『ブレット・トレイン』演者同士のアンサンブルにダイナミズムを感じる快作
ブレット・トレイン
Bullet Train
監督
デヴィッド・リーチ
脚本
ザック・オルケウィッツ
原作
伊坂幸太郎
『マリアビートル』(角川書店)
製作
ケリー・マコーミック
デヴィッド・リーチ
アントワーン・フークア
製作総指揮
ブレント・オコナー
三枝亮介
寺田悠馬
カット・サミック
出演者
ブラッド・ピット
ジョーイ・キング
アーロン・テイラー=ジョンソン
ブライアン・タイリー・ヘンリー
アンドリュー・小路
真田広之
マイケル・シャノン
サンドラ・ブロック
ベニート・A・マルティネス・オカシオ
ローガン・ラーマン
ザジー・ビーツ
マシ・オカ
福原かれん
音楽
ドミニク・ルイス
撮影
ジョナサン・セラ
豪華俳優陣の極限にまで誇張された演技アンサンブルと、アクションやケレン味たっぷりのカッコいいシーンが光る快作だ。
本来、時系列をシャッフルし、後付け設定をどんどんプラスしていく群像劇を得意とするガイ・リッチー(『スナッチ(2000年)』、『シャーロック・ホームズ(2009年)』)の作家性を真似したフォロワー作品は大抵残念な結果に終わることが多い。最新の映画演出について行けていない時代遅れの産物にしかなり得ないからだ。
今作の監督であるデヴィッド・リーチもインタビューで発言していた通り、『ブレット・トレイン』にもそのような部分がないわけではない。むしろそのような「ガイ・リッチー的なノリ」が全編通して繰り広げられる。
だが今作『ブレット・トレイン』は演者のオーバー・アクトによる場面ごとのダイナミズムを以ってして、前述した古臭く感じるような映画構成をカバーしているどころか、さらに充実した映画体験をプレゼントしてくれる。
役者のおもしろ演技が光るように高めの作中リアリティ・ラインを設定していたのも好感が持てるし、元スタントマンであるデヴィッド・リーチ監督の手腕が光る、動作が細かく骨太なモダン・アクションシーケンスもなかなかの見応えがあった。
いくら弱点があろうが、「場面場面毎の楽しさ」があれば映画を観る悦びは得られるということを改めて感じさせてくれる快作であった。
オススメです!!!!
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