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#10 農の原点に帰る

茨城県の環の花さんの農場を離れ、今度の目的地は再び栃木県の那須烏山市にある古巣、帰農志塾です。

帰農志塾

ここは有機農業の栽培技術から経営まで学べる、国内でも有数の農の学び舎です。わたしもこちらでお世話になって研修していましたが、全国に100を越える有機農業者を排出するという実績を持っています。

お世話になった師匠は3年前に亡くなり、今は世代交代して新しい体制で運営されています。しかし今も農業を志す人々の学びの場である事に変わりはありません。
わたし自身最後の訪問から10年経っていましたが、背筋が伸びる感覚はしっかり存在していました。

帰農志塾の畑の一部
美しいトウモロコシ並木
元気にツルを伸ばしているキュウリ
鶏のヒナたち
鶏舎と堆肥舎
まだまだ希少な有機のブドウ
出荷場。全て懐かしい。

語らい、振り返り、そして今

到着して、まずは師匠のお墓参り。
この日は帰農志塾の先輩である環の花の宮永さんと、同じく先輩である栃木県真岡市のまんまる農園・丸山さんたちの計らいで、同期で集まってお線香をあげることになっていました。

農場を一望できる高台に建てられた師匠の墓前に立つと、もうその場には居ないはずなのに今にもお叱りの言葉が飛んできそうな気になってしまいました。散々怒られましたので。愛ある人だったので、愛故に。

お墓参りの後はお墓の脇に建てられた東屋にて師匠の奥さま、当時の仲間たちと共にしばし語らいの一時。昔の話や今の話、そしてこれからの話にも花が咲きました。みんながベースに“農”を持っている。そんな人たちと話していて面白くないわけがない。その根っこを作ってくれたのがこの帰農志塾だと思うと、自分にとってはもちろん、多くの人にとってやはり稀有な場所なのだと再認識しました。

変化と気付き

久々の帰農志塾で様々なことを感じました。気候や環境の変化、社会の変化、そして自分の変化。

経験を積んだ視点で改めて古巣の畑を眺めてみると、当時は気づけなかったことに気づくことが出来ました。
その中でも一番の気付きは、やっぱり畑が好きだと再認識したことです。単純に楽しい、心地良い。だからやってこれた。
そんな自分になるためのきっかけをくれたのが、この帰農志塾。辛かったけどすごい経験をさせてもらったなあとしみじみ思いました。

それにしても苦楽を共にした仲間との時間は10年のブランクなんてなんのその。掛け替えのないものでした。それだけのものを共有してきたからだと思いますが、心から楽しく、再会を喜べました。こういう場と仲間を与えてもらったことも感謝すべきことだと思います。

ご多忙の中、今回の訪問を受け入れてくださって本当にありがとうございました!
そして久々に会った仲間たちにも心からの感謝を!ぜひまたいつか集まりましょう!

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