見出し画像

【実験】硫酸銅五水和物の加熱脱水プチ実験

先日までの大雪はすごかったですね。個人的には、冬に雪はつきものだと思っているので、久しぶりに「冬だなぁ」と、冬を実感していました。もう少し降ってくれてもよかったのにな。

今の職場に来て、授業以外の時間に声を出すことがめっきり減りました。誰ともしゃべらない分、自分の時間が取れるようになりました(…と前向きな解釈をしてみる。)ということで、今日も一人、思いつき演示実験の予備実験を行いましたので、備忘録がてら記事のUPです。

なんでもやってみて、初めてわかることがある!

理論化学の「溶解度」という単元で、「硫酸銅五水和物CuSO4・5H2Oの溶解と再結晶」の問題があります。頻出です。ですがなかなか理解しづらいところです。

・この化学式なに?なんで「・」があるの?

・水和水ってなに?

この二つの疑問に追い打ちをかけるように、この硫酸銅五水和物は、水に溶けると5H2Oの部分は溶媒の水と一体化します。水和水が水になるってことです。そして、硫酸銅水溶液をつくり、温度を下げて再結晶させると、硫酸銅に水分子がくっついた結晶が出てくるということが起こります。

…さてさてなんのこっちゃです(^-^;

ということで、ここの内容を、上のような一連の説明をしても「???」だと思うので、せめて何か一つでも理解ができるような助けがないかと思い、

・硫酸銅五水和物を見せる。(きれいな青!私はこの青色が好きです)

・加熱すると水(水和水)が外れる。(色が青→白へ)

・硫酸銅無水塩に水をかけると再び青くなる(水和水が戻る)

を見せて反応を見てみよう。あわよくば物質構造理解につなげてもらおう。

と考えました。


実験はいたってシンプルです。

1.金属薬さじに適量の硫酸銅五水和物を乗せる。(きれいな青です (^^

http://www.ensho-sangyo.co.jp/list/02.html(圓商産業HPより)

2.チャッカマンで薬さじの下から加熱する。これだけ!

画像1

すると写真のように、端のほうから徐々に白くなってきます。ここまでたった30秒!白くなったということは、水和水(・5H2Oの部分)が外れて、硫酸銅無水物に変わったということです。

3.この物質をシャーレに入れて、蒸留水をかけてみる。

画像2

すると白かった結晶がすぐに青に戻ります。

これは硫酸銅無水物(白色結晶)が水と反応し、硫酸銅五水和物に戻ったことを示します。

・・・という簡単な実験で、少しでも興味を惹けないかな?

*********************************

硫酸銅五水和物という物質以外は、その辺にあるものを使っただけ。教室でも簡単に演示実験ができそうです。しかも、硫酸銅五水和物を加熱して写真のように白くなるまで、たった30秒。実際にやってみて、こんなに簡単に水和水の脱水ができるとは思いませんでした。やっぱり何でもやってみるものです。

深い理解とはならないでしょう。けれども実際にやってみて、実際に見てみることで、記憶に刻まれるということは起こると思います。

自分自身も、実際にやってみることで実験テクニックが身に付き、レパートリー(引き出し)が増え、文章や写真だけではないところで理解が深まるというメリットがあります。

今後もまたちょくちょくミニ実験をアップしていきます。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?