Chefs for the Blue

シェフと共に 学ぶ、考える、伝える 豊かな海と食文化の守りかた トップシェフとジャーナリストがタッグを組んで、海の未来のために活動しています。 https://chefsfortheblue.jp/

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  • レポート

    勉強会や現場視察のレポートをまとめています。

  • メンバーシェフインタビュー

    Chefs for the Blueで活躍するシェフたちのプロジェクトへの想いを紹介します。

  • コラム

    私たちの活動の意義や思いをコラムにまとめました!

最近の記事

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メンバーインタビューVol.1 カンテサンス 岸田周三

10年以上前から海の異変を感じていたという「カンテサンス」 岸田周三シェフ。 「年々、魚が小さくなって品質も悪化し、注文しても『ない』と言われることが多くなりました。なぜだろう、何が起きているんだろうとずっと考えていました」 2017年からChefs for the Blueの勉強会に参加すると、異変は日本近海で顕著であること、その大きな要因に、乱獲という人為的なものがあることを知りました。 「驚くと同時に、そういうことだったのかと腑に落ちました」 それまでは何も考え

    • 「船橋漁港視察(スズキ/コノシロ漁)レポート ~超都市型漁業が見据える未来の海~

      日本の海を学び、その未来を考えてきた、私たちChefs for the Blue(以下C-Blue)。 今回の漁港視察勉強会では、「超都市型漁業」である船橋漁港にお邪魔し、彼らが取組む持続可能な漁業を学ばせて頂きました。 株式会社大傳丸と流通企業である海光物産株式会社の代表を務める代表の大野和彦さん(TOP写真前列中央)にアテンド頂き下記スケジュールで見学を行いました。 8:00    漁港集合    メンバー自己紹介 8:30    瞬〆スズキの神経締めを見学 9:30

      • メンバーインタビューVol.14 チェンチ 坂本 健

        「料理を通じて伝えることが、『おいしさ』だけでよいのか」。 店のオープンから7年がたち、「たくさんのお客様に喜んでいただく」という目標地点にたどり着いたころ、ふとそんな風に考えるようになったと坂本さんは言います。 「うちで取り引きしている農家さんは、収量や効率よりも、環境への配慮や信念を大切にし、オーガニックや自然農に果敢に取り組んでいます。『あしたの畑』という食とアートの未来を考える活動で関わりのあるアーティストや工芸作家さんも、メッセージを明確に持って作品を作っている。

        • メンバーインタビューVol.13 ラ・ボンヌ・ターブル 中村 和成

          Chefs for the Blueの発足当初から活動に参加している「ラ・ボンヌ・ターブル」の中村和成シェフ。海の現状への理解が深まるにつれ、より多様な魚に目を向けるようになったと言います。特定の魚種にこだわらず使ったことがない魚を仕入れてみたり、信頼する仲卸にお任せでオーダーすることもあるとか。 「魚によっては骨の入り方が複雑だったりして、苦戦することもありますが、それも料理人として大事な経験だと思っています。馴染みの魚はリスクは少ないけど、面白い発見が生まれにくいし、個

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        メンバーインタビューVol.1 カンテサンス 岸田周三

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          4本

        記事

          「おいしい」食卓が、海の未来を作る。京都チームが作り上げた、体験型ポップアップレストランとは。

          「まだいけるな、もう1回、掛け声の練習しようや!」 「よろしくお願いしますっ」 「ありがとうございましたっ」 リーダーのりっきーの呼び掛けに続き、活気に満ちたあいさつが響く、営業前のレストラン『さざなみ』。3か月間自分たちが学んできたこと、感じたことを伝える準備は万端。お客様の来店を前に、外の熱気に負けないくらいチームの士気も高まっていきます。 ようこそ、レストラン『さざなみへ』 ここは、全国から選抜された学生達が「海の未来をつくるレストラン」を企画・運営する3ヶ月プ

