ダニエル・コーエン「経済と人類の1万年史から、21世紀世界を考える」
人々は事が起こって少し経ってから意味を理解する。
結局、歴史から何かを学ぶということには限界があるという。
それでも、本書を読めば、歴史の大きな流れを踏まえて、現在や将来を考えることができる。
中国とインドの経済参加がグローバル経済を本格化させた。
そして、中国とインドの発展はやがて資源の枯渇を進め、グローバル経済に限界をもたらす。
先進国がしてきたことを後進国が同じようにすることができないということが分かってきてしまっている。
そこが、これまでの人類の歴史からは学べない初めての体験になる。
放っておくと、文明の衝突は起きるのだろう。
欧州の歴史と同じように暴力で解決するのか、他の方法で解決するのか。
この手の議論において、ピケティやトッドもそうだが、近年、フランス人の主張にはなぜかバランスの良さを感じる。
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