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2024年7月のまとめと読書記録(含 立命館平和ミュージアム、京橋駅慰霊碑、山王美術館、お茶会)

月末まで授業みっちり、月曜祝日も授業で、早く休ませてえ~~と嘆きながら、でも昨年よりもずっと元気に、暑さにも負けず、お仕事に励んだ7月でした。

初旬には、家族で瀬戸内へ日帰り遠足。BIZEN中南米美術館や、長島愛生園を見学してきました。

その翌週には、U先生と、立命館平和ミュージアムへ。何年か改修をしていて、学生さんたちとの「遠足」にちょうどいいのに行けなかったのが、リニューアルオープンをしたので、やはり学生と校外学習をされるU先生と見に行きましょうということに。

企画展のガザ写真展が終わる直前に行ってきました。

ガザの写真展を見たあと、地下の常設展へ。

昔に行ったときには、所狭しと様々なものが展示されていたのですが、なんだかすっかりスタイリッシュ系を狙った雰囲気になっていました。

壁に直接、解説を転写?するスタイルで、展示物は激減。あんなにあった収蔵物はどこに??

土曜日だったからか、団体さんが来られていて、それを待ち構える学芸員課程の実習中と思われる学生さんや、ボランティアと思われるご年配の方々がこれまたたくさん。ワヤワヤガヤガヤと賑やかなこと。

賑わっていること自体は良いことだと思いますが、現物展示がなくなりすぎていたのはかなり残念でした。

感想を書いて貼り付ける壁とか、学習イベントができるようにしてあるらしきガランとした空間とかも最近の傾向を盛り込んだのかと思いますが、その分を現物展示に充てた方がいいのにと思いました。

月末には、法事で大阪へ。昨年は、ついでにベルリンの壁を見てきましたが、今年は、大阪大空襲京橋駅爆撃被災者慰霊碑に立ち寄りました。こちらも、大阪出身の学生さんが地元にある記憶と継承の碑として紹介してくれたことがあります。

大阪の京橋は、私の母方の出身地。母は、小さい頃に空襲に遭っています。たしか自分史の教室か何かで、そうした体験を文字に残していたように思います。

慰霊碑から徒歩5分弱ほどのところに新装開館した、山王美術館にも行ってきました。以前はホテルモントレの上の階にありましたが、今度は独立した美術館となりました。


山王美術館 外観


こちらも撮影はできなかったので、外観のみ。今回は、あまりピンときませんでしたが、アクセスが良く、雰囲気の良いところなので、企画展が変わったら、また行こうと思います。

そのほかには、なんとか時間をつくって、映画「ONE LIFE 奇跡が繋いだ6000の命」を観に行きました。とても感銘を受けました。おすすめ!

写真は、立命館平和ミュージアムに行った日の午後に、同じ時期に大学院生活を送った懐かしの面々とのお茶会。同志社関係者御用達のパパジョンズで。楽しかった!

7月の読書メーター
読んだ本の数:7
読んだページ数:1895
ナイス数:274

続 窓ぎわのトットちゃん感想
戦争のことを書いておかねばと数十年ぶりに書かれたトットちゃんの続編。あやうく一気読みするところをセーブして味わう。前半は戦時中の回想。非常に面白い。西洋風の豊かな暮らしをしていた黒柳家は、著名な音楽家の父が徴兵され、母と子になる。知人を頼って縁のない東北に疎開し、したことのない勤めや商売をして生活を成り立たせる母。終戦後は娘を私立学校に入れ、商才を発揮して資金を貯めて焼けた東京の家も建て直す。後半はトットちゃんがNHK専属女優になって売れっ子になっていく過程。こちらもテレビ創成期の様子が興味深い。
読了日:07月12日 著者:黒柳 徹子


パンプキン! 模擬原爆の夏 (講談社青い鳥文庫 E れ 1-201)感想
原爆投下の演習で全国49か所に落とされた模擬原爆パンプキンの存在を知って自由研究にする小5女子の話。滋賀県平和祈念館の図書コーナーで見つけた。模擬原爆は滋賀にも落され、大津市立歴史博物館には模型も展示されている。本書の舞台の大阪府東住吉区にも石碑があるそうだが、主人公がそうであったように、史実を知らなければそうしたものに目を留めることもない。本書はそのような知られざる模擬原爆による被害についてわかりやすく知らしめているだけでなく、日本の加害の歴史にも目を向けさせている。

