買い物に行く

良人はあまりご飯を食べません
わたしの料理の腕がまずいのか
柿の種をぽりぽり小動物のように
むさぼっている
おさかなソーセージも好みらしい
いつの間にか
二本も減っている
良人は煙草を買いに行く以外
買い物には同行しない
最初は寂しかったけれど
今は気が楽
一人のスーパーマーケット
一人のショッピングモール
一人のデパートメントストア
本当に気が楽だ
購入した荷物たちが
肩に食い込んで痛くとも
相手に気を使って見たいものも見られないなんて
不自由ではありませんか
わたしはわたし
買い物に出ている時間
ほんとうの自由を感じる
どうせ家に帰っても
おかえりの一言もないのですもの
それでも頼まれたあずきバーは買ってってやるか
それだけが愛情のひとかけら
溜息一つ吐いて
ドアを開ける瞬間が一番嫌い

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