Chefs for the Blue

シェフと共に 学ぶ、考える、伝える 豊かな海と食文化の守りかた トップシェフとジャー…

Chefs for the Blue

シェフと共に 学ぶ、考える、伝える 豊かな海と食文化の守りかた トップシェフとジャーナリストがタッグを組んで、海の未来のために活動しています。 https://chefsfortheblue.jp/

マガジン

  • レポート

    勉強会や現場視察のレポートをまとめています。

  • メンバーシェフインタビュー

    Chefs for the Blueで活躍するシェフたちのプロジェクトへの想いを紹介します。

  • コラム

    私たちの活動の意義や思いをコラムにまとめました!

最近の記事

  • 固定された記事

メンバーインタビューVol.1 カンテサンス 岸田周三

10年以上前から海の異変を感じていたという「カンテサンス」 岸田周三シェフ。 「年々、魚が小さくなって品質も悪化し、注文しても『ない』と言われることが多くなりました。なぜだろう、何が起きているんだろうとずっと考えていました」 2017年からChefs for the Blueの勉強会に参加すると、異変は日本近海で顕著であること、その大きな要因に、乱獲という人為的なものがあることを知りました。 「驚くと同時に、そういうことだったのかと腑に落ちました」 それまでは何も考え

    • 「やさしーフード!北海道ほたてフェア」に込めるシェフの思いとは

      9月17日から始まった、「やさしーフード!北海道ほたてフェア」。 参画してくださった3人のシェフが今回のフェアに込めた思いを、それぞれご紹介します。 LATURE / MONICA オーナーシェフ 室田拓人氏 日本の海で魚が減少し、価格が高騰していることに気づいている人も多いのではないでしょうか。このままでは食べられる魚がさらに減り、食卓から魚が消えてしまうかもしれません。この状況を変えるために、料理人の僕たちから意識を変えていかなければならないと思っています。 一人一

      • 100年後も魚を食べ続けるために。レストラン「あおのいま」が残した3つのメッセージ

        プロローグ「ディストピア魚屋」 「いらっしゃいませ、ようこそレストラン『あおのいま』へ。まずはこちらをご覧ください」 ここは、全国から選抜された学生達が「海の未来をつくるレストラン」を企画・運営する3ヶ月プログラム、「THE BLUE CAMP / ブルーキャンプ」東京チームのポップアップレストラン会場。 階段をあがった先に待ち受けたのは、「ディストピア」と名付けられた魚屋でした。魚の姿はなく、置かれた発泡スチロールには、「マイワシ89%減」「サンマ96%減」などと書か

        • 北海道ぎょれんさんとタッグを組んだ「やさしーフード!北海道ほたてフェア」を開催します

          北海道漁業協同組合連合会(以下:北海道ぎょれん)さんと、タッグと組んだ新企画がスタート! https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000018.000064142.html 皆さん、北海道ほたてがサステナブルって知っていますか? まず、日本のホタテガイ生産量は、2000年以降年間約50万トンと高い生産量を維持し、2023年時点でマイワシに次いで国内で2番目に多く生産されている魚種です。 そんなホタテガイが食べるのは、海中の植物性プランクト

        • 固定された記事

        メンバーインタビューVol.1 カンテサンス 岸田周三

        • 「やさしーフード!北海道ほたてフェア」に込めるシェフの思いとは

        • 100年後も魚を食べ続けるために。レストラン「あおのいま」が残した3つのメッセージ

        • 北海道ぎょれんさんとタッグを組んだ「やさしーフード!北海道ほたてフェア」を開催します

        マガジン

        • レポート
          5本
        • メンバーシェフインタビュー
          12本
        • コラム
          3本

        記事

          メンバーインタビューVol.12 八雲茶寮 梅原陣之輔

          2006年のオープンから8年間、梅原さんが料理長を務め、現在も顧問を続けている「坐来大分」。レストラン型アンテナショップの先駆けである同店では、料理人もサービスマンも「語り部」として大分の魅力を伝える役割を担ってきました。そこで梅原さんが大切だと感じていたのは「純粋性」だと言います。大分の気候風土を愛する気持ち、生産者へのリスペクト、そして食材のすばらしさをお客様に知ってもらいたいという強い思い。 中でも梅原さんにとって特別な思い入れがあったのが、関アジと関サバです。瀬戸内

