詩 登壇者

拳を振り回し
頭に鉢巻をしめた
登壇者が
つばを飛ばしながら
夢見がちな未来を
がなっている

これは白昼夢か
これぞ時代錯誤
警察官がそこらを
彷徨いている
制服姿で圧倒
登壇者は黙らない

ぱふぉーまんすですな
彼が何を伝えたいのか
私等には判りませんな
金持の爺さん共が嗤う

僕達はいつの間にか
両手の拳を固めて
天に突き上げて
咆哮していた
涙が溢れてくる
力が満ちている

くーでたーくーでたーくーでたー
この国を変えるためいざ立ち上がれ！

その時銃声が響き渡る
登壇者が崩れ落ちる
群衆は悲鳴をあげて
銘々ちりぢりになっていった
僕の熱もすっかり冷め
首を振って家路についた

なにもかわらない？
なにもわからない
なにもかわらない？
なにもわからない