れんげ畑-【過去日記】
小さい頃から目が悪く、極度の近視だったがまだメガネを持ってなかった。
近所の田んぼが春になるとれんげ畑になった。種をまいているところだったのだろう。嬉しくてれんげをよく見ようと顔を近づけたところ、れんげの横の目玉と目が合った。ヘビの頭である。距離にして10センチ。図鑑のヘビのページは触ることすら怖くてまとめてとばしてた子供なのだ。叫ぶことも目をそらすことも出来ず、焦点が合わなくなるまでそっと後ろにずり下がり、一目散に走って逃げた。
春になるとあの正面から見た頭を思い出す。