出勤したのにトイレから動けず、職場にある診療所のような場所で半日寝込んだこともありました。

(親族で似た症状があると知っていたのなら、話を聞いたり相談したりするべきだった。)
(もう少し早い段階で診察を受けていれば、ピルで治療できたかもしれない。)

病院に行ったほうがいいんだろうな…そう思いつつ放っておいた結果、手術を受けるまでになってしまったのは自分の責任だと反省しています。

仕事や学校を休まなければならないほどの痛みであれば、体がなんらかのSOSを出していると思ってください。

「産婦人科に行くのは恥ずかしい」
「忙しくて病院に行く時間がない」

いろいろな理由があると思いますが、発見は早ければ早いほど良いです。

婦人科系の病気は、骨折や外傷のような目に見える症状ではないため、他人が気づけるものではありません。
むしろ、自分でさえ気づかないことが多いのです。

女性の皆さんには、どうか自分の体の声に耳を傾けてもらえたらと思います。

同じような症状に苦しむ女性がひとりでも少なくなるよう願っています。