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2024年2月のまとめと読書記録

早や3月も半ばですが、ようやく2月のまとめです。

2月初旬、まずは作曲専攻で学んでいる上息子の新作発表会からスタート。夏休み頃からレクイエムの歴史を本と音源から勉強して自作の曲を作りました。合唱付きで、この日一番大きな編成。なかなか良い出来だったのではと思うのは親バカゆえか? でもコロナの制限がなくなったからか、大学として動画公開をしてくれなくなったのは残念。

その頃から、息子たちが風邪を引きはじめ、採点の祭典でヒーヒーな私や夫氏にもうつっていきました。

これまでなら、秋学期は少人数クラスばかりだったので成績をつけるのもあっという間だったのですが、今学期は200人ほどの大人数の講義科目を新たに開講したため、数日がかり。

出してもらった課題は、採点基準を定めて、すべて一つ一つ見ていきました。さらに、システムの問題で別ルートで出された課題を見落としていないかなどのチェックもして。最後の入力は、いまどきエクセルファイルからのインポートで一気にできるのですが、登録を取りやめたなどでズレが無いかなどなど、非常に神経を使います。クタクタになりました。(^_^;)

その200人講義の成績〆切日あたりから、風邪っぽい症状が出始めて、あんのじょう翌日に微熱。わかりやすく燃え尽きました。熱も上がらない、ゆるい風邪だったので、お布団で寝て、寝れなくなったら本を読んで、という感じで過ごしました。

初旬の連休は回復に努め、連休最終日に親子美術展巡り。大山崎山荘で藤田嗣治展を観て、


大阪中之島美術館でモネ展。どちらも面白かったです。


そして中旬からは、同僚の先生と、教育実践系の論考や報告を紀要に出すため、相談を重ねながら原稿を執筆しました。さらに、滋賀県平和祈念館に行ったり、背中の痛みにうぐぐぅ~となったり、カレル・チャペックの戯曲『ロボット』のお芝居を観に行ったりもしました。

と、なかなかよく働いたひと月でした。

3月は初~中旬に、自分が主催の映画上映会、原稿提出、上息子との旅行と予定満載です。そのあとは、研究や授業ネタになるような重い本たちを着々と読んで、たまっている旅行記やその他のアレコレをブログに更新していきたいです。あ、書類整理もしなくちゃ。今年度のことは今年度のうちに!(のつもり)

2月の読書メーター

読んだ本の数:9
読んだページ数:2178
ナイス数:324

ヒトラーの馬を奪還せよ ――美術探偵、ナチ地下世界を往く (単行本 )感想
これ、ほんと面白かった!一気読み!まるでスパイ映画のようなノンフィクション。爆撃で消滅したと思われていた巨大な馬の像が、実は70年もの間、秘密裏に保存されていて売りに出ているという情報を得た「美術界のインディ・ジョーンズ」の異名をとる著者が、その行方を追跡する。あまりに面白かったので関西ウーマン信子先生のおすすめの一冊で取り上げました。
読了日:02月03日 著者:アルテュール・ブラント


わたしの外国語漂流記: 未知なる言葉と格闘した25人の物語 (14歳の世渡り術)感想
英語をどう習得したかという経験も参考になるが、聞いたことのないような言語に出会って習得した人の話が面白い。そもそもそんな言葉があるなんてとか、現地の言葉の知識がほぼ0でも、そこの人が友好的に受け入れてくれればなんとか一緒に生活できるんだなあとか。こういうのを読むと、やっぱりがむしゃらにその言語の世界に没頭すること、それもある程度の期間をもつことが肝のよう。今その時間を持つのは厳しいから、コツコツやるとしよう。
読了日:02月09日 著者:松村圭一郎,佐久間裕美子,丸山ゴンザレス

ウィキペディアでまちおこし――みんなでつくろう地域の百科事典感想
ウィキペディアは検索でトップに出ることが多いので、地域の情報を項目立てすることで(出典をきちんと載せていれば)知られていないが貴重な情報を載せている埋もれた文献に行き着く可能性が高まる、消えゆく伝統や慣習が残せる可能性が高まる、地域おこしになる可能性がある、というのは、なるほどだった。そのためにウィキペディアに執筆する人を増やす活動を展開されている著者の熱意には感服する。実際、著者が書いた項目は質が高いと評価されているそう。とはいえ、
読了日:02月09日 著者:伊達深雪


