50代おばはん、電工2種資格を取得する


50代のおばはんが電工2種を取得した理由

理由は、DIYで中古物件をリフォームしているから。

電気屋さんに頼んむのと、自分でやるのと天秤にかけて、どっちが面倒かなって考えて、電気屋さんに頼むほうが面倒そうだと思った。もともと人に何かを頼むのが苦手は性分で、夫にさえ手伝ってと言えない。いや、頼むと自分のペースでできないくなるので、それが嫌だという気持ちのほうが強い。

コスト面でも、自分でやったほうが安くすむかも、という期待があった。
ただ勉強をすすめていくうちに、全部自分でやろうとすると、そこそこいい値段のする、いろんな工具が必要なことが見えてきた。工具を揃える費用を考えると、自分でやる費用対効果は微妙かもしれない。でもやはり自分のペースで、自分のやりたいようにできるほうの魅力が勝った。

リフォームしている物件は、住まいから50kmはなれた郊外にある。
2階建ての木造住宅で、いまリフォームしているのは1階の部分、水回りと、キッチン、リビングのスケルトンリフォームに取り組んでいる。

DIYのいいところは、一か所ずつ自分のペースで仕上げていけるところだ。ますはトイレから、そのあと洗面所、そしてキッチン、みないに一か所ずつ自分のペースで納得がいくように仕上げていくことができる。

たとえばトイレなら、便器や洗面、物入の配置などを決めなくちゃいけない。PintarestやYouTubeなど、いろんな事例をたくさんみて、あれがいい、これがいいと楽しく悩みながら決めることができる。そうやってモノの配置が決まってはじめて、コンセントの位置や照明の位置が見えてくる。

それを全部屋分、一気に決めるのはなかなか難しい。一部屋ずつ、いろんな事例をみながら自分なりのアイデアをかためて仕様を決めていくところが一番楽しい時間だ。だから、時間に追われて、中途半端に妥協してすすめたくない。

一方、業者に仕事を依頼する場合、工賃は基本作業日数に比例する。だから、1日でできる最大限の作業をお願いできれば、1か所あたり工事費用を安く抑えることができるが、一度に少しずつしか仕事を依頼できない場合、往復にかかる移動費や時間を考えると、作業単価は高くついてしまう。

というわけで、リフォームは自分のペースですすめたいし、業者に頼むと高くつきそうなので、自分で資格を取得してやってみよう、という結論にいたった。

ちなみに、YouTubeでDIYリフォームの動画をアップしている人は、配線工事も自分でやってる人が多い。DIY好きな人なら、わりとカジュアルに取得できるスキルなのかも、と思ったので、とりあえず試験対策の参考書を買ってみたのが2年前のことだった。

筆記試験は5月と11月、勉強期間は1か月強

春に試験を申し込み、5月下旬に筆記試験、7月下旬に実技試験、はれて9月中旬に合格通知をうけとり、免状の交付をうけた。

試験対策本事体は1年以上前に購入しちらちらと眺めてはいた。でも本格的に勉強をはじめたのは試験の申し込み後で、それまでは実際あまり身がはいらずウダウダしていたらあっという間に1年過ぎてた感じだった。
夏休みの宿題と同じで、直前になってお尻に火が付き、具体的にはゴールデンウィーク前から真剣に勉強をはじめた。筆記も実技おそれぞれ1か月強、YouTubeの試験対策動画をみながら勉強した。

勉強方法はYouTubeで、でも現地現物の経験も大切

ホーザンという電気工事で使う道具のメーカーさんが、ていねいな解説動画をYouTubeで公開してくれている。このYouTubeがとても良くできていて、解説のお姉さんの美しい手元を眺めながら、わからないところは何度も見返しながら楽しく学ぶことができた。

短期間でそれなりに知識を身につけられたのは、現物に触れる機会があったからだと思う。

たとえば、今リフォーム中の家屋は木造戸建てで、築40年を経過している。こちらでは、木造建築の場合の配線方法や電線の種類、コンセントの実物をみたり触ったりできるので、試験にでてくる基礎知識を自然と身に着けることができた。