          「おいしい」食卓が、海の未来を作る。京都チームが作り上げた、体験型ポップアップレストランとは。

          「やさしーフード!北海道ほたてフェア」に込めるシェフの思いとは

          9月17日から始まった、「やさしーフード!北海道ほたてフェア」。 参画してくださった3人のシェフが今回のフェアに込めた思いを、それぞれご紹介します。 LATURE / MONICA オーナーシェフ 室田拓人氏 日本の海で魚が減少し、価格が高騰していることに気づいている人も多いのではないでしょうか。このままでは食べられる魚がさらに減り、食卓から魚が消えてしまうかもしれません。この状況を変えるために、料理人の僕たちから意識を変えていかなければならないと思っています。 一人一

          「やさしーフード!北海道ほたてフェア」に込めるシェフの思いとは

          100年後も魚を食べ続けるために。レストラン「あおのいま」が残した3つのメッセージ

          プロローグ「ディストピア魚屋」 「いらっしゃいませ、ようこそレストラン『あおのいま』へ。まずはこちらをご覧ください」 ここは、全国から選抜された学生達が「海の未来をつくるレストラン」を企画・運営する3ヶ月プログラム、「THE BLUE CAMP / ブルーキャンプ」東京チームのポップアップレストラン会場。 階段をあがった先に待ち受けたのは、「ディストピア」と名付けられた魚屋でした。魚の姿はなく、置かれた発泡スチロールには、「マイワシ89%減」「サンマ96%減」などと書か

          100年後も魚を食べ続けるために。レストラン「あおのいま」が残した3つのメッセージ

          北海道ぎょれんさんとタッグを組んだ「やさしーフード!北海道ほたてフェア」を開催します

          北海道漁業協同組合連合会(以下:北海道ぎょれん)さんと、タッグと組んだ新企画がスタート! https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000018.000064142.html 皆さん、北海道ほたてがサステナブルって知っていますか? まず、日本のホタテガイ生産量は、2000年以降年間約50万トンと高い生産量を維持し、2023年時点でマイワシに次いで国内で2番目に多く生産されている魚種です。 そんなホタテガイが食べるのは、海中の植物性プランクト

          北海道ぎょれんさんとタッグを組んだ「やさしーフード!北海道ほたてフェア」を開催します

          メンバーインタビューVol.12 八雲茶寮 梅原陣之輔

          2006年のオープンから8年間、梅原さんが料理長を務め、現在も顧問を続けている「坐来大分」。レストラン型アンテナショップの先駆けである同店では、料理人もサービスマンも「語り部」として大分の魅力を伝える役割を担ってきました。そこで梅原さんが大切だと感じていたのは「純粋性」だと言います。大分の気候風土を愛する気持ち、生産者へのリスペクト、そして食材のすばらしさをお客様に知ってもらいたいという強い思い。 中でも梅原さんにとって特別な思い入れがあったのが、関アジと関サバです。瀬戸内

          メンバーインタビューVol.12 八雲茶寮 梅原陣之輔

          「獲らない努力で日本一」 キンメダイを次世代につなぐ外房漁師の取り組みとは

          6月某日、メンバーシェフとともに、千葉県外房地域(御宿町、勝浦市、鴨川市)の小型漁船漁業を営む漁業者によって組織された千葉県沿岸小型漁船漁業協同組合さんを訪問し、キンメダイの資源管理の取り組みについて教えていただきました。 千葉県はいかにしてキンメダイ漁獲日本一になったのか 上のグラフは、主要地域のキンメダイの漁獲実績です。長らく日本一の漁獲をしていたのは、グラフ青色の静岡県。一方の千葉県(グラフの赤色部分)は、多少の増減はあるものの、安定した漁獲量を維持し続け、他県が軒

          「獲らない努力で日本一」 キンメダイを次世代につなぐ外房漁師の取り組みとは

          「おいしい!」から学ぶ イワシを食べる意味

          パタゴニア プロビジョンズの協力のもと開催された、第3回「THE BLUE DINING」。 今回は、C-Blueのメンバーシェフである「ドンブラボー」オーナーシェフの平 雅一シェフと、パタゴニア プロビジョンズ ディレクターの近藤勝宏さんと共に、「美味しくイワシを味わおう!」をテーマに食物連鎖の下位に位置する魚(小型魚)を食べる重要性について、語り合いました。 なぜイワシを語り合う会なのか?~イワシは日本人にとって身近な魚~ 日本人にとって身近な魚のひとつ「イワシ」。令

