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【弱ウソ日記】少し目が覚めた

ピピッ。
体温計を見る…39度。

平日の、しかもお日様が空高く照っているこの時間に、僕は体調を崩して寝込んでいた。
日頃の不摂生が祟ったのだろうか。
はたまた、流行り病か。
熱にうなされ、とても気持ちが悪い。

体の節々が軋むような痛みに必死に耐え、解熱剤を飲んで、なんとか眠りにつく。
こういう時ほど、ASMR系の動画は頼りになる。
ジャンルとしては多種多様あるが、○ロ系は、かえって気持ちを昂らせてしまうので、それ以外全般が効果的だったりする。

そんなこんなで、身の危険を感じる脅威はすぐに過ぎ去り、体調は穏やかになった。

ふと、自分の部屋を見回す。
山のように積まれた段ボールが僕を囲んでいる。
思えば、ここ数年、ありとあらゆるものを買い込んでは貯め込む生活を続けてきた。
下手すればお店が出来るほどだ。
だが、自分には物売りが出来る才など無い。
文字通りの無駄遣いと言えるだろう。

僕は、病み上がりの時に必ず部屋の掃除をしている。
今回も要らない物を思い切ってゴミ袋に詰め込んだ。
すぐにいっぱいになった。
しかし、部屋は「物」で溢れかえっている。
それだけ、僕が「物」と向き合わなかった時間があまりにも長かったことが窺えるのだ。

人生の終わりを意識し始めて、物に囲まれる生活の無意味さを少し味わった。
もう置き物になるだけの無駄な買い物はするまい…そう思っている。

どこからが嘘で、どこからが本当か。
ご想像にお任せします。

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