かもたつ

嘉門達夫さんのエッセイがあまりに面白いので、以下抜粋いたします。

列・イライラ
大阪万博の時、アメリカ館やソ連館は長蛇の列で、二時間ぐらい並ばされるのは常識だった。よほど人間というのは並ぶのが好きな動物らしい。僕は列が大嫌い。キャッシュカードのコーナーが混んでいる時、とくに給料日の直後は、機械の前に長い列ができてしまう。その瞬間、どの列に並ぶか重大な選択をしなければならないのだ。並んでいる人数が少ないからこの列が最良だと単純な選択をすると、エライ目にあったりする。オイオイオイ!短い列に並んで順番を待っていると、隣の列が早く進んでるやないか。僕よりあとに並んだはずのヤツが、もう次の番や。こら一体どないなっとんねん!と列の一番前を見ると、七十七、八歳のオバアさんやがナ。オイオイオイ!説明書きを一生懸命読んではるがナ。なんぎやでェ、これは。後ろの人も黙って立ってないでなんとか言うたらどないやねん。おばあちゃんやおじいちゃんは、機械に慣れてないぶん、することがトロイ。列の中にお年寄りがいたら、その列は避けるのが賢明だ。

以上。この手のお笑いがぎっしりつまっている。出典は、嘉門達夫「日常COM'ON!超B級娯楽世界」大阪書籍、脱稿:1986年4月です。この貴重な本も図書館のリサイクルコーナーで見つけたもの。ちなみに、CAMOTATSUさんは同学年でした。

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