          「おいしい!」から学ぶ イワシを食べる意味

          カツオ漁を未来へつなぐ廻船問屋~ サバの街からカツオの街へ 変化を遂げた勝浦 ~

          6月某日、メンバーシェフとともに、多くのカツオ漁船でにぎわう勝浦漁港に視察に行ってきました。 迎えてくれたのは、日本で一番多くの生鮮カツオを扱う廻船問屋、(株)西川の齋藤広司さん。テンポのよい水揚げ、威勢のよい競りといった臨場感あふれる勝浦漁港にて、勝浦でのカツオの水揚げの歴史や、漁法の進歩、カツオ漁が抱える課題とこれからについてお話いただきました。 海と陸の架け橋 『廻船問屋』とは さかのぼること、約160年前、江戸後期(文久年間)に『廻船問屋』として創業した、株式会

          カツオ漁を未来へつなぐ廻船問屋~ サバの街からカツオの街へ 変化を遂げた勝浦 ~

          メンバーインタビューVol.11 レストランMOTOÏ 前田 元

          2012年に「MOTOÏ」をオープンするにあたり、ひと月程、京都中央卸売市場に通い詰めたという前田元シェフ。「その中で一番変わった魚を置いていたのが、今も取引をさせてもらっているシーフーズ大谷さんです」。「シーフーズ大谷」は江戸時代から続く卸商で、セリで落とした魚以外にも、日本各地の漁港から直接仕入れた魚を多く扱っています。 「京都は和食のお店が多いので、市場で売られている魚種にも偏りがあります。でも大谷さんは、京都では値がつきにくいマイナーな魚でも地方からどんどん引っ張っ

          メンバーインタビューVol.11 レストランMOTOÏ 前田 元

          勉強会レポート:サバの場合〜漁業者・料理人・消費者が共に考える資源管理のあり方~

          6月12日(水)、Chefs for the Blue京都チームはサバをテーマに勉強会を開催。メンバーシェフ、ブルーコミュニティメンバー(https://community.chefsfortheblue.jp/about)に加え、京都・大阪の一流ホテルのシェフの皆さん約30名が参加しました。 ゲストとして、魚屋でありながら全国各地で水産業の改革に向けて取り組む「フィッシャーマンジャパン・マーケティング」の代表取締役社長でもある、津田祐樹さんをお招きし、サバの資源管理が抱え

          勉強会レポート:サバの場合〜漁業者・料理人・消費者が共に考える資源管理のあり方~

          メンバーインタビューVol.10 ラぺ 松本 一平

          10周年という節目に合わせ、最近、店をリニューアルしたという「ラペ」の松本一平さん。コックコートからエプロン姿に。店内も器も、より「和」を感じさせる装いに一新しました。 「今まで以上に“日本ならではのフランス料理”を前面に出していこうと。レストランを続けていくには、攻めの姿勢が大事だと思っているんです。お客様に愛され続けるために、またスタッフのモチベーションを維持するためにも、常に進化し、アクションをおこしていかなければなりません」。 おだやかな物腰の奥に垣間見えた情熱は

          メンバーインタビューVol.10 ラぺ 松本 一平

          メンバーインタビューVol.9 Mr. CHEESECAKE 田村 浩二

          田村シェフは、次世代のフランス料理を担う若手シェフとして注目を集めながら、2018年に突然、レストランのシェフという立場から離れます。同時にチーズケーキのオンラインストアを立ち上げ、当初から注文の絶えない人気ブランドに。その傍ら、生産者支援を目的とするブランド開発やプロデュースを手掛ける事業の運営、ハイブランドのイベントでの料理提供など、経験や技術を生かし幅広く活動を続けています。 「食の未来を守りたい」――独立から半年ほどたった2019年5月、田村さんはそんな想いをSNS

          メンバーインタビューVol.9 Mr. CHEESECAKE 田村 浩二