道の向こう-【過去日記】
仕事帰り自転車を漕いでると、反対側の歩道に淡い色の着物を着た人が見えた。歩道にあるガードレールに囲まれた謎の機械の箱に寄りかかっていた。
肌寒い21時頃、着物からちらりと膝から下の足が見えておりスマホをいじっているようだった。着物好きかレイヤーさん?寒くないのかなと思いながら通り過ぎてスーパーへ向かった。
15分くらいの買い物を済ませた帰り道、同じ場所で着物の人が視界の端に映る。あれ、まだいる。
待ち合わせ相手が来ないのかな、と通り過ぎた直後、斜め後ろからガラガラガラ!とカートをひいて走ってくるような大きな音が。背中がゾッする。多分着物の人だ。振り向かず自転車を必死に漕いだ。
数年後、世にも奇妙な物語でカートを引きずりながら歩きバス停はどこですかと聞く話を見た時に忘れていたこの着物の人を思い出した。
バス停聞きたかったのかな。逃げてごめん。