一線の湖感想
水墨画の世界の魅力をたっぷりと教えてくれた『線は、僕を描く』の続編。水墨画とその師匠に出会うことで心を開き、外界と関わるようになった主人公だったが、家族の死で負った深い心の傷は未だ癒えていなかった。続編は心痛むプロローグから始まり、泣かせる名場面を迎え、辛すぎる一つ目の山場を迎える。我慢を強いる中盤のあとの二つ目の山場の緊迫感ある描写がすばらしい。真摯で丁寧な表現、現実味を増した筋書きで、前作よりもさらに優れた小説になっているように思う。読後思わず、お正月から出しっ放しのお習字セットで絵を描いた(笑)
読了日:02月10日 著者:砥上 裕將

ヨーゼフ・ロート ウクライナ・ロシア紀行感想
『ラデツキー行進曲』が面白かったロートによる見聞記。1920~28年頃に新聞に連載していたものを抜粋したもの。ソ連の最初期の雰囲気が伝わる。新しい国ソ連の可能性に期待し、評価しているような文章もあれば、早くも蔓延する検閲と表現の自由の制限に失望している文章もあって興味はつきない。が、文章によってはなかなか難しい。この時期の様子を知るのに学生と読もうかと思ったが、この本だけでは厳しいかな。それはともかく、ロートはユダヤ人でツヴァイクとも友人だったとのこと。ほかもまた読もうっと。
読了日:02月14日 著者:ヨーゼフ・ロート

平和を考える 戦争遺産図鑑 (ヘイワヲカンガエルセンソウイサンズカン)感想
図書館の児童書室で発見した大きくて立派な写真集。たしかに子どもでも理解できる、わかりやすい言葉づかいで説明されている。国内外の戦争の遺構がたくさん掲載されている。激戦地であった太平洋の島や、日本軍が住民を虐殺した中国などで今でも出てくる人骨の写真もある。
読了日:02月17日 著者:安島 太佳由

ロシア・ノート:アンナ・ポリトコフスカヤを追って感想
ソ連時代の大飢饉を取り上げた『ウクライナ・ノート』の著者による。本書ではチェチェン問題の実態を明らかにしようとして暗殺されたロシアのジャーナリストについて。前著よりも絵やデザインが洗練されている。が、内容は前著にもまして衝撃的。チェチェン紛争時に起こっていた民間人への暴力、略奪、拷問。そうした行為を拒否した兵士へのむごたらしい懲罰。取材を続けるポリトコフスカヤ自身への脅迫、拘禁…あまりに酷くて何度か本を閉じてしまう。残虐行為に染まって暴力が止まらなくなることをチェチェン・シンドロームというそう。
読了日:02月17日 著者:イゴルト(Igort)

アウシュヴィッツの画家の部屋感想
アウシュヴィッツにあった「収容所美術館」と画家たちについて。小さくて薄くて字の大きな本だが、ほおおという事実や情報がいろいろ書かれている。ブログに記録。八ヶ岳山麓にあるフィリア美術館にケーテ・コルヴィッツやミェチスラフ・コシチェルニアクらの作品があるとのこと。行きたいなあ。昨夏、知っていれば、甲府に行くときに寄れたのになあ~~何かと合わせて、またいつか行こうっと。
読了日:02月19日 著者:大内田 わこ


女性が科学の扉を開くとき: 偏見と差別に対峙した六〇年 NSF(米国国立科学財団)長官を務めた科学者が語る感想
著書は、女子が自然科学の分野に進むことすら拒まれることが多かった時代から最前線で道を拓いてきた。「人類の100%の最良の結果は50%のそれより優れている」という信念のもと、女性科学者やマイノリティのキャリア形成のためにも奔走。先入観や「常識」を打ち破ったコレラ菌の研究や、炭疽菌テロ事件の解明に携わった日々などを綴った章もエキサイティング! 関西ウーマン信子先生のおすすめの一冊で取り上げました。
読了日:02月27日 著者:リタ・コルウェル,シャロン・バーチュ・マグレイン

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