また、いま住んでいるはマンションなのだが、業者にリフォームを頼んだ際、天井をぶち抜いてコンクリートを露出させたデザインにした。そこに、ライティングレールも敷設してもらったのだが、レール間をつなぐ電線はすべて金属管で配線してあり、これってデザインなのかな?と思うくらい無骨でかっこいい。
ところが、実はこれはデザインでもなんでもなく、コンクリート造の建築物において、法令で定められた配線方法ということを試験勉強を通じてはじめて知った。机上の知識を、実際の現物を通じて確認できるので、すんなり知識が頭に定着させることができた。

ということで、やはり実際に現物をみて、触ることで、覚えやすくなっていたので、筆記試験の勉強でもなるべく実際の資材など見て触れてなどの体験を増やすとよいと思う。

資格取得が遅れて、リフォーム計画が大幅に遅延

実は昨年の年明けには、床の合板の張替えの目途がついて、次は壁の番だ。壁を貼り終わったらリフォームもいよいよ大詰めを迎える、とワクワクした。

でも、壁を貼る段どりになってはじめて気づいた。
あれ?もしかして壁を貼る前に、壁の中の配線をやっておかないとだめなんじゃない?と。

配線工事を進めるには、電気工事士の資格が必要だ。そして、その時点では電気工事士の勉強がまったく進んでいない状態だった。

リフォームがまた大幅に遅延することが確定した。

この程度の段取りなんて、少し考えればすぐに気づくことなのに、遅すぎである。あわててWEBで試験の開催要綱を調べた。

試験申込手順について

試験は、一般社団法人電気技術者センターが実施している。
https://www.shiken.or.jp/index.html

このホームページが、とても使いにくい。
試験日程や申し込み方法の説明がPDFだったり、申し込み方法の説明のところに申し込みページへのリンクがなかったり。おかげで、申し込みページになかなかたどり着けなくて、かなり手間取った。

試験の申し込みは、トップページの下の方にある「インターネット受験申込(マイページの作成・ログイン)」(下図の赤矢印部分)からできる。
わかってしまえば簡単なんだけど、ここにたどりつくのに苦労した。

電工2種の場合、試験は春と秋の2回ある。
年に2回しかチャンスがないが、試験の申込期間がかなり短い。
令和5年は春が3月20日~4月6日、秋が8月21日~9月7日といずれも17日間。上記のとおり、インターネットで受け付けている。早めのエントリーをおすすめします。

受験方法は、インターネットで受けられるCBT方式か
試験会場で実施する筆記方式が選べる


令和5年からCBT方式といって、インターネット上で試験もうけられるようになっているが、私は筆記試験を選択した。

パッと見、インターネット試験は移動の手間が省けて便利なようにみえたが、たったひとりでパソコンに向かって、制限時間内に問題を解く、というのを想像したとき、とても心細さを感じた。試験会場でまわりに受験者がいて、一緒に試験が受けられる筆記試験のほうが緊張しないで試験をうけられそうな気がした。それで筆記試験を選んだ。

筆記試験会場は東大駒場で、東大の古い重厚感ある学舎を眺めたり、東大英才たちが使っているであろう教室の椅子に座れるのは、なんとなく得した気分だった。

試験会場では、受験者の女性比率やどのくらいの年齢層の人が受験しているのか知ることができた。ばっくり女性は5%くらい。少ないがそれなりにいた。若い世代だけでなく年齢層が高めの人も混ざっていて、どういう経緯で受験しているのか興味がわいた。

試験でありがちな、終わったら終了時間を待たずにさっさと席を立ってかえってしまう、できのよさそうな受験生が多くて若干あせった。
でも自分は高齢者の部類だし、できなくて当たり前と気をとりなおし、マークシートの回答が行ずれをおこしてないか再確認したりして、最後まで時間を使いきって試験会場をあとにした。

ちなみに、受験票を忘れてしまった場合も会場で、本人確認の手続きを通じて受験ができる準備があった。だから、途中で受験票忘れに気づいても、家に戻って試験時間に間に合わなくなるより、そのまま会場にむかって、本人確認の手続きをしたほうがよいとおもった。

資格を取得、いよいよリフォーム再開!

