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誰も教えてくれないビジネス文書の基本 -スペースキーで見た目を整えるのはやめなさい-


▼目次
はじめに
「良い資料」のために必要な3つの考え方
段落・行間を理解する
最後に

はじめに

「資料作成」はわたしの人生には縁がない、と思っていた仕事です。
前職では、打ち合わせ、打ち合わせ、の日々。資料を作るときは既存のものを少しカスタムするだけ。あるいは他の人に頼むことで回避する人生を送ってきました。
資料は作成できなくても、わたしは対人コミュニケーションの方が向いているから、得意なことだけをやれればいい、と甘えていたのも事実です。

今の業務は前職とはがらっと仕事内容が変わり、基本的にはPowerPointやGoogleドキュメントに向かい合っていることが大半となりました。
フォントの一致や、少しの色の違いをチェックすることはわたしにとって非常に労力を使う仕事であり、人よりも時間がかかる毎日です。

しかし、この生活の中で、ドキュメントなどの資料を正しく作成できることで自身の意見や、伝えたい事柄が正確に相手に伝えることができるということに気が付きました。


前職の人材紹介での法人営業業務は、非常に属人化されたものでした。紹介先の企業の情報は企業担当しかもっておらず、企業からもらった情報の格納場所も定められていない状態です。
例によってわたしも自身の担当する企業をより紹介してもらえるよう、頭ではなく、足を使って社外、社内活動をしていることが多かったように思います。
当時、ドキュメントや資料を自身で作る能力があれば、キャリアアドバイザーに何度も同じ説明をすることも、伝えたかった内容と、伝わっている内容の違いにやきもきすることもなかったように思います。

本書では、資料作成に具体的な活用方法を中心に記載されていましたが、本記事では資料作成における基本中の基本と極意の部分だけお伝えします。


「良い資料」のために必要な3つのこと


1 美しさ

どんなに内容が良かったとしても、文書の文字や大きさがずれていたり、ゴチャゴチャと情報を詰め込みすぎたりしている資料は、残念ながらまず読む気にはなりません。
「読みやすく」「内容が伝わりやすい」ために「ムダがないこと」、必要以上の情報が載っていないことは良い資料のための大前提です。
「この1箇所くらいずれていても内容がわかるからいいや」といって美しさに妥協をしてはいけません。

2 作成スピード

かといって美しさを追求しすぎて、A4の文書に1時間も2時間もかけては元も子もありません。
タイピングは「5分間で300文字」がビジネスに通用するスピードだと言われています。A4文書のぺら1枚では400-500文字が一般的なため、かけてよい時間は入力10分、編集5分の計15分にすることを心がけましょう。

そして、スピードに直結してくるのが最後の5分の編集作業です。文章を作るよりもレイアウトが整頓できなくて時間がかかっている人は多いのではないでしょうか。
タイトルを入力したらすかさずフォントサイズを大きくして、、ということをしていませんか?(はい、私です。)
編集ではまず、「ベタ打ち」が基本となります。文章の途中で書式や配置を変えてしまうと、変更した内容が次の行にまで引っ張られてしまい、削除しては書式を戻して、、というムダな工数が増えてしまいます。
字下げや強調など書式の形式を変更する場合は、必ず最後にまとめて行うようにしましょう。
また、他の人の文書を変更する際もベタ打ちに戻してから編集するとよいでしょう。

3 共有性

資料作成をする上で最も大事なことが「他の人が編集しやすいこと」です。
これさえ覚えていただければ本書の半分は理解していただけたと言っても過言ではありません。
基本的に資料作成は1人で完結するものではありません。必ず提出する上司がいたり、分担して共同で作業をする同僚がいるでしょう。
このとき、スペースキーを連打し、とりあえずの体裁を整えただけの資料は一文字編集するたびに砂の城のような速さで崩れ出してしまいます。
例えば、タイトルをドキュメントの真ん中に持ってきたいとき、スペースキーを10回も押してえっこらしょ、と文字を移動させていませんか?
文末に「以上」と記載するとき、右下の端までスペースキーをカッカッカッときつつきみたいに連打していないでしょうか?

この連打によって知らない間に、誰か他の人が大変な思いをするのは嫌ですよね。
忙しいとき、ぱっと追記・修正できる資料はとてもありがたいことです。

「◯◯さんが作成した書類は、文字を書き換えても。追加や削除をしてもレイアウトが崩れずにとても使いやすい!」と言ってもらえるような存在を一緒に目指していきましょう。


段落・行間を理解する

見やすい文書にするにあたって、段落は非常に重要です。
小学校の頃、「お話しが変わるところで行を変えて、文字を下げてから書きましょう。」と教わったと思います。小論文の添削を先生にしてもらうとき、1マス空けていないと減点されましたよね。
しかし、この原則、ビジネス文書においては綺麗サッパリ忘れて下さい。
ビジネス文書では改行されたところが「お話の切り替わり」であり「段落」となります。
Enterを押すときは「段落が切り替わるときだけ」ということを覚えておきましょう。

もし、箇条書きで文頭を揃える必要がある場合は「Shift + Enter」が有効です。
Enterをそのまま押してしまうと、次の項目に移ってしまいますが「Shift + Enter」は段落を変えないまま、次の行に移ることができます。


こちらがEnterのみでの記載。

日時 11/1 12:00~
※開演30分前

こちらが「Shift + Enter」での記載です。

日時 11/1 12:00~
※開演30分前

同じ行間で記載するよりも、同じ項目内の内容は固まって記載することでより美しい文書に近づきます。

段落をマスターしたら次に意識したいのが行間です。
行間を全てスペースキーで再現してしまうとスペースキーの連打だけで時間が過ぎてしまいますし、編集する人がこの行間はスペースキー何個分なのか、などと数えながら編集しなくてはいけません。
例えば、先程も出てきた下記例の行間もスペースキーは使っていません。
代わりにTabキー使っています。tabキーは書式や半角、全角を問わず1回押すことで決まった行間を空けてくれるキーです。これを使うとスペースキーの連打無くして一発で行間を空けれるだけでなく、BackSpaceキーの一発で行間を消し去ることもできるのです。
半角のスペースキーで細かい空白を空けたい、といった場合では無い限り、行間を空ける際はtabキーを使うようにしましょう。

・行間Tabキー1回
日時 11/1 12:00~

・行間Tabキー2回
日時  11/1 12:00~


最後に

いかがでしたでしょうか。
本書は具体的なキーの使い方やショートカットキーについても多く紹介されていて、非常に参考になる内容となっています。
その中でもわたし自身が知らなかったことや、ビジネス文書をあまり書かない人であっても知っておいたほうがいい内容を抜粋して記載しています。
わたしも今後スペースキーに手が伸びた時、「これはスペースキーで正解なのか」を一度考えるようにしたいと思います。
もちろん、時と場合にもよりますが、読んでいただいたみなさんもぜひスペースキーを使わない生活を、楽しんで、実践してみて下さい。


      


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