          メンバーインタビューVol.12 八雲茶寮 梅原陣之輔

          「獲らない努力で日本一」 キンメダイを次世代につなぐ外房漁師の取り組みとは

          6月某日、メンバーシェフとともに、千葉県外房地域(御宿町、勝浦市、鴨川市)の小型漁船漁業を営む漁業者によって組織された千葉県沿岸小型漁船漁業協同組合さんを訪問し、キンメダイの資源管理の取り組みについて教えていただきました。 千葉県はいかにしてキンメダイ漁獲日本一になったのか 上のグラフは、主要地域のキンメダイの漁獲実績です。長らく日本一の漁獲をしていたのは、グラフ青色の静岡県。一方の千葉県(グラフの赤色部分)は、多少の増減はあるものの、安定した漁獲量を維持し続け、他県が軒

          「獲らない努力で日本一」 キンメダイを次世代につなぐ外房漁師の取り組みとは

          「おいしい!」から学ぶ イワシを食べる意味

          パタゴニア プロビジョンズの協力のもと開催された、第3回「THE BLUE DINING」。 今回は、C-Blueのメンバーシェフである「ドンブラボー」オーナーシェフの平 雅一シェフと、パタゴニア プロビジョンズ ディレクターの近藤勝宏さんと共に、「美味しくイワシを味わおう!」をテーマに食物連鎖の下位に位置する魚(小型魚)を食べる重要性について、語り合いました。 なぜイワシを語り合う会なのか?~イワシは日本人にとって身近な魚~ 日本人にとって身近な魚のひとつ「イワシ」。令

          「おいしい!」から学ぶ イワシを食べる意味

          カツオ漁を未来へつなぐ廻船問屋~ サバの街からカツオの街へ 変化を遂げた勝浦 ~

          6月某日、メンバーシェフとともに、多くのカツオ漁船でにぎわう勝浦漁港に視察に行ってきました。 迎えてくれたのは、日本で一番多くの生鮮カツオを扱う廻船問屋、(株)西川の齋藤広司さん。テンポのよい水揚げ、威勢のよい競りといった臨場感あふれる勝浦漁港にて、勝浦でのカツオの水揚げの歴史や、漁法の進歩、カツオ漁が抱える課題とこれからについてお話いただきました。 海と陸の架け橋 『廻船問屋』とは さかのぼること、約160年前、江戸後期(文久年間)に『廻船問屋』として創業した、株式会

          カツオ漁を未来へつなぐ廻船問屋~ サバの街からカツオの街へ 変化を遂げた勝浦 ~

          メンバーインタビューVol.11 レストランMOTOÏ 前田 元

          2012年に「MOTOÏ」をオープンするにあたり、ひと月程、京都中央卸売市場に通い詰めたという前田元シェフ。「その中で一番変わった魚を置いていたのが、今も取引をさせてもらっているシーフーズ大谷さんです」。「シーフーズ大谷」は江戸時代から続く卸商で、セリで落とした魚以外にも、日本各地の漁港から直接仕入れた魚を多く扱っています。 「京都は和食のお店が多いので、市場で売られている魚種にも偏りがあります。でも大谷さんは、京都では値がつきにくいマイナーな魚でも地方からどんどん引っ張っ

          メンバーインタビューVol.11 レストランMOTOÏ 前田 元

          勉強会レポート:サバの場合〜漁業者・料理人・消費者が共に考える資源管理のあり方~

          6月12日(水)、Chefs for the Blue京都チームはサバをテーマに勉強会を開催。メンバーシェフ、ブルーコミュニティメンバー(https://community.chefsfortheblue.jp/about)に加え、京都・大阪の一流ホテルのシェフの皆さん約30名が参加しました。 ゲストとして、魚屋でありながら全国各地で水産業の改革に向けて取り組む「フィッシャーマンジャパン・マーケティング」の代表取締役社長でもある、津田祐樹さんをお招きし、サバの資源管理が抱え