合格してから早速、トイレにあった分電盤を洗面所に移動と、キッチン、洗面、トイレの水回り、エアコンの設置予定場所への配線作業を計画した。

どの電化製品をどこに置くの?
電気工事の前に決めておくべきこと

電線やらコンセントやら必要部材をある程度買い集めて、さあいざ配線作業するぞ、というところで、さっそく壁にぶち当たった。

まず電化製品を置く場所。ほんとうにここでいいんだっけ?あとからやっぱり別の場所にしよう、ってならないかなと迷った。

次に必要電圧。
一般的な電化製品は、100Vで動く。でも大容量の電気をくうIHとか食洗器とかは何Vで動くのか。まだ何を導入するかも決まっていないので、必要な電圧も把握できてない。

そんなのリフォームがある程度進んで、住む直前に決めればいい、と思ってたが、配線するとなると決めておかなければならない。

消費電力が大きい電化製品は専用配線が必要

たとえば食洗器。もし食洗器を入れたい、となるとそこに給水栓や排水管だけでなく、専用電源も必要になってくる。100Vで動くもののあれば、200V必要な機器もある。IHだと、200Vもしくは300Vの専用配線が必要になる。
電子レンジは100Vで動くものがほとんどだけど、専用配線が推奨されている。この3つだけですでに専用配線が3本必要にある。

配線工事を進めるために、まずは導入するかもしれないキッチン電化製品の市場調査から始めることになった。

キッチンコンロはIHにすることは決めてたけど、スペックまでは決めてなかった。食洗器もいれるかどうか、決め噛めていて、まだ全然スペックを把握していない。洗濯機も100Vでほとんんど動くよね?電子レンジは?などなど、電化製品のスペックを調べるだけで時間がすぎていく。

これを決めて、実際に配線するだけで3週かかった。

本来電化製品選びって、ワクワクするイベントのひとつなのだ。本来じっくり時間をかけて、ニヨニヨしながらスペックをながめ、あーでもないこーでもないと、迷うのが楽しい。でも、そんなことをしてたらいつまでたっても配線作業がすすめられないので、早くおおまかにでも機種をしぼりこんでいかなくちゃいけない。そんな家電調査はあまり楽しくなかった。

電気自動車にソーラー発電?!
どこまで将来の需要を見通す?

また将来電気自動車を使うとしたら?その時に必要な電圧は200Vなので、外構用にも200Vの専用配線を用意しておいたほうがよさそう。

ソーラー発電機を導入するとしたら、既存の電力会社とつながる分電盤とどうやってつなげたらいいの?

将来の可能性を考え始めたら、きりがなくなってきた。さすがにまったく前にすすめなくなってきたので、とりあえず、外構用に既存の100Vの電源に加えて、200Vの電線も引き回すところまではやっておくことにした。ソーラー電源のことは、将来必要と感じたらあらためて考えることにした。

もし100Vのコンセントしかないところに、200Vの機器を設置することになたら、あためて配線をひっぱってこなくちゃいけなくなる。だから、あらかじめ利用する可能性が想定できるなら、スケルトンの今のうちに、必要な電源を設けておきたい。

新たに購入した分電盤の種類

いまのマンションでも使っているパナソニックの分電版で、16スロットあるものを手に入れた。100V用のミニブレーカーが8つ、200V用が4つあらかじめついていて、空きスロットが4つある。

以前の持ち主はもともと容量の大きいエアコンを使っていたのか、50Aの契約になってる。今住んでいるマンションが30Aなので、引っ越したら電気料金が高くつきそうだ。でも一戸建てだしそんなものなのかな。

当初、200Vの配線はエアコンくらいしかないかなと思っていた。
でも、キッチン用IHと外構用にそれぞれ1つずつ割り当てたので、のこりはあと1つだけになった。ほかに4つ空のスロットが残っているので、今後さらに大容量の電化製品を使うとなったら、まだ増設の余地はある。

電気屋さんは、住む人がどんな電化製品を使う予定か、ニーズを汲んでコンセントの位置を決めるだけでなく、アース線や適切な容量の専用配線を壁や床の中に引き回しておいてくれてたんだな。自分でやってみて初めて電気屋さんの有難さが身に染みた。

終わりの見えないリフォーム作業
でも新しいことへのチャレンジは楽しい

まだまだやることや見えていないことは山ほどありそうだ。
だけど、知識が増えたり、新しいことにチャレンジできるのはなんだかんだいって楽しい。

リフォームは、当初の予定を大幅に超えて、いつ終わるかわならない長期戦に突入している。でも完成までの過程が一番おもしろいのかも、と今を楽しむことにしている。

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