ところで、広島での展示で模擬原爆に関心をもったという、ちょうど主人公らと同年代の神戸大院生が、神戸に落とされた模擬原爆の位置を特定すべく地元の人たちと探索、研究しているという。若い世代が80年近く判明していなったことを解明できるかもしれないと思うと、とても頼もしい。その彼は違うが、こうしたお話が児童の関心を引き出し、次代の研究者や継承者を生むこともおおいにあるのだろうなぁと思う。本書は「小学中級から」だが、高学年には物足りないように思うので、そう感じたお子さんにはぜひ独自に調査を進めてほしい。
読了日:07月20日 著者:令丈 ヒロ子,宮尾 和孝


「ない仕事」の作り方 (文春文庫 み 23-6)感想
さらっと楽しく読了。2022年に、みうら氏のコレクション展「マイ遺品展」を大山崎山荘美術館に見に行った。子どもの頃から情熱を注いで作ってこられた仏像のスクラップブックや、なんでまたこんなもんを…と思うほかないグッズ(水道修理業者のマグネットとか)を苦笑しながら見て回って、やっぱ変な人やなあとあらためて確認した。本書にさらさらっと書かれた、徹底して気になることを追求する姿勢や粘り強さには学ぶところがあった。でもやっぱ変な人やなあ!(笑)
読了日:07月23日 著者:みうらじゅん


打ちのめされるようなすごい本 (文春文庫 よ 21-4)感想
早逝された米原さんの書評集。以前にも読んだが、最近別の本で引用されていたので再読。中身はほとんど忘れていたので、気になる本に細かく付箋。たくさん林立した。それにしても恐ろしい読書量。長く一日7冊ペースで読んできたとか。誤植じゃないのか? そこらへんのスカスカの自己啓発本とか小説とかじゃなくて、どれもどっしり深刻そうなものばかりなのに。本書のタイトルはそのまま、この本のことを指しているよなあ。惜しいなあ。もっと長生きして、たくさんの本を書いて欲しかったなあ…(涙)

ただし、本書の前半の「読書日記」部分と後半の短めの書評とは、わりと重なっているものがある。
読了日:07月23日 著者:米原 万里


戦下のレシピ――太平洋戦争下の食を知る (岩波現代文庫)感想
1940年代の婦人雑誌『婦人之友』『主婦之友』『婦人俱楽部』に載った料理のレシピを通して、戦争中の食の世界へ読者を誘います。ていねいな調査にもとづく実証にユーモアと鋭い批判を散りばめた、読みやすくも刺激的な一冊。関西ウーマン信子先生のおすすめの一冊で取り上げました。斎藤美奈子さんの本はどれもこれも面白くて、いつかどれかを紹介したいと温存していました。8月だからというわけではなく、おすすめ!
読了日:07月27日 著者:斎藤 美奈子


シベリアのトランペット もうひとつの「抑留」物語感想
新宿の平和祈念展示資料館の企画展示「極限下のエンターテイメント シベリア抑留者の娯楽と文化活動」で知った本の一冊。収容所や刑務所のような場所でも、いやそういった場所でこそ、人は娯楽や芸術を求めるようで、各地の関連施設を巡っていると必ず盤上のゲーム類(チェスや囲碁や将棋)や楽器、文芸、手工芸が展示されている。本書は、極東のライチーハ収容所で結成され、評判になった楽劇団の関係者を訪ねてまとめたもの。この収容所は所長らの運営方針が優れていたようで、浴場なとの衛生施設なども整備されていた。

ブログに詳しく記録。
読了日:07月30日 著者:岡本 嗣郎


母アンナの子連れ従軍記 (光文社古典新訳文庫 Aフ 7-1)感想
先日読んだ『編集者の読書論』で知って。舞台は30年戦争時代、父親の違う3人の子を連れて、従軍商人として幌車一つを引きながら欧州中を回る「度胸アンナ」の物語。勇敢な息子を軍隊に、正直な息子も軍の会計係にとられ、幼少期のトラウマで口がきけなくなった娘と2人になる。娘や、知り合った従軍牧師や軍隊の料理人、娼婦らと助け合いながら戦乱の世をなんとか生き抜こうとするが…ナチから逃れて亡命生活を送りながら創作活動を諦めなかったブレヒトの戦争への皮肉が効いている。なお、これまでの邦題は『肝っ玉おっ母とその子どもたち』。
読了日:07月31日 著者:ベルトルト ブレヒト

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