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『RRR』極上の映画表現に狂酔する3時間!!!

監督: S・S・ラージャマウリ
出演:  ラーム・チャラン 
   N・T・ラーマラオ・Jr
         アーリヤー・バット
   オリヴィア・モリス

〈あらすじ〉
1920年、イギリスの植民地政策下にあるインド。野性を秘めた男・ビーム(N・T・ラーマ・ラオ・Jr)はイギリス軍に連れ去られた村の少女を救うため、仲間と共にデリーへ向かう。そこで、ある出来事をきっかけに内なる怒りを燃やす男・ラーマ(ラーム・チャラン)と出会い、互いの身分を知らないまま親友となる。しかしラーマはイギリス軍の警察官であり、ビームの本当の目的を知った彼は友を投獄する。


 前作『バーフバリ』二部作(『〜伝説誕生』(2015) 『〜王の凱旋』(2017))での圧倒的映画表現で、インド映画界のみならず、文字通り世界の目を奪っていったS・S・ラージャマウリだが本作でもその手腕は健在だ。
 『バーフバリ』二部作でも顕著だったのだが、豪快で豊麗な画が3時間の上映時間中これでもかと矢継ぎ早に繰り広げられ、尚且つ各々のシーンのエモーションを高め、ストーリーテリングとしての効果も発揮しているという、"映画"的純度の高い見せ場の連続で隙がなく、僕は狂酔した。
前作『バーフバリ』での「現実の君主制を肯定してしまうのではないか?」という懸念点も今作では打破すべき敵(=イギリス軍)として描かれているので、その点でも観客が物語をいくらか飲み込みやすくなっている。(しかし、『RRR』のプロパガンダ風のエンドロールも受け入れ難いものであるのも確かだ。)
 ストーリーと大胆で壮麗なアクションが見事に一致した、近年の世界中のアクション映画の中でも突出してエクストリームな一本であるといえよう。
 ぜひその光彩離陸さを刮目して欲しい。


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