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ロシアとチェチェン戦争関連年表

(2011年チェチェン連絡会議の作成、2022年9月11日補筆)

1682年   ピョートル大帝即位。帝政ロシアがコーカサスへの侵略を開始。
1834~
1861年   「コーカサス戦争」チェチェン人イマーム・シャミーリの反乱と       
      投降を経て終結。
1917年   ロシア革命。
1920年   ロシア赤軍がコーカサス入り。ソビエト政権に対する民衆蜂起が    
     発生。
1935年   チェチェン・イングーシソビエト自治共和国成立
1944年   スターリン、自治共和国を解体し、チェチェン・イングーシ全民          
     族50万人をカザフスタンなどに強制移住。半数が死亡。 
1957年   フルシチョフ、強制移住処分を撤回し、自治共和国を復活させ
     る。
1985年   ゴルバチョフ政権によるペレストロイカ政策が始まり、チェチェ
     ン人強制移住の実態がはじめて明らかとなる。
1991年   ソ連崩壊。チェチェン独立宣言。
1994~
1996年   第一次チェチェン戦争。ロシア軍が軍事侵攻開始。数万人のチェ
     チェン人が犠牲に。ハサブユルト和平合意によって停戦。
1997年   独立派穏健派のアスラン・マスハードフが、民主的なチェチェン 
     共和国大統領議会選挙によってチェチェン大統領に選出される。
1999年
    8月 モスクワ、ブイナフスク、ヴォルゴドンスクで集合住宅が爆破
    され、200人以上が死亡。ロシア政府はチェチェン人を犯人だと     
    非難したが、マスハードフ政権は関与を否定。逆にロシア治安機関
    が犯人だと反論する。
    8月7日から9月11日、シャミーリ・バサーエフとハッタブの指揮
    するイスラム平和維持旅団(IIPB)がダゲスタンに侵攻。第二次チェ
    チェン戦争のきっかけとなる。
    8月16日ウラジーミル・プーチン、首相に就任「テロ掃討のための 
    作戦だ」
1999年
    9月23日 第二次チェチェン戦争開始。ロシア軍の再度の軍事侵攻
    が開始された。この後10年の間に約25万人が殺害される。
    12月31日 エリツィン大統領引退、プーチンへの権力移譲
2000年
    1月30日~31日 独立派首都グローズヌィの籠城から撤退してパル
    チザン戦に移行。
    2月5日 ノーヴィエ・アルディ村の住民虐殺事件
    5月7日 プーチン大統領就任(1期と2期2008年5月7日まで)
2002年
   10月23日 チェチェン独立派、モスクワの劇場を占拠し、ロシア軍
   のチェチェンからの撤退を要求(ノルド・オスト事件)。交渉を拒否
   したロシア政府が、毒ガスを注入した上で特殊部隊を突入させ、ゲリ        
   ラ41人と人質174人を殺害。
2004年
   2月6日 モスクワの地下鉄で爆発、40人以上死亡。
   5月9日 チェチェン共和国首都グローズヌイで開かれた対独戦勝記
   念式典で爆発、アフマトハジ・カディロフ大統領(親ロシア派により             
   2003年任命)死亡。
   9月1日 ベスラン学校占拠人質事件。1270名が人質に。シャミー
   リ・バサーエフが主謀したことが後の犯行声明で明らかになる。独立
   派のマスハードフ大統領は激しく反対した。ロシア治安部隊が突入
   し、死者330名に及ぶ大惨事となる。
2005年
   3月8日 97年に選出されたマスハードフ大統領、ロシア治安部隊
   に暗殺される。
   死亡した傀儡派のアフマトハジ・カディロフ前大統領の次男ラム
   ザン・カディロフ首相代行となる。         
2006年
   10月7日 チェチェン報道でロシア政府を批判していたノーバヤ・ガ
   ゼータ紙のアンナ・ポリトコフスカヤ記者、モスクワで暗殺される。
2007年
   2月15日 ラムザン・カディロフ、プーチンの意向でチェチェン共和
   国大統領に任命される。
   8月13日 ロシア北西部で旅客列車「ネフスキー急行」が爆発で脱
   線、60名負傷。
2008年 5月 ロシア・メドヴェージェフ大統領就任
2009年
   1月19日 チェチェン問題についての弁護を精力的に行っていたロシ
   アの弁護士スタニスラフ・マルケロフと、ノーバヤ・ガゼータ紙の記
   者アナスタシア・バブロワが、モスクワの路上で殺害される。チェ         
   チェンで少女を強姦殺害したロシア軍将校ブダーノフの釈放に抗
   議する記者会見の直後に。      
   7月15日 ロシアの人権NGO「メモリアル」の人権活動家ナタリア・
   エステミロワ、チェチェンの首都グローズヌイで何者かに誘拐され、
   同日中にイングーシ共和国で遺体で発見される。メモリアル側は「         
   カディロフ大統領(親ロシア派)が犯人だ」と非難。
2010年
   3月29日 モスクワの二つの地下鉄駅で連続爆発、少なくとも40人が
   死亡。
2011年
   1月24日 モスクワ・ドモジェドボ国際空港で爆発事件。35人が死
   亡。
    後にチェチェンのドッカ・ウマーロフ司令官が犯行声明を出す。

   3月5日 ラムザン・カディロフ、チェチェン共和国元首となる。

(写真は1995年3月平和行進の続行を求め座り込むチェチェンとロシアの女性たち 撮影:林克明)

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