バンクシー展にいきました
「バンクシー展と言うのかい?贅沢な名だね。
今からお前の名前は『バンクシーの作品を使ったインスタ映え撮影スポット』だよ」
…って私が湯婆婆だったら言っちゃうな、というのが率直な感想です。
わかったら返事をするんだ、(以下略)!!
…突然湯婆婆が出てくるバンクシー展の感想is何。
バンクシーについて
《風船と少女》
この作品の額にシュレッダーを仕込んでいて、
オークションで落札された瞬間に絵がズタズタになった話で最近有名になった芸術家。
展覧会みた限りだと資本主義社会(消費社会と言ったほうが適切だろうか)と政治と戦争を皮肉るのが好きっぽいですね。
個人的には消費社会を皮肉った作品が好き。
これとか好きです。
UNI〇LOを思わせるロゴと宗教画の人間のモチーフ転用のアンサンブルによる悲壮感がすごい。
《Sale Ends》
正直バンクシーはにわかなのですが。
バンクシーの良さって、
・デザインとしての空間の使い方がうまい
・分かりやすいモチーフ
・皮肉がポップ
かなと展覧会を観て思った。
ストリートアートという手段の特性上か、
必要最小限の細部、モチーフ、配色で
余白も込みで作品が成立している感じがしていて
とにかく面と空間の使い方にセンスを感じる。
それから、議会を猿にしたり
ストレートでシンプルで逆にみんなやらない
みたいなことを絵にしてる印象がある。
ミッ〇ーとかマク〇ナルド持ち出してくるし。
だから分かりやすいし、大衆に伝わる。
《猿の議会》
極論を言うと分かりやすいからみんなバンクシー好きなんだろうなと思った!主語がでかい!!
展覧会について
非公式だし本人の情報ほぼないのにどうやって展覧会やるんだろうと思っていたけれど。
彼のSNSとか映画とかをはじめ、断片から繋ぎ合わせていこうという気概は感じました。
展示室内はほぼ全て写真OKで、
写真を撮る前提で展示が作られてた感じはある。
なんというか…展示室、バンクシーの絵が飾られたお洒落空間だった。
彼のアトリエとか自宅のトイレの作品とか作ったホテルの内装とかも複製されてました。映え感。
※画像はバンクシー展Twitterより
おそらくメイン作品はストリートというか現地にあるので、全体として写真とか映像とか複製がどうしても多くなってしまう印象ではある。
ただ、シルクスクリーン作品の制作映像のインスタレーションを置くことで、複製といえども単なるコピーとの差別化を主張してたのは、
意図を感じたし、個人的に興味深かった。
浮世絵みたいなものかな。
総じて展示の印象としては、
ライトに幅広くバンクシー作品が知れる映え空間
でした。
以下悪口 ※自己責任で
名古屋ボストン美術館、学生時代に何度か訪れたのだけど、なんかこう…上品な展示してたと思うんですよね…
私が過去を美化してるだけかもしれないが…
清楚なお嬢さまだと思ってた子が、久々に会ったら金髪ギャルになってたくらいの戸惑いはある。例え話なに??
気概は感じたんだけど、正直展覧会としては物足りないかな〜と思いました。
本物の作品に出会う満足感よりも、どうしてもおしゃれに複製品を並べた感が強かった。
それから、〇〇展と名のつく展覧会って、
芸術家や作品を新しい切り口で魅せたり、
他作品や時代との対比で深掘りするものだという認識があるのですが。
そういう目で見れば、バンクシー作品がいろいろあることは分かったけれど、彼自身への深掘りとか考察が深まった感は正直薄かったので、展覧会としてはちょっと浅いかなと思ってしまった。
時代的・政治的背景の解説はもう少しあったほうが作品への理解が深まるんじゃないかな〜
なんか手軽にバンクシーを知るには打って付けなかんじだったので、単に私が客層じゃなかったんだろうなとは思う!
以上!
バンクシー展に集う我々はこれであることを忘れずに生きていきたいと思います。
結局のところ彼に皮肉られているのは展覧会に殺到する我々のような人間なのであり、この展覧会も彼の芸術作品の一部な気もしてきた。おもしろ…
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