見出し画像

30代で心筋梗塞になった男の体験 2

30代で心筋梗塞になった私の体験を綴っています。同じような事が起こった人の参考になるように。健康な人が増えますように。

発症の経緯

冠動脈瘤という時限爆弾を抱えながらも平穏な日々を送っていた私。

ついに時が訪れる。

いつものように10分程度のジョギング後(ほんとに軽く走っただけ)、歩いてクールダウン。10分ほど歩いて、息が上がったまま落ち着かない事に気が付く。

走ると息が上がるじゃないですか。普通休むと落ち着くじゃないですか。

それが落ち着かない。とはいえ、歩けなくなるわけでも無いのでとりあえず歩く。深呼吸しようと思い、思い切り息を吸った瞬間、心臓の鼓動が大きくなったのを感じる。何か異変が起きていると、この時気が付く。

今思えば、この時点で救急車を呼ぶことが妥当であった。

近くにあった建物のトイレに座って休む。「心拍数 下げる」で検索して出てきた呼吸法を行う。気が遠くなるような感覚を覚える。

今思えば、最悪でもこの時点で救急車を呼ぶべきであった。

15分後、楽になってきた気がしたので歩く。でも息は上がったまま。やっぱり戻ってトイレに座る。そのまま30分滞在。

今思えば、どんなバカでも、もう救急車呼ぶだろうと思う。

しかし、座っていると少し楽になる。この時点で自分の出した結論は、熱中症でした。暑い中走ったから熱中症になったんや!と思った。その理由は、休めば楽になるし、意識もあるし、話もできるし、歩けたから。

「これが熱中症か~」と考えながら、とりあえず家に帰る。家には自分ひとり。

救急車要請の決断

横になっていれば治るという謎の確信を持ちながら横にって30分経過。自分の知っている唯一の対抗策である、さっきググった呼吸法を信じて続ける。しかし息は上がったまま。

うっすらと、元々の心臓病が発症したのか、と考え始める。

さすがのバカもさらに考える。これは救急車を呼ぶべきではないか・・・?

「しかし子どもの保育園のお迎えに行けなくなるやん」と思ってためらう。

ためらいながらも考える。

やるかやらないか迷った時は、やった時のリスクだけではなく、やらなかった時のリスクも考えなければならないと心得ていた。今回の場合、救急車を呼ばなかった時の最悪の事態はというと、死であると気付く。

こうして私は、ついに救急車を呼ぶことを決意した。すでに発症から2時間近く経過していた。

異変を感じたら、すぐ救急車を呼ぶ

今思えば、救急車を呼べるタイミングはいくつもあった。むしろ、誰もいない家に帰る前に呼ばなければいけなかった。

もし意識を失ったら、他に誰もいないのだから。

後から知ったことだが、心筋梗塞になった人は、なかなか自分では救急車を呼ばず、他人が異変に気付いて呼ぶことが多いらしい。

なぜなら、耐えられそうな気がするから。結果論ではあるが、私も未だに、救急車を呼ばなくても何とかなったんじゃないかとすら思うくらい、耐えられそうな気がするのだ。

心筋梗塞で死ぬ場合、ほとんど1時間以内である。1時間以内に救命処置できるかどうかが運命の分かれ道。

不整脈などの自覚症状が30秒続いたら、救急車を呼ぶ状況である。

経験済みの今なら、迅速に呼べると思うが、初めての体験では、これは意外と、分かっていても難しいと思う。

分かっていても難しいことを普段から肝に銘じ、明らかな異変を感じたら救急車を呼ぶ、ということを忘れないでほしい。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?