双子座の君。偶然か必然か。
2015年春。
(前回のつづきです)
手紙を書いて。
それを渡してお別れする事にした。
想定外の異動で
アイドルを応援するように
遠くから見守る事は出来なくなり
さびしくはあったけれど
でも
自分の気持ちを遠回しにでも
伝えられるのは
嬉しかった。
誰かに見られるという恐れがなければ
もっともっと本当の気持ちを
書きたかったけれど。
奥さんに見られても
同僚等にもし見られても
大丈夫なようにしないと。
その日離任式は昼からで
すぐ終わるので、ぼちぼちと
娘を迎えに行きがてら
学校に向かった。
途中3年生くらいの女の子が
帰っていて
異動する先生の名前が書いた
用紙を持っていた。
「ちょっと見せてね」
女の子に見せてもらう。
え?
え?
異動じゃない???
私はびっくりした。
急いで学校に向かう。
下駄箱で先生に出会った。
「あの…異動じゃないんですか?
異動だって情報が入って…」
もう、パニックで、
しどろもどろだった。
先生は
「異動じゃないので、
これはお返しします…」
その時の顔はお互いに赤かったと思う。
いつもは透けるように白い彼の顔は
赤かった。
あの時の
あの顔を私は忘れられなかった。
今も忘れられないのに。
***
☆気まずい空気と微妙な距離感
私が思ってる以上に
手紙には想いが溢れていたようだ。
たぶんはっきりと
伝わってしまった。
じゃないと
あんなに顔を赤らめる事は
ないだろう。
でも、
気まずいけれど
もう担任じゃないから。
参観等でチラッと見かける程度。
廊下で会って挨拶する程度。
でもでも
ずっと彼の事が頭から離れなかった。
この頃から
楽しいから、苦しいに
変わっていった。
話したいけど、話せない。
アイドルなら
そんなもの。
アイドルならね。
アイドルなら自分のものには
ならないよ。
アイドルならね。
***
もう私どうなるんだろ…
その頃、私は学級委員をしていた。
夜に、学校で会議がある。
偶然出くわす事もあった。
どうせ挨拶する程度。
こんにちは。が
こんばんは。になる程度。
それでも顔を見たら嬉しかった。
前にも書いたけれど
私は長らく宗教をやっていた。
その頃も毎年夏休みになると
その宗教のお祭り的なものがあり
娘と泊まりで出かけた。
その宗教は
親と夫に心から尽くす事を
普段から言われていて
その頃は少し
しんどくもあった。
夫への気持ちも前より
冷めてきていて。
同時に二人愛せると
思っていたけれど
同じだけは、難しいみたいだ。
でも
環境て大事で
その親と夫が大切な
そういう環境に一泊2日でも
身を置いたら
自然と
やっぱり夫が好きだなと、
思えたし
あの人の事も諦めようと思った。
諦めるもなにも
叶わないのは
わかっているけれど。
***
シンクロニシティ
でもね。
これは、自分が引き寄せているのか
ただの、偶然か。
わからないけれど。
宗教のお祭りから
帰ってきて
その次の日くらいに
お昼過ぎ学校に行く事があった。
もう、その時は
あの人の事は頭になくて
学級委員の仕事に集中していた。
夏休みなので
あまり先生もいなくて。
作業が終わり
職員室に鍵を戻しに行った。
そしたら
何故かそこにいたのは
あの人だけで。
偶然期待も何もしてないのに
話す事になってしまった。
勿論事務的な事だけれど
かなり久しぶりに話して
私はやっぱりドキドキして
引き戻されてしまった。
試されてるのかな?
私の中途半端な決心を。
それからも
偶然なのか
なんなのか
たまたま出会ったり
車ですれ違ったり
そんなシンクロニシティが
多発し始めた。
時間は、バラバラなのに
車ですれ違う事が多かった。
びっくりしたのは
ある時母親を夜、迎えに行った帰りに
渋滞に巻き込まれて
対抗車線も混んでいて
ちょうど隣に停まったこと。
あの人は気付いてなかったけど
かなりの確率だと思う。
***
☆人生の転機
秋になった。
私は元々占いとか好きだった。
思えば小学生から人を占ったり
していたし
将来の夢が占い師の時もあった。
でも
大人になってからは占いの事
忘れていて。
でも何故か
ある占い師さんが何年か前から
気になっていて
その占い師さんの切り抜きをバッグに
忍ばせていた。
それを、思い出したのは
妹が少し悩んでいて
その占い師さんの所に行きたいと
言い出したから。
そういえば
私その占い師さんの切り抜きを
持っていたな、と。
一度行ってみようかな。
私も娘の、事きいてみようかな。
それが始まり。
暫く娘の事は書いてなかったが
この頃娘は荒れる事は
ほとんど無くなった。
話を沢山して、娘の想いを受けとめて…の
繰り返しだった。
そして娘は
「そのままの自分を受け容れてもらった!」
と感じてくれたのかな、と思う。
娘の事はまた別に書こうと思う。
恋愛の事ばかり書いているが
勿論恋愛の事ばかり考えてはいない。
占いであの人の事きいてみる、なんて
アホらしくて、恥ずかしくて
とても無理だ。
まだ、続きます。