#2 大阪農園さんでしゃべりまくる
農旅2日目。
この日は静岡県藤枝市で有機農業を営む大阪農園さんを訪問。彼は農業研修時代の同期で、以前岐阜の農園に訪ねてきてくれていましたがこちらからの訪問は初めて。
朝から訪問し、午前中は農作業をお手伝いしました。
昔話に花が咲き、ジャガイモの収穫作業の最中から昼食、その後と喋り続けて8時間。体よりも喉が疲れる事態に。ホント、よく話したなと。笑
「提携」という関係性
午前の作業後はお昼ごはんを食べがてら大阪さんが農産物を出荷しているお店に連れて行ってもらい、少しお話を伺いました。そこでの様子から良い「提携」関係を築かれていることが感じ取れました。
「提携」という言葉を有機農業者が使うとき、普段よりも特別な意味を持つことがあります。
わたしたちが農業の研修していた農場は栽培だけでなく、経営全般に渡り学べる場でした。その中で大きな柱だったのが"消費者との関わり方"です。
1970年頃、有機農業はある種の運動でした。その背景として公害や食の安全性への疑問などの環境問題がありましたが、それらを解決する1つの方法として“農”が注目されました。
その時代の有機農業の先駆者達が作り上げたのが「提携」と呼ばれる関係性。辞書を引くと「協力して事を行うため互いに力を合わせること」とありますが、文字通り生産者と消費者が協働し、理想の“食”の環境を築いていこうと活動していました。
具体的には、生産者は消費者と協議の上作り上げた営農計画に基づき化学的に合成された肥料や農薬に頼らず農作物を生産出荷する。
一方消費者は天候や病害虫などによる出来・不出来に関わらずそれを全量引き取り、時には農作業の手伝いを通じて生産者を支えました。
関わる人と場所によって差異はあるものの、これらをベースに営農されているのではないかと思います。
1978年に日本有機農業研究会から発表された「提携十か条」により仕組み化された「提携」は海を越え、欧米諸国で広がるCSA(Community Suported Agriculture=共同体に支えられた農業)という仕組みにも影響を与えていますが、日本ではそれ程認知されていないようです。
私達の師匠世代では有機農業のメインストリームだったこの仕組みも時代と共に変容し、当初の形をそのままの形で残している農場がどれだけ残っていのかは不明です。しかし、次の世代にも生産者と消費者が直接繋がる、言わば“体温の感じられる関係”は受け継がれているように思います。
大阪さんと、お店のオーナーさんとの会話はそんな「温度」を感じさせるものでした。
骨太な有機農業者
大阪さんは1人で2haの畑を切り盛りする野菜専門の農家さん。最近身の回りにいる農家さんの多くは田畑を耕作しつつ、それに付随した形で別のことにも取り組んでいるというスタイルの方が多いので、彼のように野菜一筋の農家に会うのは久しぶりでした。一緒に研修した農場のような雰囲気があって、懐かしさを感じさせられました。良い意味で昔気質、そしてストイックな農業経営者としての姿に「なるほど」と思ったり「へえ〜」と驚いたり。
自分と違うスタイル、スタンスの方に会うのはとても刺激的です。散々話し込んで農作業の邪魔をしちゃいましたが、これだけ話し込める仲間は本当に貴重(時には毒づきあったり笑)。また語り合いたいものです。
そんな大阪さんにはインタビューをさせていただきました。音声と動画を残してあるので是非ご覧ください。
(ちなみに動画は撮影ボタンを押し忘れ、まさかのテイク2。お疲れのところごめんね!)
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