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映画「黒い司法 0%からの奇跡」(2019年)

8月後半は4年ぶりに海外に。長いフライトの(唯一の)楽しみは映画鑑賞です。

これまで、研究対象の地域(東欧とその周辺)に関連のある映画をちょこちょこ観れていたので、今回はどうかなと期待していましたが、残念ながら私のテーマに合いそうなものはなし(多分)。「ナワリヌイ」はもう見たし…

でも、司法とか歴史的発見とかといった史実に基づくヒューマンドラマを選んで観てみたら、それがどれも面白くて大当たりでした!

行きは深夜便だったので1本、帰りは日中の便で眠くならなかったので立て続けに3本、観ることができました。

順に記録していきます。

1本目は、アメリカは1980年代のアラバマが舞台の「黒い司法 0%からの奇跡」(原題は Just Mercy)。

行きの飛行機で観た映画「黒い司法」の画面 端的すぎる説明文(;´∀`)

名門ハーバード大学を出た若き黒人弁護士ブライアン・スティーブンソン(実在の人物)が、いまだ黒人差別が強く残るアラバマに赴任し、(主に)黒人死刑囚の冤罪をはらす物語です。

ろくな物証もないのに、司法取引で誘導されて得た証言を根拠に、まったく罪のない黒人青年が死刑判決を受けてしまう理不尽。囚人との面会に来た主人公が被る侮辱的な扱い。弁護士の調査を阻む警察や検察。1980年代でもこんな状況だったのかと愕然とします。

主人公の粘り強い調査や説得、誠実な語りかけが、徐々に人々の心を開いていき、隠された事実が明らかになっていく過程はスリリングで、そして感動的です。

アラバマと言えば、「アラバマ物語」。白人弁護士が無実の罪を着せられた黒人を弁護する名作ですが、この作品のなかでも、記念館があるから行ったら?と、主人公が白人たちに何度も勧められます。

「アラバマ物語」は1930年代の話ですが、「黒い司法」は1980年代。50年経っても変わっていない。

そして、2020年代の今も、冤罪で死刑になってしまう黒人は後を絶たないとのこと。

主人公のモデルの弁護士は、今でも弱い立場の人たちを救う活動を続けているそうです。著書(そちらも邦題は『黒い司法』)が翻訳されているので、ぜひ読みたいと思います。

ところで、私はアメリカ映画をほとんど観ないので、そして俳優の顔を判別するのが大の苦手なので、今回の作品も先入観なしに観ましたが、主演(マイケル・B・ジョーダン)も助演(ジェイミー・フォックスなど)も、とても良い演技だったと思います。

横の息子はアメコミ映画が好きなので、主な俳優が誰だかわかっていたようですが、私はまったくわからず。集中できて良かったかも? ( ´∀` )

ということで、おすすめの一本となりました。

以下は、(思い出せた)これまでに飛行機で観た映画たち。


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