ローマの休日

35歳の時だった。ローマの地下鉄に1人で乗っていると、正面に女性2人がやってきた。私はドアを背にして立っていた。駅の手前でブレーキがかかり、その2人が私に倒れ込んできた。胸が合い、いかんと思って体を引いた。停車し、ドアが開き、その2人は笑顔で降りていった。紳士的にふるまった私も笑顔で返した。ドアが閉まり発車後、車内の乗客が私をジロジロ見る視線を感じる。軽笑されている。「はっと!」と気が付き、サイドポケットを確認すると、現金約8,000円(換算)強が無くなっている。やられた…。後ろのポケットの財布は?(汗)あった。よかった。次の駅で降りた。
あのローマの女性2人の笑顔と車内の雰囲気、今でもうっすら覚えている。


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