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2024年6月のまとめと読書記録

6月は、月初めにU先生と「ロシア・東欧地域研究」受講生さんとでピースおおさかに行って展示を見たり映画を鑑賞したりしたあとは、授業と、たまった記録や論文の執筆に専念すべく、おとなしくしていました。

そのわりには、なんでだろう、本もあんまり読めてないし、論文も7月初旬の〆切は見送り… ( ノД`)

毎日毎日まじめにストイックに生きていたのに。

ま、でも、論文はかなり進めてあるし、すぐ9月に〆切があるから、より良いものを出すんだ! 

過去2年も、6月はガクンとインプット・アウトプットが減っている時期。祝日もなく、大雨かと思えば、カアーーーッと照りつける日差しにやられた学生たちが、「体調不良で~」「高熱が出て~」と次々大量に休んでいく状況下、寝込まずサボらず、よく耐え抜いた! と自分で自分を大目に見るとします。

と、この記録を書いている時点で、すでに7月半ばをとうに過ぎているのでした。でもまだ10日ある! (;´∀`)


6月の読書メーター
読んだ本の数:7
読んだページ数:2235
ナイス数:198

ジェンダー目線の広告観察感想
私たちの視界には大量の広告が入りこんでくる。一つ一つは短期間で新しいものに取り替えられてしまうはかない存在だが、その圧倒的な情報量で、私たちにさまざまな価値観を擦りこむ。本書は、公共の空間における女性や男性の身体の表象を、とくに広告を対象にしてフィールドワーク(観察)し、分析する。広告に社会や経済の状況が反映されていることに気づかせてくれる一冊。関西ウーマン信子先生のおすすめの一冊で取り上げました

読了日:06月02日 著者:小林美香

本屋のない人生なんて感想
人口や書店が激減していくなか、個人書店を継続させたり、新たに開店したりする書店主たちを訪ねた記録。地域に根差した、人々が集まる場所になっている書店の話が良い。他のところで見聞きしたことのある有名書店主の話も多い(それらは若干流し読みしてしまった)。
読了日:06月07日 著者:三宅玲子

ウクライナ侵略を考える 「大国」の視線を超えて感想
ロシアによる2022年のウクライナ全面侵攻をめぐって、左派系活動家や護憲・平和を標榜する人たちがロシアを擁護する言説を展開することにショックを受けた著者は、2年かけてウクライナに関する研究書や論文を読み漁り、それらの言説の錯誤、偏見、驕りを分析し反論する本書を出した。たいへん興味深く読んだ。ところで、著者が書いているわけではないが、露やウ界隈の研究者の世界では、世代間でこの問題への態度の違いがあるようにも感じるがどうだろう。
読了日:06月18日 著者:加藤直樹


同胞: リトアニアのホロコースト 伏せられた歴史感想
著者は舞台芸術学者。親戚も関わっていたらしいと知り、リトアニア人によるユダヤ人殺しを究明する活動を始める。歴史家による研究はあったものの、一般にはあまり知られてなかったそうで、激しい反発と議論を巻き起こしたらしい。公文書に記された事実や証言から編集された部分と、リトアニア出身のユダヤ人ナチハンターとともに国内のホロコーストの現場を30~40ヵ所車で回り、当時を知る人たちからの証言を得ていく取材の旅の部分からなる。訳注が本文中に埋め込まれているので大変読みやすくわかりやすい。一晩で一気読みしてしまった。
読了日:06月19日 著者:ルータ・ヴァナガイテ,エフライム・ズロフ


鉄路の果てに感想
著者の『「南京事件」を調査せよ』『殺人犯はそこにいる』が大変面白かったので。こちらもそうした感じの調査報道かなと思ったが、旅行記寄り。著者の亡くなった父(シベリア抑留を経験)の足跡を訪ねる旅をしながら、日本とシベリア鉄道、日本の大陸侵略について考える本。史実に関する部分も勉強になるが、同行者との楽しげ(ときどき不安げ)な旅の描写部分が印象に残る。古い「世界の車窓から」のシベリア編を見返したくなった!
読了日:06月20日 著者:清水 潔


アリスの奇跡: ホロコーストを生きたピアニスト感想
ナチ・ドイツのテレジーン収容所を生き延びたピアニスト。綺羅星のような文化人たちとのエピソードがとても面白い。とくにカフカとはかなり懇意だったようで生き生きと語られる。若くして演奏家として活躍していたアリスは収容所でも演奏をすることが許された。それが功を奏したのか幼い息子とともに解放までテレジーンに留まることができたが、母や夫は失った。戦後はイスラエルに渡り、ピアノ講師として活躍する。音楽家として大成した息子夫婦と暮らすため、高齢になってから渡英、100歳を超えても毎日数時間練習を欠かさず生き切った。
読了日:06月23日 著者:キャロライン ステシンジャー


編集者の読書論~面白い本の見つけ方、教えます (光文社新書)感想
著者は光文社古典新訳文庫を立ち上げた人なので、伝説の編集者や出版社、古典的名著がたくさん紹介されている。やわらかで温かみある文章は読み物としても面白く、ページをめくる手が止まらない。関西ウーマン信子先生のおすすめの一冊で紹介しました。こちらからどうぞ
読了日:06月26日 著者:駒井 稔


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