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ちーかま
2024年5月5日 00:07
京の市中を山南さんと巡回している時だった。俺は雨に濡れた桜の木の下で立ち止まった。花はとっくに散り、緑の葉が生い茂っている。「………」「土方くん、どうしたんだい?」「山南さん、アンタは散り際の桜を見た事があるか?」「あぁ…確か花の中心が赤くなっているような気がするね」「その通りだ。だったら桜の花の中心が赤くなる理由を知っているか?」「考えた事がなかったな…何故なんだ
2023年5月5日 00:07
俺、土方歳三は色の無い世界に居た。音も無い、静かな場所だ。微かに甘い花の香りが鼻をくすぐり、背中には柔らかな何かを感じていた。そうか…俺は死んだのか。辞世の句を読む暇もなかったな。皮肉な笑みを浮かべるものの、その顔を見る者も居ないようだ。遠くから俺の名を呼ぶ声が聞こえた。近藤さんだな。目を開けようとしたが、瞼はまるで縫い付けられたように動かない。体を起こそうとし もっとみる