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ビートたけし兄 北野大さん、今は所沢で新風を

※所沢市の(有)ケイテックさんが発行する「くらしPress」に掲載された取材記事をご紹介します。

映画監督でタレントの北野武(ビートたけし)さんの兄で、驚異の高視聴率を誇った大橋巨泉の「クイズダービー」などのバラエティー番組や情報番組のコメンテーターとして、かつてテレビで活躍した北野大 (まさる)さん。

本業は学者で、専門は環境化学。現在、淑徳大学名誉教授で、所沢市にある秋草学園短期大学の学長に就任しています。今年(2020年)78歳ですが、東京・足立区から所沢まで週5日間、片道約2時間かけて電車で通い、教育者として科学者の目線も用いて、パワフルに所沢でも新風を巻き起こしています。

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 秋草学園は昨年70周年を迎えた伝統校。短期大学は、約1000人の学生が在籍し、保育士や幼稚園教諭などを目指す学科と文系学科を備え、今年で41年になります。北野学長のモットーは「学生ファースト」。学長に就任した2017年、所沢市が秋草学園と「官学連携に関する基本協定」を結びました。学生たちが市のさまざまなイベントにボランティアスタッフとして参加するなど、秋草学園の学生たちの地域交流や活躍が際立つようになりました。北野学長は、「うちは所沢に根差した学園なので、地域活動は特に力をいれています。そもそもボランティア活動というのはGiveの一方通行だけではないんですよ。学生たちも得るものが大きんです。達成感、会話能力の向上など、これから社会に出ていく学生にとって、備えたい要素が満載です」と話します。

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[写真:所沢市の恒例イベント「サンタを探せ!」に秋草学園の学生ボランティアたちと共にイベント会場で]

 一方、北野学長は、科学者としての側面ものぞかせます。「今の情報化社会で大事なことは、エビデンスに基づいた正しい情報を集め、それを考え、自分で判断できる能力」と話します。「例えば、農薬や合成洗剤、食品添加物をどう考えるかも保育士や幼稚園教諭が現場で直面する問題でもあるんですね」。このような問題に関して、学生に考える場を提供しようと、企業の研究者や団体、国の機関の専門家らに声をかけ、学生が参加するシンポジウムを昨年の「秋草祭」で企画。しかし、台風で中止になり、今年もコロナ禍で開催を断念。「正しい情報で考え『正しく怖がる』ということが大事なんですよ。近いうちに機会をみつけて公開講座などを開催したいですね」

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 また近年の環境問題について、「これからは、基本は再生可能な資源に変えていく必要があります。海洋汚染のマイクロプラスチックという問題も分解しないのが問題です。従来の石油を使ったプラスチックの代替として、アルコールから乳酸を発酵させてつくるPLA樹脂(ポリ乳酸)のような素材に変えていかなくてはいけないですね。多少高価でも、自然素材など長持ちして再生可能な素材を生活に取り入れる工夫が必要ですね」。と話します。

 コロナ禍で今年は春から通常の授業形態が行えないながらも、「学生の安全第一を考え、最大限、学生たちに学びと体験の場を提供したい」と学長自ら奮闘中です。

【北野大プロフィール】1942年生まれ 秋草学園短期大学 学長 淑徳大学名誉教授 所沢市上下水道事業運営審議会 委員長。過去に、経済産業省・化学物質審議会委員、環境省・中央環境審議会委員、残留性有機汚染物質(POPs)に関するストックホルム条約専門委員などを歴任。

取材先: 秋草学園短期大学
  所沢市泉町1789番地/☎(TEL) 04-2925-1111(代表)

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※所沢市の(有)ケイテックさんが発行する「くらしPress」に掲載されました

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