          勉強会レポート:サバの場合〜漁業者・料理人・消費者が共に考える資源管理のあり方~

          メンバーインタビューVol.10 ラぺ 松本 一平

          10周年という節目に合わせ、最近、店をリニューアルしたという「ラペ」の松本一平さん。コックコートからエプロン姿に。店内も器も、より「和」を感じさせる装いに一新しました。 「今まで以上に“日本ならではのフランス料理”を前面に出していこうと。レストランを続けていくには、攻めの姿勢が大事だと思っているんです。お客様に愛され続けるために、またスタッフのモチベーションを維持するためにも、常に進化し、アクションをおこしていかなければなりません」。 おだやかな物腰の奥に垣間見えた情熱は

          メンバーインタビューVol.10 ラぺ 松本 一平

          メンバーインタビューVol.9 Mr. CHEESECAKE 田村 浩二

          田村シェフは、次世代のフランス料理を担う若手シェフとして注目を集めながら、2018年に突然、レストランのシェフという立場から離れます。同時にチーズケーキのオンラインストアを立ち上げ、当初から注文の絶えない人気ブランドに。その傍ら、生産者支援を目的とするブランド開発やプロデュースを手掛ける事業の運営、ハイブランドのイベントでの料理提供など、経験や技術を生かし幅広く活動を続けています。 「食の未来を守りたい」――独立から半年ほどたった2019年5月、田村さんはそんな想いをSNS

          メンバーインタビューVol.9 Mr. CHEESECAKE 田村 浩二

          天然昆布の枯渇に対して私たちができること

          「天然真昆布が深刻な枯渇」というニュースを知ったのは、2021年夏の小さな新聞記事からでした。ちょうど7−8月の収穫期を終えた頃、紙面片隅の短い文字列を何度も目で追いながら、しばらく呆然としたことを覚えています。過去数年の減少傾向は知っていたものの、21年はほぼ「採れていない」という異常事態だったからです。 ユネスコ世界無形文化遺産として登録されている“和食”。その和食に必須である出汁(だし)は、鰹節や鯖節、鮪節、乾燥させたカタクチイワシ(いりこ)やトビウオ(あご)といった

          天然昆布の枯渇に対して私たちができること

          私たちが離島の漁業を応援する理由

          この夏からご縁をいただき、 離島経済新聞社 -The Archipelago News “Japan”- (NPOリトケイ)さんと、ある事業でご一緒させていただいています。それは、離島のお魚を使った商品開発。離島地域で揚がる魚のなかから低利用魚などを島ごとに一種類ずつセレクトし、それを素材として使ったスープを開発、レトルト化するという楽しいプロジェクトです。 「島の宝を未来につなぐ」ことをミッションに出版活動をされているリトケイさんと、「日本の豊かな海を取り戻し、食文化を未

          私たちが離島の漁業を応援する理由

          私が水族館でディナーイベントをしたかった理由/ Bistroえのすいを終えて

          首都圏在住なら、”えのすい”こと新江ノ島水族館をご存じの方は多いのではないでしょうか。10月15日(日)の営業終了後、このえのすいのメイン展示「相模湾大水槽」前に、12台のダイニングテーブルが並びました。 一日限りの水族館レストランにお迎えしたのは、約50名のお客さま。江ノ島片瀬漁協に水揚げされた魚を使い、2人のシェフ(【御料理ほりうち】堀内さやかシェフ/【Mr. CHEESECAKE】田村浩二シェフ)が調理したフィンガーフードを召し上がっていただきながら、水族館×漁師×シ

          私が水族館でディナーイベントをしたかった理由/ Bistroえのすいを終えて

          メンバーインタビューVol.8 ドンブラボー 平 雅一

          コロナ禍を経て頻度はずいぶん減ったものの、以前から料理人仲間と様々なテーマで勉強会を開いているという平シェフ。営業が終わってから1時間以上かけて都心に向かい、解散は深夜、はたまた朝まで飲んで語り合う。勉強会は出会いや発見の場であり、純粋な楽しみでもあるとか。Chefs for the Blueの会も、シェフ仲間に誘われて何気なく足を運んだのが最初でした。 それは、海の異変を感じ始めた時期でもありました。得意料理に使っていた秋刀魚や桜えびが手に入りづらくなってきた。他の魚も旬が

          メンバーインタビューVol.8 ドンブラボー 平 雅一