世界最大のクルーズ船 Icon of the Seas

Icon of the Seas という豪華客船の動画を観ると、世界の富裕層が海に浮かぶアイランドを一つの国として運用するという発想に納得する。

YKKチャンネルで詳しくリポートされていたので、参考にどうぞ。

動画内の説明にもあるように、一区画のエリアの建造費用が$3000万USD(2024年9月期換算の為替レートで、43億円相当)の費用です。

総建造費が$2Billion USD(2024年9月期換算の為替レートで、2872億円相当)なので、建造費は、思ったよりも安そうですね。

現在の技術で、全長2kmのアイランドを建造できるのか?という話なんだけど、理論的には問題がなくても、海は常に荒れるので、太平洋の真ん中を遊泳する船を作るとなると、原子力推進で常に低気圧を避け、気象情報の流れを先読みして移動する必要性がある。

比較的平穏な太平洋でも、海である以上は必ず時化に遭遇します。

特にスコールの発生は、赤道直下では常に起きるので、ハワイよりも南側に位置し赤道から離れない位置にしか、船を航行できないというデメリットもある。

一つの船の大きさで2Kmの全長の船を作るのは難しいと思うけど、複数のMEGA Float を繋いで、昔トヨタが車のサスペンションで採用していた、スカイフックという原理で海のうねりを浮き沈みしてダンピングする発想を取り入れれば、運用は可能な気もする。

MEGA Float を浮きドックと同じように、海にある程度の水深まで沈めて波の影響を20m~30mほどのダンパーで減衰して受け止め最大50~60mの三角波でダイブしても大丈夫な構造にすれば、運用は可能だろう。

かなり大きな船であっても、船はゆっくりと揺れるので、200m級の大きなメガフロートを10段2~3列で並べれば、羽田沖に計画されてる洋上滑走路のような水上基地は作れるだろう。

これを富裕層のお金だけで作るとなると、実際には現実的ではないだろう。

メンテナンスの費用を考えれば、現実的ではない。

莫大な運用コストが必要になる。

地上に掛ける橋梁の強度の30倍以上は、強度が必要になると思うので、ダンパー関連に掛かる負荷などから、定期メンテナンスも洋上で行う場合、島を一つ買った方が安上がりで済む。

現実的に作るとなると、全長500mを超える船は剪断せんだん応力も考慮して船が割れない構造にしなければならない。

現在、小型原発や放射性廃棄物が大量に存在するので、それらの核廃棄燃料を使って発電するシステムを採用すれば、エネルギーは格安で手に入れられるだろう。

世界の富裕層達が目指す太平洋のアイランド構想は、出来なくはないが現実的ではないというのが個人的な考えです。

クルーズ船を使って、スターリンクなどを利用してインターネットで情報をやり取りして、洋上で企業に指令を出すという程度の発想なら、クルーズ船で間に合ってる。

最低7,600人前後、クルー2,400人を抱えて洋上の沖で生活してくれる人達がどれだけ居るのか、まだ南の島を購入して、スターリンクの衛生アンテナで電波を拾ってインターネット出来る程度の設備を整えた方がマシだよね。

35年ほど前になるけど、アセンション島に行った時に、英国の軍事基地の施設しかなかった頃、太平洋の絶海の孤島だった訳だけど、「天国?ってあったら、こういう場所なんだろうか?」とドラゴンボールの界王星かいおうせいを見た感じがした。

紫外線が強くて空気が透き通っていて、ヤギが道端の雑草を食べてる風景。

少し離れた場所に行くと、プレハブ住宅で兵舎や兵士の家族が一緒に住む居住区があり、飛行場には軍用機が大量に置かれていた。

つまり、国家レベルの軍隊でも持たない限り一つの島を保有しても、富裕層が持つ資産程度では、一つの島にアイランド構想を作るのは難しいという話。

バリ島やフィリピンのセブやエルニド辺りで、ノンビリ過ごした方が、まだマシだろう。

フィリピンは、意外と海外の富裕層が沢山いる場所だという事を知らない日本人が多い。

老後をフィリピンで過ごす海外の富裕層が多いのは、貧困世帯の人々に介護や使用人として雇用する費用が安いからだろう。

船で同じように、安い賃金で労働者を雇えるのか?

アメリカ人であれば、クルーの賃金は時給換算で$20USD前後だろう。

フィリピンは、徐々に人件費も高騰してるけど、それでも日本の人件費(平均440万円換算の場合)の1/6~1/8程度で済む。

海外の富裕層の豪華客船で生活するという概念は、カジノや遊び場と職場を一緒にするという考えなのだろう。

普通にニューカレドニアからソロモン諸島やパプアニューギニア辺りに囲まれた周辺に大型の豪華客船を浮かべて、寄港地を定めて船を運用するのであれば、海外の富裕層達の考える構想も「アリかな?」って程度の考え。

この海域を離れると、太平洋では、ハワイ周辺以外は魚群が少なくなる。

この海域の周辺は、マグロやイカなど日本の漁船も多く操業しており、インドネシアに漁船を置いて現地法人でカツオ・マグロ漁を行なう事業が普及してる。

現在、日本で購入する安物の鰹節生産の殆んどは、インドネシアで生産されている。

この海域からならジャワ島も近く、ジャワまぐろなど、他のマグロとは別種の独特の頭の丸くて大きなクロマグロ種の得意なマグロが獲れる。

寿司ネタにするのなら、最高のマグロが獲れる。

豪華客船でカジノを開いて、美味しい海産物を取引できて、夢のある構想を作るのなら、今ある豪華客船で充分な気もするけど、彼等の考えは我々庶民の考えと掛け離れているので納得できないのだろう。

ドバイやシンガポールの衰退を見れば明らかだろう。

金融で成功を収めた人達が見る終焉が、今のドバイの凋落ちょうらくした姿だろう。

金融は、レイ・ダリオ氏の予想通りの展開になりつつあるので、テック企業への投資は、今後は徐々に衰退して行くだろう。

宇宙産業も同じように縮小傾向に入ると思う。

理由は、スターリンクを見れば明らかだろう。

1機50~100億円近い費用が掛かるロケットと、1機数億円のコストで地上でメンテナンスが可能な電動グライダー、どちらが利便性が高いのか?

答えは明らかなんだけど、未だに夢を見てる阿呆が多い。

人工衛星を使っても、電波を受け取る拠点は地上なんですよ。

豪華客船は、今後も増える予定のようだけど、全長2kmの MEGA Float のような洋上基地を作るよりも「豪華客船の方がまだマシだよね」というお話でした。

3000億円で作られた船は、やっぱり凄いと感心しました。

三菱の小型原子炉が運用開始されたら、もっと凄い豪華客船が運用できるだろうし、コストも燃料代が浮いて中間所得者層が利用できる船も出てきそうなので、今後に期待しましょうか。

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