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「紙芝居ひろしちゃん」


※所沢市の(有)ケイテックさんが発行する「くらしPress」に掲載された取材記事をご紹介します。


所沢を中心に今、「紙芝居ひろしちゃん」が話題になっています。

臨場感あふれる美声で1 枚の絵から、想像力をかきたてさせ、デジタル映像にはない笑いと感動を生みます。

「紙芝居ひろしちゃん」の本名は、伊藤博さん。2016 年から奥様の範子さんとデイサービスで紙芝居をボランティアで開始。その上演が評判を呼び、昨年の依頼数は、高齢者向け、子供向け、イベント向けを合わせて24 回で、計約900 人近くの人が伊藤さんご夫妻(下写真)の紙芝居を楽しみました。

伊藤博さんと範子さん

「紙芝居屋さん」は昭和初期の子供たちの娯楽。1950 年代以前生まれの高齢者にとっては懐かしい光景です。高齢者の懐かしむ感情を引き出す方法は、「回想法」といわれ、認知症のリハビリなどに用いられています。伊藤さんご夫妻の紙芝居は小道具も使い、「懐かしさ」を表現するだけでなく、『愛染かつら』『瞼の母』『黄金バット』など大人向けの作品も演じ、笑いと感動も巻き起こします。

早期退職で、まちのボランティア活動

 伊藤さんのボランティア活動のはじまりは10 年前。35 年以上にわたり東村山市の職員だった伊藤さんは、市民課をはじめ、健康、障がい者福祉、介護、子育て、ゴミ処理など、生活に直結する業務を歴任。要職を担っていく中、「行政に足りないところは、市民でも知恵を出せばできることがあるはず。ボランティアからやり直したい」と定年前の57 歳で早期退職しました。

退職後すぐにホームヘルパー2 級を取り、それまでに取得していた福祉住環境コーディネーター、手話通訳士、社会福祉主事任用資格などの知識と技術を生かし、「福祉のまちづくりコーディネーター」として、自身が住む所沢市内で高齢期の住まいづくりや福祉のまちづくりについての相談会や講演会活動を重ねました。

 その熱意が地域の輪を育み、賛同や協力する仲間が増えました。高齢期の住まいに関する心配事を解決するためには、福祉・医療・建築などの知恵を統合的にとらえることが必要と、福祉職、介護職をはじめ、建築士、行政書士などの専門職が集う「NPO法人 ところざわ福祉の住まいづくりをすすめ
る会」
(通称:NPO とこすま)を2013 年に設立。

 その後、伊藤さんの体に異変が。2015 年、小腸に悪性リンパ腫が見つかり、1 年間の闘病生活を送りました。活動復帰のリハビリとして、これまでの地域のつながりの中でチャレンジしたのが「紙芝居活動」だったのです。伊藤さんご夫妻は「紙芝居は、ダイレクトに観客の反応が返ってくるので
ポジティブな気持ちにさせてくれる活動」
と話しています。

 今年2 月から、コロナ禍で地域活動を自粛していましたが、所沢市社会福祉協議会が示した感染対策と地域活動再開のガイドラインを参考に、7 月13 日から徐々に再開しています。 

【(有)ケイテック 「くらしPress vol.1 」2020年9月号掲載】

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